2014/6/28 星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン inserted by FC2 system



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エントリー・事前準備
 今にして思えば、誰が最初に出ようと言ったのか思い出せない。 だが、3人とも乗り気だった。 ウルトラを走ってみたいという思いもだが、野辺山をという思いもあったと思う。 中でもUmerunさんは意欲満々だった。 恐らく3人の中で、もっとも長い距離のレースを走っている。 柴又60qを完走しているし、美ヶ原トレイルにも毎年のように出ている。 それに、1ヶ月前の長野マラソンで、自己ベストを更新してサブ3.15ランナーとなった。 自分はというと、2月の別府大分、3月の立川ハーフでフルとハーフの自己ベストを更新したが、それ以降不調だった。 原因不明の足の筋肉の張り、股関節の痛み、尻の骨の痛みといった、今まで味わった事の無い痛みに加え、古傷の右膝も痛んでいた。 3月末の佐倉では3時間26分と惨敗し、4月のかすみがうらでは3時間18分と、少し持ち直したものの、足の痛みは続いていた。 タイムを目指す状況ではない。 それでも、やはり完走はしたかった。 初ウルトラであるが、アクシデントが発生しなければ、我々の走力からして完走は不可能でないと思っていた。 自分が、フルマラソン以上に長い距離を走ったといえば、立山登山マラニック。 標高差2,500m、距離61qを7時間50分で走ったので、真剣に走れば100qを12時間半〜13時間では走れるかなと思った。 だが、そもそもウルトラマラソンはタイムを競う大会ではない。 楽しんでゴールしたいなと思った。 野辺山の特徴の一つに温泉がある。 稲子湯、八峰の湯、滝見の湯と、コース上3箇所の温泉に入る事ができる。 これは外せないなと思った。 あとは手打ちそば。 50qのエイドにあるらしく、相当行列になるらしいが、これも絶対に食べようと思った。

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 スタートは日曜日の朝5時。 常識的には前泊する必要がある。 せっかくなので3家族で行く事にした。 宿はUmerunさんが、貸別荘を取ってくれた。 だが、前日の土曜日、娘の学校公開が入ってしまった。 korun、Umerunさんの2家族だけ先に行ってもらって、我々だけ電車で行こうかと思っていたが、Umerunさんが午後でもいいというので、3家族揃って行く事にした。

 初めてのウルトラ、しかもアップダウンの激しい野辺山だけに、ペース配分には気を配る事にした。 色々な人のブログを読み、また昨年の10q毎ラップタイム入り結果があったので、それをEXCELに落として色々分析した。 一番驚いたのは、半数の人が13時間以上掛かってゴールしているという事。 やはりタイムを目指す大会じゃないんだなと思った。

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 完走率は約6割だという。 通常、市民マラソン大会の結果について、上のような度数分布表を書くと、正規分布またはワイブル分布となる。 しかし、野辺山の結果を見ると、制限時間に近づけば近づくほど度数が多いポアソン分布のようになっている。 恐らく、14時間より右に、正規分布の反対側が隠れているんだろうなと思う。 すなわち、その人たちは完走できなかった人たち。 何としてでも左半分の度数に入りたいなと思った。

 野辺山のコースは、アップダウンが非常に激しい。 当然、区間ごとにキロラップが大きく変わるはずである。 ゴールタイムを横軸に、入りの0〜10q、上りの10〜20q、馬越峠を含む70〜80q、ラスト10q(90〜100q)を、どの程度のキロラップで走っているかを表してみた。

