2014/2/2 別府大分毎日マラソン(フル) inserted by FC2 system



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別府大分毎日マラソン出場
 63回を誇る、日本有数のマラソンレース。 市民ランナーに解放されたのは、数年前だ。 参加資格が公認大会でのグロスタイム3時間30分以内に緩和されたのだ。 我々、チームアドバンスのメンバーは、2013年4月のかすみがうらマラソンで、走った3人がサブ3.5を達成し、参加資格をゲットした。 素晴らしい大会だけに、出られるのは光栄なこと。 しかし、ハードルは高い。 なんといっても遠方での大会なので、交通費・宿泊費がかかる。 それに、3時間半を切っていれば出られるといっても、3時間半を目指す人が出る大会ではないと思われる。 関門が厳しいのだ。 10km49分、15km1時間13分は、その3人が走ったかすみがうらマラソンでは達成できていない。 だが、我々としても、年々進化しているわけで、サブ3.15を目指す練習をしてきた。 その中で自分は、2013年11月の湘南国際で、3時間11分という素晴らしいタイムを出した。 十分に参加する意義はあるかなと思っていた。 アドバンスのメンバーのうち、申し込んだのは2人。 自分とチームの中心的存在であるkorun氏だ。 ハル氏は、お子さんの高校進学があるので、断念した。 また、もうひとりのUmerun氏は、1月の勝田マラソンを申し込んでいたため、やはり大分回避した。 自分としては、敦賀から大分へ行く事になるので、東京から行くよりは距離的に近い。 行くなら今年という思いはあった。 2人は、2013年秋に大会に申し込んだ。
 
 だが、その後、紆余曲折があった。 まずkorun氏が足を痛めた。 練習不足で走ったつくばマラソンでは、悪いことが重なるもので、足を保護するために敷いた中敷のせいで靴擦れを起こし、大ブレーキとなってしまった。 自分は、湘南国際マラソン後も順調であったが、つくばマラソンのレース中にアキレス腱を痛め、全く走れない日が続いた。 しかも痛みは長引き、結局痛みを抱えたまま、この大会を迎えることとなってしまった。 もちろん、マラソンはタイムという結果が出るスポーツ。 だが、それだけではない。 今回、2人の目標は完走だった。 前半抑えて10km、15kmの関門はギリギリ通過し、後半粘れば完走できるという考え方だった。
 
 足が痛むので、スピード練習はしなかった。 一応、1月の走行距離は270kmに達したが、ほとんどが通勤ランで、ポイント練習は皆無だった。 峠走もしなかったし、インターバル走やビルドアップ走もしなかった。 本番4日前、3km走のタイムは11:40と、思ったほど悪くはなかった。 だが、今回問題となるのは心肺機能ではない。 走っている間に、アキレス腱が痛み出したら、その時点で終わりである。 足が傷まないよう、ペースを落とす必要があった。 目標は3時間半だから、15kmの関門以降は、キロ5分で走ればいい。 今の自分に、キロ5分は遅く感じるかも知れない。 湘南国際の時は、キロ4分20秒でしばらく走っていたのだから。 呼吸は問題ないはず。 なんといっても鍵は左足首である。
 
 大会は2/2の日曜日。 スタートは12時と、一般的な市民マラソンのスタートが9時とか10時であるのに対し、非常に遅い。 確かに、市民マラソン以外の国内レースは、みなだいたい12時スタートだ。 当日朝受付なら、神戸〜大分ののフェリーで大分入りするという選択肢がある。 だが、受付は前日の14時〜17時。 前泊は必要だった。
 
 ホテルはkorun氏に取ってもらった。 受付が別府市内なので、本当は別府のホテルが理想である。 だが、金額的に高いし、一般のホテルは、あっという間に満室になってしまった。 大分には、何度か出張で行ったことがある。 その時は、それこそ神戸〜大分のフェリーを使ったが、一緒に行った人がホテルに泊まったので、話は聞けた。 大分だと、駅前のコモドホテルがいいなと思った。 ビジネスホテルではあるが、温泉大浴場があるからだ。 ホテル公式サイトからだと満室だったが、マラソン大会枠で空室があった。
 
 korun氏は、航空機のパックで申し込んだ。 行きは昼の便は満席で、朝の便になってしまうという。 受付は14時からだが、その前に別府につく便だ。 自分も、極力それにあわせて別府入りする事にした。
 
 関西から九州までは、企画切符の往復割引切符がある。 だが、京都市内発着の切符は、少なくとも長浜まで行かないと買えず、切符が買えないと、指定席の予約もできないという。 だが、新幹線は当日でも大丈夫だと思うし、問題は小倉〜大分の特急であるが、それも行きは時間が早いから当日でも大丈夫だろうし、帰りは始発なので、最悪自由席でいいかと思った。



大分へ
 朝6:02敦賀発大阪行の快速で出発する。 この電車で山科まで行き、山科で京都市内発の往復割引切符を買う。 ところが、湖西線内で、電車が急に止まってしまった。 東海道線で人身事故だという。 幸い、電車は10分遅れで山科に着いた。 山科で降りて、往復割引切符を買う。 京都から小倉までの直通(のぞみ)もあるが、あえて新大阪始発のみずほとした。 みすほの指定席は、横4列で、ゆったりしているからだ。 マルスから出てきた指定券は、車両の端っこの席だった。 マラソン前に、揺れる席は嫌なので、車両中央の席と交換してもらった。 新大阪8:59のみずほで小倉まで行き、ソニックに乗り換えて別府まで行く。 車内はランナーでいっぱいだった。 通路側だが、指定席が取れて良かった。 小倉からだと、始発でないので、座るために何分も前から並ぶ必要がある。 ソニックの中で少し寝て、12:48に別府に着いた。
 
 korunさんはというと、東京から飛行機。 羽田10:05発、大分11:35のJAL。 パックなので、空港から受付会場のビーコンプラザまで、専用バスで移動するという。 そのバスで隣になった人は、まだ20代前半だが、その歳にしてもうかなりのレースを経験していて、我々3人が雨の中走ったかすみがうらマラソンにも出たという。 更に、自分も出る3月の能登和倉マラソンにも出るという。 我々もそうだが、マラソンというと、30代後半とか40代から走り始める人が多いが、20代でそれだけレースに出ているのは凄いと思う。 しかも、ベストは3時間と少し。 きっと、本大会は、そういう人が沢山出ているんだろうなと思う。