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 トップでゴールするような人は、馬越峠を含む70〜80qでもキロ5分で走っている。 まさに化け物だ。 それはそうと、自分が目安とするのは、12〜13時間でゴールした人たちのラップ。 自分は3箇所の温泉に入ると決めていたので、走っている間だけを取れば、少し早めの人たちのラップを参考にしたいなと思った。 最初の入りで、既にキロ6分を越えている。 10qまではキロ6分かなと思っていたが、思ったよりみなゆっくり入るみたいだ。 それに対し、意外に早いなと思ったのが10〜20q。 ほとんど上り、しかも林道なのだが、キロ7分前後だ。 正直、この区間をキロ7分は厳しいかなと思った。 ただ、これは実際に走ってみてから分かった事だが、20qの計測地点が実際には19.5q地点だった。 昨年のデータも、そうだったのかもしれない。 馬越峠を含む70〜80qは10分近いキロラップとなっている。 坂道は厳しく、走れないとは思うが、何とかキロ10分で歩きたいと思った。 ラスト10qは、上り基調ではあるものの、馬越峠ほどの坂ではない。 それでもキロラップが9分という事は、やはり終盤、みな走るのがきつくなるんだろうなと思った。 あるいは、意外に坂が堪えるのかもしれないと思った。

 上の表は平均ラップなので、馬越峠を含む70〜80qについて、実際どの程度のラップに分布しているかグラフにしてみた。

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 5色に色分けしたが、下から11:30〜12:00、12:00〜12:30、12:30〜13:00、13:00〜13:30、13:30〜14:00にゴールした人たち。 その人たちの合計度数だと、やはり1時間40分から45分くらいが最頻値となっている。 滝見の湯のエイドを含んだタイムであり、どの程度休憩しているのかわからないが、この数値から、恐らくほとんどの人は馬越峠は走らず歩くんだろうなと思った。

 あとは、10q毎のラップタイムについて、各ランナーのばらつきを見てみる事にした。

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 50qまでは標準偏差が小さい。 かつ、それほど差が無い。 最も小さいのが20〜30kmだ。 まだ皆元気で、それほど差が出ないのかもしれない。 意外だったのは、30〜40q、40〜50qも標準偏差が小さいという事。 そろそろランナーごとのペースの差が表れてもいい頃だと思うが、そうでもないらしい。 40〜50qは、八峰の湯の休憩を含んでいるが、その休憩を含んでこの数字という事は、多くのランナーは八峰の湯の休憩を短くし、かつ温泉には入っていないものと思われる。 逆に、もっとも標準偏差が大きいのは50〜60q。 これには2つの理由があると思われる。 一つは50qエイドの蕎麦渋滞、もう一つは59qの北相木村での休憩時間である。 後半のエイドでは、みな長めに休むのかなと思った。 次に標準偏差が大きいのは70〜80q。 これはある意味当然であろう。 滝見の湯があるし、険しい馬越峠越えがある。 ラスト10qも、それと同様の大きな標準偏差を示している。 この区間には、大きなエイドは無い。 それでもこれだけ大きな標準偏差となっているという事は、走れている人、歩いている人等、人それぞれとなっているのだろう。 やはりラスト10qは過酷なんだなというのがわかった。

 ラップタイムとともに、もう一つポイントとなるのが、50qのエイドの到着時間。 中間点であると同時に、手打ち蕎麦を食べるために行列となるエイドだ。 ここに、みなどれくらいのスプリットで到着するのだろうと思った。 最頻値は6時間5分から20分ほど。 思ったより遅い。 ただ、これは71qの人や、途中リタイヤの人も含まれている。 関門は7時間だが、完走するとなると、やはり6時間では通過したいなと思った。

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 もう一つ問題となるのが、蕎麦の行列。 当然、多くのランナーが到着する時間帯ほど行列が長くなると思われる。 6時間到着で7分半待ちという証言を元に、スタートから何時間何分で着いた場合、どれくらい待つのかを計算した。 ここでの前提条件は、蕎麦を食べる人の割合は、全ての時間で同一、また時間当たりの蕎麦の提供時間も同一とした。

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 5分あたりの到着人数が60人を超えるあたりから蕎麦待ちの行列が発生し、その後はランナーの到着数が増えるから待ち時間はどんどん長くなる。 6時間を過ぎると待ち時間は10分に達し、その後も待ち時間は減る事が無い。 ただ、実際はとなると、6時間過ぎて10分以上も並んでいては完走がおぼつかなくなるから、このあたりのランナーになると、蕎麦をあきらめる人が出てきて、20分待ちとかはあり得ないと思うが。 いずれにしても、待ち時間を考えたら6時間より前、かつなるべく早く到着する事が理想と思った。 もし、ここまで真剣に走れば、立山登山マラニックの実績から5時間半くらいで走る事が可能と思われる。 だが、稲子湯と八峰の湯に入っていては、それは絶対に無理である。 まあ、10分待っても仕方がないかなと思った。

 フルと違うのは、途中で荷物を預けられる事。 前半は砂利道があるので、ソールの厚い靴とし、後半はソールの薄いウェーブスペーサ―とした。 荷物が預けられるのは、42qの八峰の湯と、71qの滝見の湯。 靴は八峰の湯で履きかえることした。 また、念のため、昔から履きなれているウェーブイダテンを滝見の湯に置くことにした。 ソールの厚い靴として、候補に挙がったのは、ウェーブライダーとゲルフジ。 ウェーブライダーと言えば、2011年にジョギングを始めて、最初に買ったレース用シューズ。 レース用シューズと言っても初心者用で、ソールが厚い。 初マラソンもこのシューズで、3回目のつくばマラソンまで、ずっとこのシューズだった。 今日履いている靴は、2年ほど前に買い直したものであるが、最近レースでは薄底の靴を履くことが多く、あまり履いていなかった。 この靴が最も役になったのが、立山登山マラニックの時。 称名の滝からゴールまで、この靴だった。 途中岩稜の八郎坂も問題なく登れたので、野辺山の林道も行けるだろうと思った。 ゲルフジは、登山用に買った靴。 トレラン用シューズなので、もちろん林道走行に適する。 ただ、ロードで走った事が無いのが不安だった。 しかし靴の重量を測ると、ゲルフジはウェーブライダーより軽かった。 両方持っていって、最終的には当日決めようと思った。 朝は寒いだろうが、走り出すとすぐ暑くなるだろうから、半袖+アームウォーマーとし、スタートまでの寒さをしのぐため、ビニール袋を被る事とした。 ズボンであるが、最近はアシックスのランパンを履いて走る事が多いが、股が擦れるという問題があり、ウルトラでは致命的になりかねないので、膝下までのズボンとした。 ちなみに着るシャツは、別府大分の時のもの。 ちょうど奈良マラソンの時と似たスタイルだ。 後半、失速して寒くなる可能性があるので、滝見の湯には長袖のシャツも、念のため置いておくことにした。



大会前日・当日スタートまで
 大会前日、三和に12時集合とした。 本当は荷物を持って三和に行く予定だったが、結局Umerunさんが我が家まで来てくれて、荷物を積む。 妻はそのまま三和に行って買物、自分は娘が学校から帰ってくるのを待って、2人で三和に行く。 2台の車に分乗し、高尾山ICから高速に乗る。 途中、双葉で休憩し、長坂ICから昔の清里高原有料道路を通って、15時半に受付会場に着いた。 受付の前に、ソフトクリームを食べる。 受付会場は、そのすぐ隣。 歩いて行って受付を済ませる。

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 15時半から説明会をやるそうなのだが、スポンサーの宣伝が主らしいので、松原湖の貸別荘へ向かう。 食事の前に、風呂に行く。 すぐ近くの八峰の湯へ。 そう、明日走る42q地点だ。 自分は明日も入る予定だ。 だが、Umerunさんは入らないで先を目指すという。 風呂からあがって19時前、ちょうどテレビで天気予報をやっていた。 天気は晴れで雨の心配はなし、最高気温は20度を超えるという。 宿に戻って、明日の準備。 服にゼッケンを貼ったり、42qの八峰の湯と71qの滝見の湯に預ける荷物の整理を行う。