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 受付は14時から。 自分が乗った、電車は定刻12:48に別府に着いた。 会場までシャトルバスが出るのだが、13時半からだという。 どうしよか迷ったが、korunさんは既に会場にいると思うし、1.5kmくらいなので、歩くことにした。 目の前に由布岳が見える。 別府公園もきれいで、いい町だなと思う。 本当は家族で来たかった。 だが、それだと、相当な出費となるので、今回は1人だけとした。 しかし、暑い。 明日は、もっと暑くなるという。 1.5kmだが、会場までずっと坂。 パソコンをはじめ、2日間の生活道具、傘やカッパまで持っていて、非常に荷物が重い。 結構、体力を消耗してしまった、
 
 会場には、受付を待つランナーが既に集まっていた。 みな、足を温存するためか、ベンチに座っていて、空いているベンチは無かった。 korun氏には、すぐ会えた。 だが、受付まで時間があるので、ガラスの壁際の床に座る。 会場には、大分県応援団鳥「めじろん」が来ていて、一緒に写真を撮る。

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 14時に受付開始。 レース前日に受付というのも、初めての体験だ。 会場が立派なので、なんだかエリートランナーになった気分。

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 受付を済ませると、ランナー広場に行く。 会場を取り囲むように出店が並んでいて、中央にテーブルが並んでいる。 まずは、Tシャツをもらう。 サイズはS。 さすがに、このTシャツは希少価値が高いと思う。

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 次に昼食を取る。 参加料に、500円分の食事券がついている。 いろいろ迷うが、カレーを食べ、また追加で唐揚げと鶏めしも食べた。 ちょっと食べ過ぎだが、今回は画期的なタイムを目指して走るわけではないし、大分の料理を堪能したほうがよい。

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 会場では、昨年の大会の模様が映像で流れていた。 明日、自分があのコースを走るかと思うと、ワクワクする。 できれば、最後の川内と中本のデットヒートを見てみたかったが、ノーカットで流すようで、ゴールまで2時間かかりそうなので、途中で切り上げた。

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 会場から、大分行と別府行のバスが出るのだが、大分行はすごい行列だ。 別府から電車で大分に行くことにした。 会場に入る前は、暑いと思ったが、この時間になると、思ったより涼しい。 だが、明日は、どうなるかわからないが。
 
 別府から大分までのJRは、各駅停車だけで30分に1本くらい出ているようだ。 来た電車は2両だったが、新しくてきれいな電車だった。 東別府駅を出ると国道10号線が見える。まさに明日走るコースだ。 スタート地点のうみたまごも見える。 向かいの駐車場にはテントが張られ、準備万端だ。
 
 コモドホテルは、大分駅から近い。 以前来た時は、本当に駅前だと思っていたが、駅が高架化され、南寄りに移動したため、きもち距離があるように感じた。 非常に荷物が重かったので、ホテルに着いたときは、ほっとした。 ホテルに着くと、まず温泉へ。 体重は56kg。 ベストより2〜3kg重いが、一時の59kgからは3kg絞った。 まあ走りきれる体重だろう。 温泉というだけではなく、屋上に露天風呂がある。 非常階段を登って最上階に行くと、小さい湯船が3種類あった。 いい天気である。 今日も暑いが、明日はもっと暑いという。 しかも、今晩から明日の午前中に掛けて、雨が降るという。 恐らく、レースの午後にはやんでいると思うが。
 
 夕食は、駅に行く。 思ったより店が少ない。 あまり沢山食べるわけでもないので、ラーメン屋に入る。 ラーメンだけにしておけばよかったのだが、つい餃子ライスセットを頼む。 しかもとんこつにしたので、結構胃にもたれる。

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 ホテルに帰って、明日の打ち合わせ。 8時半に朝食を食べて、9時過ぎにホテルを出ることにした。 あと、ゼッケンに穴をあける。 フロントでパンチを借りて空けようとしたのだが、ゼッケンがデニムのような生地で、簡単に空いてくれない。 角度を変えたり、何とか穴を明け、あとはハサミで丸く仕上げた。

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 korunさんと自分は、一緒に申し込んだにも関わらず、階が違って、korunさんが7階、自分が8階だった。 自分が今回パソコンを持ってきた理由の一つが、家族とスカイプをしたかったからだ。 スカイプをしている時、たまたまkorunさんが自分の部屋に来たので、うちの家族と会話する。
 
 朝食はホテルで食べるとして、スタート前に、おにぎりか何かを食べたい。 今晩中に買っておこうと、隣のコンビニに行ったが、売り切れ。 近くの別のコンビニに行ったが、ここも売り切れ。 ランナーが買い占めたのだろうか。 だんだんホテルから離れていくが、もう1件行ったら1種類5個だけあったので、2個買う。



会場へ
 朝7時起床。 普通、大会当日は5時とかに起きるのだが、泊まりだし、スタートが12時と遅いので、朝はゆったりだ。 昨日食べ過ぎたので、胃が荒れてキリキリする。 体重も、恐らくこの1日で相当増えただろう。 少しでも減らすのと、毛細血管を広げるため、温泉に行く。 夜に降っていた雨は上がっているが、なんと凄い霧。 すぐ近くの大分駅すら見えない。 korunさんも温泉に入ったらしいが、自分より前の時間に入ったようで、会わなかった。 宿泊者の半分以上はランナーだと感じた。 風呂に入ると、ランナーは体型ですぐわかる。
 