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 夕食は、奥様方が作ってくれた。 炭水化物をとの事で、パスタ。 1.5kgも茹でたという。 ありがとう、皆様。 お腹いっぱい頂いた。

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 明日は4時にスタート地点に行けばいいと思い、3時半出発、逆算して2時50分起床とした。 korunさん、Umerunさんは早く寝るという。 21時過ぎに布団に入ったが、自分は早く寝る癖が付いていないので、なかなか眠れない。 おまけに、子供たちが隣の部屋で騒いでいて、眠れる環境ではなかった。 「遊ぶのなら、下の部屋で遊びな。」と言って、いったん子供たちに退避してもらう。 静かになってちょっと寝たが、想定外の事態に。 22:28に京王線運転見合わせのメールが入り、携帯が鳴って、起きてしまったのだ。 もう寝られない。 一旦居間に降りる。 奥様方が、おにぎりを作ってくれていた。 夕食といい、本当に感謝である。 23時頃、再び布団へ。 だが眠れない。 それでも少し寝て、次に目が覚めたのは1時半。 起床予定まで1時間ある。 横になっているだけで、睡眠の半分程度の休息効果があるとは言うが、眠れないのに横になっているのもつらい。 2時に布団を出て、着替えに入る。 居間に、昨晩握ってくれたおにぎりが置いてある。 korunさんとUmerunさんの分は3個、自分の分は4個だ。 細かな気遣いである。 しかも、袋にメッセージが書いてある。 嬉しかった。 頑張って完走しなければなと思った。

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 昨晩パスタをたくさん食べたので、胃が荒れている。 だが食べない訳にはいかず、握ってもらったおにぎりを食べる。 幸い、便意を催し、トイレに行く。 だが、思ったより少ししか出なかった。 これで19時まで持つとは思えなかった。 やがてkorunさん、Umerunさんも起きて、3人で準備する。 korunさんが外に出て「思ったより寒くないぞ」という。 我々がガタガタしていたせいか、korunさんの奥さんが起きる。

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 奥さんは、我々の出発を見送ってくれた。 korunさんの運転で会場へ向かう。 思ったより車が少ない。 しかし、車で走っても、結構な距離である。 会場から歩けるところにも駐車場はあるが、既に満車との事で、小学校の駐車場に止める。 だが、ここで最初の想定外、シャトルバスの行列が長いのだ。 会場に着いたとき、既にスタート30分を切っていた。 慌てて42qの八峰の湯と71qの滝見の湯に置く荷物をトラックに預け、着替えて脱いだ服を体育館に預ける。 だが、慌てていて、タオルを荷物に預けっぱなしで体育館を出てしまった。 タオルが無いと稲子湯に入れない。 仕方なくまた体育館に戻る。 ここでまたタイムロス。 本当はトイレに行きたかったが、例によって凄い行列。 大はあきらめて、小だけにする。 自分のせいで、korunさんもUmerunさんもトイレに行けなかった。 申し訳ない事、この上ない。 小も並んでいたが、それほど長くはなく、5分くらいで済ませられた。 スタートに並んだのは、号砲5分前。 スタートラインは、そう遠くない位置に見えるが、スタート後にダッシュするわけではないし、みな写真を撮ったりするだろうから、ロスはだいぶあるだろうなと思う。 まあ、もちろんネットタイムとかを気にするレースではないし、この数分が命取りに確率も低いだろう。 ただ、レース中に前が詰まってストレスを感じるかもしれないなと思う。

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レース前半
 5時に号砲が鳴る。 予想通りなかなか進まないが、焦らず待つ。