 8時半から朝食。 食堂はすいていたが、ほとんどがランナー。 そのせいか、ご飯が品切れだという。 やっぱりみな炭水化物、特にパンではなく、ご飯を食べるから、ホテルの予想以上に減りが早かったのだろう。 少し待って、追加で炊き上がったご飯をもらう。 しかし、どれくらい食べていいのか難しい。 茶碗1杯と少し食べた。 さっきまで霧が掛かっていたのだが、晴れてきた。 どうやら暑くなりそうだ。 最高気温は18℃の予想だ。
 
 9時5分に宿を出て、シャトルバス乗り場へ。 バスは、ほとんど待たずに乗れた。 午後走る国道10号線を通って、うみたまごへ行く。 やはり大大会、会場に着くとゾクゾクしてくる。 「2014別府大分毎日マラソン大会」と書かれた看板を見ると、ついにこのレースを走るんだと、気持ちが高ぶってくる。

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 荷物を運んでくれるのは、自衛隊の車だ。 色々な人のお世話になっている大会だなあと思う。

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 しばらくすると、招待選手のバスが到着した。 所属企業のジャージを着た選手が続々降りてくる。 旭化成の佐藤智之選手、トヨタ自動車九州の今井正人選手は、やはり存在感がある。 だが、九電工の前田選手は、よくわからなかった。

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 招待選手、カテゴリー1の選手は、建物内の施設が更衣室となるが、我々カテゴリー3は、道路の反対側のテントが更衣室となる。 ちなみに、ここは、うみたまご(水族館)と高崎山がある観光地。 水族館は、結婚する前、妻と2人で来たことがある。 もう10年以上前だ。

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 陸橋を渡って、国道の反対側に行く。 陸橋からはスタート地点が見える。 写真を撮っている人が多い。 やっぱりみな、この大会に出ることを記念に思っているのだろう。 しかし、全員サブ3.5を達成している真剣なランナーだ。 それが、また嬉しかった。

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 カテゴリー3側の道路の着くと、テレビ中継車が来ていた。 全国ネットの大会も、もちろん初めてである。 まあ、テレビに映ることは無いと思うが。

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 更衣室のテントの数は十分だったが、昨日の雨の影響で、一部が濡れている。 バスの中も控え室となるが、結構人が多い。 まあ、濡れているといっても、ビシャビシャではないし、履いていた本番用の靴下を脱いで別の靴下に履き替え、テント下に入る。

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 スタートまで、まだ2時間近くある。 まず最初のトイレに行くが、全く並んでいない。 マラソン大会に出ると、最も困るのが、トイレの行列だ。 全く行列がないというのは、奇跡的だ。 さすがエリートだけの大会だと思う。 スタート1時間半前から、おにぎりを食べ始める。 今まで、レース前は餅を食べていたのだが、今日は調理できなかったので、餅の代わりにおにぎりだ。 また、本レースはシリアスランナーだけの大会であり、給食が無い。 今まで、給食せずに走ったことは1回しかない。 食べなくても大丈夫だとは思うが、ベストタイムを出した湘南国際でも、チョコとアンパンを食べている。 無いとなると不安で、ウェアのポケットに、チョコチップパンを2つと、個包装のチョコをいくつか入れて走ることにした。 給水はスポーツ飲料があるので、アミノ酸飲料はスタート前に飲み、持って走るのはやめた。
 
 朝から晴れていたのだが、スタート1時間前になって、急に霧が覆ってきた。 日が陰ると、ちょっと寒い。 暑い予報といっても、2月である。 korun氏は、アームウォーマーをして走るという。 自分は、そんなものを準備していない。 上半身はアドバンスのノースリーブ、下は湘南国際からずっと履いている、インナー付きの短パンだ。 手袋はしないが、日が出た時のために帽子を被ることとした。 11時から荷物預け開始。 上着を脱ぐと、やはりちょっと寒い。 袋に荷物を詰め込み、自衛隊のトラックに積み込む。 スタート地点とゴール地点が異なるレースというのは初めてだ。 積み込みの再、ゼッケンナンバーを呼称して確認してくれるのだが、さすが自衛隊、「1」を「イチ」と呼ばず「ヒト」と読む。

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 スタート前の雰囲気がいい。 ワクワクしてくる。 走る前は、疲れていないし、非常に楽しみなのだ。 靴ひもを入念にチェックする。 誰でもそうかもしれないが、左右の足の大きさは微妙に違う。 自分は、どうやら左足のほうが、甲が高いようだ。 左はフィットしたが、右が納得いかず、何度も結び直した。 といっても、痛めている問題の足は、左なのだが。
 
 スタート前に、もう一度トイレに行く。 さすがに待たずにとはいかなかったが、10個のトイレ当たりに10人くらいしか並んでおらず、待ち時間は1分だった。



レース
 スタート25分前から、プレラインナップ。 国道10号線脇のスペースに並ぶ。 普通、レースだと、ブロックが指定されていて、その中は早い者勝ちだが、このレースは完全にゼッケン順に並ぶ事になる。 横15列、4桁のナンバーが書かれたプラカードに従って、完全タイム順に並ぶ。 自分とkorunさんは、150番ほどナンバーが異なる。 10列ほど自分のほうが前だ。 といっても、見える範囲だ。 スタート20分前になると、国道の車がいなくなり、15分前に国道に移動する。 本当は、横15列のまま移動するのだろうか、歩いて移動する間に、列が乱れる。 国道は3車線なので、横15人以上並べるから、結構めちゃくちゃになる。 1秒を争ってスタートを切ることもないと思い、ゆっくり歩いて後ろからの人に抜かれ、korunさんと並ぶ。 それでも、前のスタートは見える。 ここなら1分くらいのスタートロスでいけそうだ。
 
 いよいよスタート。 みな、号砲と同時に時計を押す。 さすがグロスタイム計測のみの大会だ。 自分もそうするが、自分の時計はGPS機能がないので、スタートラインを超えたところで、ラップを記録する。 だが、正確なスタート地点がわからない。 道路左側にSTARTと書かれた看板が立っているが、どうもそこではなさそうだ。 その先に、白い線が引いてあったので、そこで時計を押す。 号砲から50秒だった。 だが、その先にマットが敷いてあった。 恐らく、本当のスタートはここだろう。 タイムは号砲から1分10秒だった。 まあいい。 ネットタイムは参考だ。 この大会に出る以上、グロスタイムで勝負しなければならない。

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 スタート後は、さすがにスムーズ。 普通の大会だと、遅いランナーが壁となって、思うように前にいけないのだが、この大会はそんなことは全くない。 むしろ、我々が遅い方。 それはそうだろう。 我々は、陸連登録では遅いほうだが、その後ろに陸連登録していない、我々より持ちタイムがいい人がいるのだから。 だが、どうやら、それだけではないようだ。 我々は10km49分の関門ギリギリを目指していて、5kmは24分くらいと思っている。 だが、他の人は、もっと早いラップで入ろうと思っているようだ。 どんどん抜かれる。 korun氏のガーミンによると、我々だってキロ5分を切るペースで走っている。 それでも抜かされる一方だ。
 
 1kmポストを通過。 自分の時計で4分47秒。 決して遅いラップではない。 だが、明らかにランナーが薄くなってきた。 後ろを振り返ると、ほとんどランナーがいなかった。 確かに、我々は、申し込みタイム上、参加ランナーの中では遅い方。 だが、自分が湘南国際で3時間11分を出した時だって、最初の5kmは24分以上かかっている。 そういうレースメークをしようという人がいないというのがびっくりだ。
 
 2kmのラップも4:48。 5km24分を目指す自分としては、入りとしてはベストのラップ。 しかし、その後も抜かれる一方で、ふと後ろを振り向くと、ランナーは何と2人しかいなかった。 そのすぐ後方には、2台のロードバイクとパトカーが見える。 これはさすがに想像しなかった。 パトカーに追われてレースをするとは。
 
 3kmのラップは4:45。 これも悪いタイムではない。 4767をつけたランナーと「いやあ、最後尾ですね。」と会話する。 こんな体験は、滅多にできるものではない。 スタート後、korun氏と併走していたが、やがてkorun氏が先に行く。 自分は無理して追わなかった。 あくまで5kmはネット24分で入るつもりだった。 4767のランナーと似たようなペースでレースを進める。 相変わらず、後方には2人しかいなかった。 この光景を目に焼き付けるべく、何度も後ろを振り返って走っていた。
 
 4kmのラップは、4:56。 ちょっと落としすぎたかなと思う。 korun氏が前に行ったというより、自分が遅かったのだろう。 それでも、無理してペースは上げなかった。 せっかくなので、最後尾を堪能しようという思いもあった。 早くも路肩に止まっているランナーがいる。 3桁のナンバーなので、カテゴリー1か2か、相当の実力者なのだろうか、どうしたのだろうか。 これで自分の後ろは3人となる。
 
 5kmのラップは4:50。 号砲から25:16で、スタートロスが1:10だから、ネット24:06。 湘南国際とほぼ同じか、少し早いタイムなので、これでも自分としては順調なつもりだった。 korun氏が次第に遠くなっていく。 だが、相変わらず大きくペースは上げなかった。 10km関門をギリギリ通過してやろうと思っていた。 当初予定は5〜10kmを23分。 それには、4:36のラップが必要である。 だが、スタートロスが1分少々で収まってくれたので、4:40くらいで走れば、関門は問題ないと思っていた。
 
 6kmのラップは4:41。 まあ予定通りである。 6kmの先に給水があるのだが、何とコップがないという。 2リットルのペットボトルを手渡される。 これまた初体験だ。 4767のランナーと「これも初体験だ」と笑いながら会話する。 別府市内に入り、応援が増えてきた。 もちろん、トップ選手が通過して間もないという事もあるが、凄い声援である。 自分は、ありがとう、ありがとうと、何度も返事し、手を振って応えた。 このコース、9kmに折り返しがある。 恐らく7km手前でトップ選手とすれ違うものと思われる。 もしかしたらテレビに映るかと、反対車線よりに移動する。 だが、スタート前から霧が晴れていなかった。 これだと、反対車線の様子は映らないだろう。 それでも、トップ選手が通過すると、後ろ向きとなって、思いっきり手を振ってみた。
 
 7kmのラップは4:47。 ありがとうと言ったり、手を降っていたので集中力散漫となり、想定より遅いが、まあ50秒まで行っていないので、大丈夫かなと思っていた。 別府市内は応援が続く。 本当に嬉しい限りだ。 ゆっくり走っていて、呼吸に余裕がありあまっているため、ずっとありがとう、ありがとうと言いながら走っていた。
 
 8kmのラップは4:50。 さすがに、ちょっと遅いかなと思った。 ラップより、スプリットを見てぎょっとした。 39分34秒。 関門は49分だから、9分26秒しかない。 このペースでは関門アウトである。 2kmを4:46、4:46でいって、ギリギリである。 これはまずいと、一気にペースを上げる。 korun氏は、霧の影響もあり、その時点では見えなかったが、ペースを上げて走ったら、やがて見えてきた。 別府市内を通り抜け、国道10号線と亀川の分岐のあたりである。
 