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 スタートラインに到達したのは号砲から約3分後。 スタートラインを越え、しばらくは歩きだったが、ほどなく走り始める。 野辺山駅前の交差点を右折する。 早朝だというのに、応援の人々が出てくれている。 非常に嬉しい話だ。 JR小海線の踏切を渡って斜め左に進むと、もう畑の中の道となる。 早速、道路左端に寄り、ペットボトルの水を半分ほど捨てる。 スタート前に飲むかもと思って満タンにしてきたのだが、ただの錘にしかならないと思った。 最初だけに、流れに乗って走る。 だいたいキロ6分くらいだろうか。 ほぼ想定通りである。 Umerunさんは、今日はガーミンをしていない。 5時間で電池切れとなるので、普通の時計だ。 ペースはkorunさんのガーミンが頼りとなる。 korunさんは、ガーミンを2つ持っているので、八峰の湯に次のガーミンを置いてあるという。

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 アップダウンが多いこのコースであるが、最初の8qくらいまでは比較的平坦だ。 ルートラボで見ても、国道141号線を超える7.7qまで、上りは46m。 ただ、平坦と言っても、このコースの全体から見れば平坦なだけであって、仮にこの46mをフルマラソンに換算すると250mとなり、フルマラソンのコースだとすると決して平坦という数字ではない。

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 Umerunさんが「このペースなら、どこまででも走れそうな気がするんだけどな」という。 確かにそうだが、どこまで持つだろうか。 みな、どんな靴を履いているか気になってみる。 やはりランニングシューズが多いが、トレランシューズも結構いる。 一番驚いたのは、匠senを履いている人がいた事だ。 あのソールで林道を走ろうというのか。 凄いなと思った。 他にも色々な人がいる。 なるほどなと思ったのは、頭にビデオカメラを乗せて走っている人。 あとからyoutubeで検索したら出てくるに違いないと思う。 やがて道が細くなる。 スタートが後方だったせいもあり、少しストレスが溜まる。 合間を見ては前に行くが、途中道が細い箇所もあり、キロ6分から少し遅いペースとなる。 思ったより寒くはなく、早くもビニールが暑く感じられ、3q過ぎで脱ぎ、ズボンのポケットに入れる。 4qまでは道が狭かったのだが、その先少し道が広くなる。

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 少し自由に走れるようになったからか、Umerunさんがペースを上げ、我々の前を行くようになる。 korunさんがガーミンを見て「おい、キロ5分半だぞ」と言う。 korunさんと自分も少しペースを上げるが、Umerunさんはどんどん前に行く。 あまりペースを上げるのもどうかと思い、無理してUmerunさんは追わず、しかし視界から消さないペースで進む。 帽子と、帽子から垂れ下がった日よけタオルが目印だ。 背が高いので、比較的後ろからでも見やすい。 5q過ぎに再び小海線の踏切を渡って鋭角に左折し、小海線沿いの道を進む。 やがて、JR最高地点を通過。

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 コースを外れて踏切を渡る人が多く、記念撮影かなと思ったら違った。 トイレだ。 やはりレース中のトイレは鬼門らしい。 そのすぐ先で国道141号線を横断する。 警察官が車を止めているのが見えたが、自分たちが国道に近づいたらランナーを止めた。 いや参った、これでUmerunさんを見失ってしまうではないか。 仕方なく2人でレースを進める。

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 ここからはしばらく舗装道路だが、上りに入る。 国道を越えてから林道に入るまで1.9km、その間103mを上るので、勾配は5%を超えている。 といっても、まだ走り始め、特に気になる坂ではない。

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 しばらく走ると、かなり前だが見通しが良くなり、帽子とタオルが見えた。 Umerunさんかと思っていたが、不意に横から声を掛けられた。 後ろにいたのだ。 どうやら写真を撮っていたらしい。 再び3人となり、緩やかな坂を上っていく。 左手に八ヶ岳が見える。 麓に近いほど雲がかかっていて、北風なのか、雲が流されている。 時折、山容すべてが見える事もある。 確かに景色のいいコースだなと思う。

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 10q手前から林道となる。 ここから最高点まで距離8.4q、その間で459m上がって46mの下りがある。 平均勾配は5%を超え、特に登り始めと最高点手前の勾配がきつい。