 9kmは、ちょうど折り返し地点。 一気にペースを上げたので、この1kmは4:21。 スプリットは43:55だから、10kmまでの1kmに5分掛けても大丈夫だ。 この地点で、一旦korun氏に追いつく。 だが、8〜9kmまでを4:21で走ったので、少し休憩。 またkorun氏から離れる。 やがて、10kmの関門が見えてきた。 8〜9kmの4:21で、さすがに何人か抜いたので、後方2人という事はなかった。 「関門閉鎖まで、あと20秒!」という声が聞こえる。 大丈夫だ。 間に合った。 9〜10kmまでの1kmは4:52。 前の1kmより30秒以上落としている。 あまりいい走り方とは言えない。 が、とにもかくにも、号砲から48:47、関門閉鎖まで残り13秒で10km関門を通過した。 やはり後方は気になる。 本当に49分ちょうどで締切るのだろうか。 ランナー数人が10km目指して走ってくるのが見えたが、10km地点までまだ距離を残しているランナーもおり、関門アウトだったのだろう。
 
 さて、次の関門は15km。 1時間13分で、10〜15kmの5kmを24分で走らなければならない。 1kmに換算すると4:48。 さすがに、ここから少し上げたほうがいいかなとも思った。 呼吸はまったくきつくない。 だが、別府市内に入って応援が増えると、また嬉しくなって、ありがとう、ありがとうと言い続けて走る。
 
 11kmのラップは4:45。 まあ、このくらいのラップを安定して刻めればいいかなと思う。 隣を運営車両が走っている。 相変わらず、最後尾に近かった。 隣を走っているランナーが「あ〜、運営車に抜かれるー!関門が〜!」と冗談を言ってくる。 シリアスランナーが多いとは言え、このへんのランナーは、みなユニークだ。
 
 12kmのラップは4:46。 のんびり走ってこのタイムだから、まずまずかなと思っていた。 korun氏に9kmで追いついたのだが、それからまた少しづつ離れて、次第に見えなくなってきた。 それでも13kmは4:42。 順調だと思って走っていた。 とにかく、ありがとう、ありがとうと言いまくっていた。 5kmまでは明らかな最後尾だったが、このあたりまでくると、落ちてくるランナーも増えてくる。 また、他のランナーの呼吸も感じられるようになってくる。 自分は、まだまだ余裕そのもの、ニコニコしながら手を振って走っていた。
 
 14kmのラップは4:43。 だが、最初に異変を感じたのは、この頃だ。 何と、呼吸にき始めたのだ。 そんなはずはない、湘南国際は、10km以降ペースを上げて、調子がいい時は4:20で走っていたのに、今日は4:45ペースだ。 25秒も遅く走っているのに、呼吸に来るはずがない。 そう思ったが、なぜかこの1kmで急に呼吸にきたのだ。 思い当たることは1つしかなかった。 声の出しすぎだ。 余裕があると思って、声援に対し、ずっと「ありがとう」と言い続けていたのが原因かも知れない。 ちょっと控えようと思った。 15kmの関門は1時間13分だが、1時間12分を過ぎても15kmの黄色い看板が見えてこない。 もしやと思い始めた頃、遠くに看板が見えた。 また関門ギリギリか。 「あと30秒」という声が聞こえる。 この1km4:56掛かって、号砲からのスプリット1時間12分39秒で通過。 関門まであと21秒だった。 15km地点で、ここまでギリギリなのは想定外だった。 後ろを振り返ると、関門目指して、ダッシュしているランナーが見える。 15kmの関門を過ぎれば、しばらく関門が緩いので、必死なのだろう。 それでも、明らかに10kmの時より後方にランナーがたくさんいたので、ここで引っかかった人も結構いたのだろう。
 
 さて、ここからはしばらく関門を気にしなくていい。 少し前を目指そうかと思ったが、相変わらず呼吸の調子が良くない。 まずはkorunさんに追いつこうと思った。
 
 16kmのラップは4:53。 しばらくはこのペースで走ることにした。 喋り疲れも、しばらくすれば落ち着くだろう。 幸か不幸か、別府市内を過ぎて海岸沿いに入って、応援が減ってきた。 しばらく、無口で走ろうと思った。 国道10号線は3車線で、沿道に店も少なく、パイパスのような感じだ。 みなスピードを出すのだろう、路面にはかなりのバンクがついており、カーブになると自然と内側に吸い寄せられる。
 
 17kmのラップも4:52。 想定より遅いが、呼吸が落ち着くまで我慢だ。 やがて、スタート地点のうみたまごが見えてくる。 相変わらず霧が掛かっていて、海はよく見えない。 だが、陽が出ていないのが幸いだ。 結構汗をかいていると思っていたが、汗なのか、霧が付着したものなのか、何とも言えない。 自分は、帽子をかぶって走る事に慣れていない。 スタートしてから、ほとんど帽子を持って走っていたが、ここから気分を変えて帽子をかぶって走ることにする。

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 18kmのラップは4:52。 決して速いラップではないが、安定していると言えば安定している。 やがて、前方遠くにkorun氏が見えてくる。 だが、一気には詰められそうな感じはしない。 ゆっくり追いつこうと思った。 前でkorun氏が給水したのが見えた。 自分も給水したかったのだが、例によってコップが無く、2リットルのペットボトルだ。 どうしようかと思っていると、korun氏が、飲み終わったペットボトルを、再びテーブルに置いた。 すかさず、そのボトルを手にする。 その時点で、korun氏は、後ろの自分に気づいておらず、まさか置いたペットボトルを自分が取るとは思ってもみなかっただろう。
 
 19kmのラップは4:53。 少し呼吸が落ち着いてきた。 だが、無理はせず、ゆっくりkorun氏との距離を詰めていく。 ハーフの関門が何時だったかは記憶になかったが、確か15km以降はキロ5分で走っていれば問題ないと分かっていたので、気にしなかった。
 
 20kmのラップも4:53。 だいぶkorun氏との距離が詰まってきた。 20km過ぎでkorun氏に並ぶ。 「お、追いついたな!」と声を掛けてくれる。 やはりお互いの調子は気になる。 korun氏は、私の足を心配してくれた。 そういえば、まだ足は大丈夫だ。 korun氏も、まあ調子は悪くないという。 このまましばらく2人で並走かなと思った。
 
 21kmのラップは4:57。 もちろん、今の2人の状態なら、ペースを上げることはできるだろう。 だが、仮に霧が晴れると、暑くなることが予想される。 korun氏としては、これから5分ペースを刻めば自己ベストだ。 しばらくは5分を守って、調子を見て天候次第で30km過ぎにペースを変えればいい。 自分も、いつ足が痛くなるかわからない。 関門を鑑み、やはりキロ5分が理想だった。
 
 22kmのラップは5:05。 ちょっと遅いか。 korun氏と一緒に走っていて助かるのは、ペースがリアルタイムで分かること。 ガーミンの威力だ。 折を見て「キロ4:50」とか言ってくれるので助かる。 だが、号砲と同時に押したので、実際のキロポストの手前で「ピッ」と音が鳴る。 西大分の駅を過ぎ、国道10号線と別れて左折する。 大分市内に入ってきた。 どうやらこのあたりが23km地点だったようだが、時計を押し損なった。 左側が大分港で、さんふわらあごーるどが止まっているのが見える。 前に出張で大分に来たとき、この船に乗ったなと思う。 1人用個室があって、快適な船だった。
 
 24kmポストで時計を押す。 23kmで押し損なったので、2km分だが、9分54秒で、5分を少し切るくらいだから順調だ。 浜町西交差点で左を見ると、工場の壁に「MESCO」の文字が見える。 三井金属エンジニアリングの工場だ。 前回の出張は、まさにこの工場に来たのだ。 営業の人と仲良く、去年10月に会った時に、別大に出る話をしていた。 もしかしたら、会社の人が応援してくれているかなと思っていたが、それはなかった。 浜町交差点からは、すれ違い区間だ。 もう38km地点、今号砲から2時間1分だが、トップ選手はもう通過しているはずだ。 だが、それに続くランナーが走っているのが見える。 速い人ばかりかと思ったが、ばてているのか足にきているのか、意外にも遅いランナーもいる。 まあ、自分がどうこう言う立場ではないが。
 
 25kmのラップは5:01。 まあ許容範囲だ。 korun氏と併走してから、呼吸が落ち着いてきた。 全く問題がない。 あとは足の痛みだ。
 
 26kmのラップは4:58。 順調だ。 この先、弁天大橋のアップダウンがある。 遠くに橋が見えてきた頃、花火が上がる音が聞こえた。 時計は2時間8分だった。 トップ選手のゴールか、あるいは競技場に入ってきたのだろう。 その競技場は、弁天大橋を渡って、すぐ右側だ。 だが、もちろん我々のゴールはまだまだ先。 弁天大橋を渡って5km先を折り返すように戻り、再び弁天大橋を渡って、今度は大分市内を回って競技場に戻るのである。 橋の上は、少し風を感じる。 海からの風だ。

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 橋を渡り終わると27km地点。 ラップは5:03。 5分オーバーだが、給水があった影響だろう。 30kmまでは、このペースで行けそうだ。
 
 28kmのラップは4:53。 少し早いかもしれないが、まあ誤差の範囲だ。 続いて、浦河橋という小さな橋がある。 川幅は狭いとはいえ、川は川で、アップダウンとなる。 あまり気にならないが、これがジャブのように、そのうち利いてくるのだろうか。 西中浜交差点を過ぎると、対向車線が走路ではなくなる。 折り返しのように戻ってくるのだが、同じ道ではなく、少し南側の細い道を帰ってくることになる。 このあたりも道路は広い。 左側は工場で、トラックが多いのだろう、交差点付近は轍が気になる。 轍のない、ライン上を走るようにする。
 
 29kmのラップは5:04。 まあ、いい感じ。 海から遠くなったせいか、あるいは気候の変化か、霧が晴れてきた。 陽にあたると暑い。 だが、幸いにも、中央分離帯に木が植わっていて、その日陰を走ることができる。
 
 30kmのラップは5:02。 1kmごとの出入りはあったが、この5kmを、ほぼ25分で走ったと思われる。 30kmのスプリットは2時間26分59秒。 もし5分のラップを刻み続ければ、ゴールタイムは3時間28分くらいだ。 だが、ここからがマラソンだ。
 
 31kmのラップは4:59。 相変わらず安定している。 自分は呼吸も落ち着き、足も問題ない。 ただ、ハーフからずっと隣を走っているkorun氏の呼吸が、若干気になる。 少しずつ乳酸が溜まっているのかなと心配になる。 31km先に、また小さい川を渡る。 例によって、微妙なアップダウンがある。 三海橋西交差点を右折して、細い道に入る。 片側1車線の道路だ。 ランナーは少なく、もちろん混雑した感覚はないのだが、やはりランナー同士の距離が近くなり、気分が変わる。 少し走って、また右折し、大分市内の方向へ走る。 ちょっといい気分になってしまって、気持ちペースが上がってしまった。
 
 32kmのラップは4:51。 まあ、許容範囲ではあるが。 完全に陽がてて、日陰もなく、さすがに暑くなってきた。 korun氏の呼吸が、やはり気になる。 間合いを保ちながら走る。
 
 33kmで時計を押すと、5:23。 これは間違いじゃないかと思う。 もしかしたら、前の1kmの4:51が違うのかもしれない。 だが、もしかしたら、確かに暑くなってきたので、ペース自体が少し落ちてきたのかもしれないかとも思う。 このあたりは住宅街。 その住人と思われる応援が多い。 呼吸が戻ったこともあり、また「ありがとう」と言いながら走る。 だが、前半の失敗があるので、ほどほどにした。
 