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 林道に入ってすぐ9.8qのエイド。 5q手前のエイドでは何も取らなかったが、ここではアミノ酸飲料とクリームパンをもらう。 Umerunさんの会社の人と出くわす。 いいペースだ、完走できるよと励まされる。 10qを通過、タイムは1時間8分。 1時間4分〜9分と思っていたので、どちらかと言うと想定より遅めか。 だが、2分と読んでいたスタートロスが3分あったし、道路混雑や国道横断ストップもあったし、まあ想定の範囲内だ。 10qを過ぎているのだが、道が細いので混雑感は相当なもの。 林道だけに、2本のわだちにランナーが集中する。 しかも、必然的に遅いランナーが優先的に走りやすいわだち部を走り、抜かすには中央の石がごろごろしている部分か路肩側を走らなければならない。 上りが得意なUmerunさんは、ストレスがたまっているだろうなと思う。 やがて、縫うようにして前へ前へと行ってしまう。 最初はなるべく追うようにしていたが、いよいよ不可能になった。 korunさんと「無理はやめよう、なるべくわだちを行こう」と話をする。

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 15qを通過する。 時計を押すが、ここではスプリットを想定していなかった。 最高点まで上りばかりではなく、この先少し下る。 上りが長かっただけに、下りは嬉しい。 korunさんが、水を得た魚のようにペースを上げる。 korunさんがオフロードの下りが強いのは知っている。 高尾山を走りに行った時もそうだったし、宮ヶ瀬トレイルでも下りで大きな差を付けられて完敗した。 無理して追わず、その先の上りで追いつくようにする。 上りでは自分が前を走る。

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 ふと後ろを振り返ったら、自分と同じ別府大分のTシャツを着ている人がいた。 思わず声を掛ける。 その人は、その大会でサブ3を達成して、今回はサブテン(10時間以内)を目指しているという。 頑張ってほしい。 ウルトラマラソンともなると、フルマラソンのように記録を狙う大会と違い、他のランナーとの会話も楽しみの一つだ。 korunさんが「デカフォレストのランナーがいるよ」とつぶやくと、そのランナーが早速反応してくれた。 親切な彼は、色々アドバイスしてくれた。 ウルトラはタイムを目指す大会じゃない事、完走には滝見の湯を14時15分、馬越峠を15時45分に通過すればいいという。 korunさんが「じゃ、休憩を考えたら、2時までに滝見の湯に着けばいいんですかね」と言う。 このタイムは、自分の胸に深く刻まれた。 更に前方を指さし、あそこがコース最高地点だ、と教えてくれる。 思ったより近い。 最高地点まで、どれくらいで到達するのか全く分からなかった我々に、その言葉はありがたかった。 少しだけkorunさんに先行して最高地点に付き、後ろを振り返る。 ちょうど木のない方向に富士山が見える。 ほどなくkorunさんが上がってきて、2人で下り始める。

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 例によって下りはkorunさんが速いのだが、最高点を越えたといっても登りもある。 下りで遅れた分を登りで取り返す。

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 20qの計速マットが見えたが、実際には19.5qだという。 Umerunさんは、何分前に通過したのだろうか。 妻に連絡しても、まだ起きたばかりだろうし、そもそも携帯が圏外だ。 だいたい、そのマットを通過するあたりで上りが終わり、あとはしばらく下りとなる。 下り始めて、すぐにエイド。 イチゴをもらう。 ここから林道の終点までは下り一方。 実は5qのあたりから、右ひざに違和感を感じていた。 そもそも自分はすり足走法、下りでは特に足を上げずに走る。 だが、林道だとそれが出来ない。 嫌な下りだ、早く終わってくれないかなと思う。 korunさんは、はるか先に行ってしまったかもしれないが、慌てずマイペースで下る。 ようやく林道終点が見えてきた。 突き当りが23qのエイド。 korunさんは、ここで待っていてくれた。 胃に不安があるkorunさんは、温かいココアを飲んでいる。 更に自分にも勧めてくれた。 確かに温かい飲み物も必要だなと思う。