 34kmのラップは5:12。 やはりペースが少し落ちているようだ。 暑さもあるだろうか、30kmを過ぎて、そう今までと同じように走れるかといえば無理だ。 平和市民公園先の交差点を右折、さらにその先を左折して、さっき走った道に戻ってくる。 その先が35km地点。 この1kmのラップは5:18。 やはり確実に落ちていた。

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 korun氏が「後ろにつく」と言う。 ハーフからずっと横に並んで併走状態だったが、ここ数キロ、自分が前目となっていた。 しかし、自分としても、足に爆弾を抱えている以上、ペースを上げるつもりはなかった。 少なくとも40kmまでは、このままで行くつもりだった。 またしても橋。 わずかなアップダウンだが、後半だけに、堪える。
 
 36kmのラップは5:21。 このあたりのラップに落ち着いてしまっている。 このままのペースだと、3時間半が苦しいかも知れない。 果たして、また上げることが出来るだろうか。 やがて左手に、ゴールである大分市営陸上競技場が見えてくる。 だが、ここから市内を回って、あと5km走らなければならない。 しかも、競技場が見えた先が、弁天大橋である。
 
 37kmのラップは5:23。 ちょっと40kmの関門を気にしなければならなくなってきた。 号砲からのスプリットは、3時間3分26秒。 40km関門は3時間20分だから、あと16分34秒。 キロ5分半で行けば大丈夫だが、何があるかわからない。 沿道からも、関門までのタイムを言ってくれる人がいる。 ここへ来て、関門アウトは最悪だ。
 
 38kmのラップは5:14。 ちょっと戻した。 korunさんも必死だ。 浜町交差点を右折、大分市内中心部に入ってくる。 応援もまた増えてきた。
 
 39km地点を通過、ラップは5:21。 38kmで少し戻したのだが、まだ5分20秒を超えるラップだ。 号砲からのスプリットは3時間14分01秒。 3時間半を切るには、ここからキロ5分ペースに戻さなければならない。 だが、もうこのところ5分を超えるペースとなってしまっているし、疲労もピークだろうから、厳しいかも知れないと思った。 自分の足の痛みは大丈夫。 呼吸も、まだ少し余裕があった。 寿町一丁目の交差点を左折、大分市の中心部だ。 右手方向が大分駅だ。 沿道の応援も多いのだが、ここまで来ると自分で必死だ。 やがて40kmの関門が見えてくる。 大丈夫、関門は問題なさそうだ。 最後の関門だから、ここをクリアすれば完走だ。 ゴールタイムに関門はないのだ。 korunさんが「先に行ってくれ、俺はゆっくり行くよ」と言う。 この1km、5:24、号砲からのスプリットは3時間19分25秒、関門まであと35秒であった。
 
 あと2.195km、もうここまでくれば、この先全力で走っても、アキレス腱の痛みは大丈夫であろう。 お言葉に甘えて、一人でゴールを目指すことにする。 皆疲れている。 このあたりの人は、40km関門を気にしながら走ってきたのだろう。 この先関門がないという思いからか、歩いている人も多い。 自分はギアを入れ替えて、前を目指す。 もうごぼう抜きだ。 舞鶴橋の上りがあるが気にしない。
 
 41km通過。 この1kmのラップは4:20。 もう少し速いかと思ったが、さすがに40km走ってくると、そうは上げられない。 橋を渡り終わって左折すると、ラスト1km地点。 ここでも時計を押す。 0.195kmを52秒。 前方に競技場の照明灯が見える。 あとは川沿いを走って競技場に入り、トラックを1周すればゴールだ。 3時間半切りは確実だ。 だが、少しでも前を目指そうと、ペースを上げる。 ゴールが陸上競技場というのも、昔ながらのマラソンみたいで、いいもんだ。 トラックを1周してゴールというのがいい。 トラックに入っても、ペースを落とさず、前のランナーを一人、また一人と追い越していく。 電光掲示板には、現在のタイムの下に「2:09:23」の表示が。 誰がトップでゴールしたのだろうか。 残すはホームストレート。 中距離ランナーのようにペースを上げる。 29分は切れそうだ。 感動のゴール。 最後の1kmは4:17だった。
 
 ゴールすると、ボランティアの高校生が、フィニッシャータオルを掛けてくれる。 やったぞ、完走したんだ! 関門ギリギリを歩んできたが、間違いなくフィニッシャー。 目的達成である。 タイムは、正直、どうでも良かった。 完走。 それが目的だった。 アキレス腱の痛みがでなくて、本当に助かった。 ハーフから、korun氏とずっと併走できて、本当に心強かった。 一人で走る孤独とは無縁だった。 やはり並走はいいなと思った。
 
 korun氏は40kmで自分と離れ、マイペースでゴールを目指す。 残り2kmちょっとを10分で走れば自己ベストだった訳だが、足のシビレがひどく(酸欠?)、最後の関門をクリアして完走が確定したことで気持ちが折れてしまったらしい。

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 ゴールした自分は、korunさんのゴールを見届けようと、トラックに姿を探す。 時間的にバックストレートあたりかと、そちらに移動したが見当たらない。 競技場入口に目をやると、目立つアドバンスのユニフォームが見えた。 来た。 さすがに疲れたようだ。 ゴール付近に移動する。 ホームストレートをゴールに向かってくるkorun氏が見える。 疲れているのは明らかだが、笑顔のように自分には見えた。 足の怪我から、紆余曲折、走り込み不足で挑んだにもかかわらず、40kmまで安定したラップを刻んだのだから立派だ。 ゴール! 2人揃ってフィニッシャーだ。 目標達成。 暑さの中、お互い自己ベストには届かないが、無事完走できたのだから、遠路はるばる大分まで来たかいがあった。 やっぱり、フィニッシャータオルは嬉しいものだ。

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 もちろん嬉しさもあるが、ゴール後の疲労も当然ある。 自分は空腹で仕方がなかった。 給食の代わりにと、パンとチョコをもって走ったのだが、結局途中では食べなかった。 ゴール後、すぐにパンを食べる。 korun氏は、喉が乾いて仕方がないようだった。 紙コップではなく、ペットボトルで水をもらって飲む。



レース後
 競技場から歩いて移動する。 ちょうどその時、道路にバスが着いて、ランナーが降りてきた。 関門に引っかかって、ゴールの会場までバスで移動してきたランナーだ。 気のせいか、落ち込んでいる表情に見えた。 自分は完走して、晴れ晴れしていただけに、複雑な気持ちになった。
 
 荷物は、競技場隣の高校の体育館に置いてあるという。 自分の荷物は入口近くだったが、korun氏の荷物は、もっとも奥に置いてあった。 座り込むと、さすがにほっとする。 フィニッシャータオルを掲げて記念撮影。 自分は、腹が減って仕方ないので、バナナを何本ももらって食べるが、korun氏は、食べ物は食べたくないという。 そうゆっくりもしていられない。 korun氏は、ここを4時半に出るバスで空港に向かわなければならない。 本当は2人で、レースの思い出を振り返りたいところである。 だが、それはまた今度だ。 ビデオも早く見てみたい。 色々思い出すだろう。

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 我々は、かなり最後のゴールだった為、着替え終わったときは、体育館に人は少なかった。 バス乗り場は高校のすぐ脇だったが、大分駅行は行列、ただし空港行は予約制だけあり、並んでいなかった。 バス乗り場で、korun氏と別れる。 昨日から本当にありがとう。 楽しかった。 こんな大会に、一人ではなく、友人と出られるなんて、最高の幸せである。 しかも、かなりの時間、併走できたし。 ありがとう、korun氏。 ありがとう、チームアドバンス。 つくばマラソンのように、時差スタートも悪くはないが、やはり同時スタートのほうが絶対に面白い。 またチームアドバンスで同じ大会に出ることがあれば、今度も一緒にスタートしたいと思う。

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 自分は、行列に並んで、バスで大分駅へ。 乗る電車は、大分発17:45の特急。 客は半分以上ランナーだ。 なぜか出発が遅れ、小倉到着が6分遅れた。 新幹線との接続時間が元々9分しかなく、それが3分になってしまったので、小倉駅でも走る羽目に。 だが、乗り換えを待ったため、新幹線も2分遅れ。 今度は京都駅の4分乗り換えが2分乗り換えになり、京都駅でも走る羽目に。 だが、座れて、長時間パソコンが使えたので、今日の記録を、その日のうちに、だいぶ書く事ができた。 敦賀到着は12時前。 もちろん明日も仕事である。
 
 さて、次の大会は、立川ハーフ。 別大でアキレス腱の痛みがなかったので、スピード練習を再開する予定だ。 基本はインターバル。 またキロ4分を10本こなせるようになりたい。
 
 大会もだが、やはりチームアドバンスで練習もしたい。 今日は、マラソンを走ることの楽しみだけでなく、友人と一緒に練習したり大会に出たりするという事の素晴らしさを感じた。 本当に、大会に出られてよかったと思う。 正直言うと、つくばで足を痛めて走れなかった時、もう別大完走は無理かと思った。 もし一人で参加していたら、出場断念していたかもしれない。 だが、友人と一緒に走れる機会であることから、途中つらくなってもゴールを目指そうと思った。 その結果が2人揃っての完走である。 練習だって同じだ。 特にビルドアップ走は、一人だと心が折れやすい。 またチームで練習して、いい結果へ結び付けていけたらと思う。
 
 万全の状態ではなく、納得のいくタイムではないが、せっかく走ったので、ラップ表を載せておく。

 
ラップ
スプリット
備考
0〜1km4:475:57 スタートロス1:10
1〜2km4:4810:45 
2〜3km4:4515:30 
3〜4km4:5620:26 
4〜5km4:5025:16 
5〜6km4:4129:57 
6〜7km4:4734:44 
7〜8km4:5039:34 
8〜9km4:2143:55 
9〜10km4:5248:47 
10〜11km4:4553:32 
11〜12km4:4658:18 
12〜13km4:421:03:00 
13〜14km4:431:07:43 
14〜15km4:561:12:39 
15〜16km4:531:17:32 
16〜17km4:521:22:24 
17〜18km4:521:27:16 
18〜19km4:531:32:09 
19〜20km4:531:37:02 
20〜21km4:571:41:59 
21〜22km5:051:47:04 
22〜23km4:571:52:01 
23〜24km4:571:56:58 
24〜25km5:012:01:59 
25〜26km4:582:06:57 
26〜27km5:032:12:00 
27〜28km4:532:16:53 
28〜29km5:042:21:57 
29〜30km5:022:26:59 
30〜31km4:592:31:58 
31〜32km4:512:36:49 
32〜33km5:232:42:12 
33〜34km5:122:47:24 
34〜35km5:182:52:42 
35〜36km5:212:58:03 
36〜37km5:233:03:26 
37〜38km5:143:08:40 
38〜39km5:213:14:01 
39〜40km5:243:19:25 
40〜41km4:203:23:45 
41〜41.2km0:523:24:37 
41.2km〜ゴール4:173:28:54 

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ラップ
キロラップ
備考
0km〜5q24:064:49 
5km〜10q23:354:43 
10km〜15q23:524:46 
15km〜20q24:234:53 
20km〜25q24:574:59 
25km〜30q25:005:00 
30km〜35q25:435:09 
35km〜40q26:435:21 
40q〜ゴール9:294:19 

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