 その先はアップダウンが交互にやってくる。 プログラムに載っている大ざっぱな高低図だと、このあたりは平坦に描かれているが、実際は平坦な個所など少ない。 最初の上りで出合ったデカフォレストの人が言う、このコースで平坦なのは最初と最後だけ、というのは、このあたりを走るとわかる。

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 相変わらずkorunさんには下りで離され、上りで追いつく傾向となる。 だが、下りといても、舗装されているのが助かる。 得意のすり足走法を駆使して下る。 部分的に急な登りもある。 自分は登山で鍛えた高速登り歩行が得意である。 無理して走らず、速歩で進むこともある。 2人とも脚や胃は順調であったが、共通の不安を抱えていた。 トイレだ。 スタート直後から、空いたトイレがあったら入ろうと言っていたのだが、どこも凄い行列なのだ。 トイレの数が多そうな稲子湯まで我慢できればいいのだが、自分はいよいよ限界が近づいてきた。 行きたくなって、すぐに行けるというものではない。 次のトイレで並ぶことにした。 だが、その先、なかなかトイレが現れない。 という事は、考える事は皆同じ、次のトイレは非常に混雑してそうな気がした。 並ぶことを想定し、korunさんから先行してペースを上げる。 トイレは29.3qの給水地点にあった。 個室は2つ、15人くらい並んでいる。 相当待つだろうが、稲子湯まで持つ保証は無く、並ぶことにする。 しばらく経って、korunさんがエイドに到着、並んでいるから先に行ってくれと告げる。 待つこと16分、やっと自分の番がくる。 タイムロスもだが、korunさんと別々になってしまったのが残念である。 でも仕方がない。 結局、約18分ロスすることになる。

 身軽になって、快調に坂を下っていく。 稲子湯に続く道のT字路までは下り一方だ。

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 T字路を左折すると、今度は一転して急な登り。 距離は短いが、この稲子湯の前後1qは屈指の急勾配だ。 なお、上りは県道に出るまで続く。

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 左折した途端、少し前を走っていたランナーが突然転んだ。 自分も含めて近くに居た人が一斉に近寄り「大丈夫ですか」と声を掛ける。 顔を打ってしまったようで、本人は出血が無いか気にしている。 幸い、擦りむくまでの衝撃では無かったようで、血が出ているようには見えなかった。 デカフォレストゼッケンのランナーだったが、そんなベテランランナーでも転ぶんだなと思った。 気を付けねばならぬ。 稲子湯までの急坂は得意な快速歩行を採用。 歩きといっても、走る人を追い抜くほどのペースである。 ほどなく前方に稲子湯が見えてくる。 温泉の前にエイドに立ち寄り、まずはしるこを頂く。 そして公約通り温泉へ。 玄関で靴を脱いで建物に入る。 てっきり、ナンバーを見せれば中に入れるのかと思っていた。 ところが、受付に座っていた愛想の悪いおばあちゃんが「券出して」と言う。 エッと思う。 聞いてみると「役場の人にもらわなきゃ駄目だ。」と言う。 役場って、ここは山の中だよ、役場は下界でしょ、って思った。 おばあちゃんは「すぐそこでもらえるから」とも言う。 何だかよくわからないが、せっかく脱いだ靴を履いて、いったん外へ。 役場の人を探したが見当たらない。 ちょうどその時、温泉から出ていた人がいたので、どこで券をもらうのか聞いてみる。 券は、道路から稲子湯の敷地に入るところで係の人が渡していたという。 多くの人でごった返しているエイドエリアを抜け、券をもらって再び建物へ。 まあ、急ぐ旅ではないが、トイレに続いて、ここでも思わぬロスタイム。 3箇所の温泉のうち、ここに入る人は少ないと聞いていたが、脱衣場に行くとランナーばかり7〜8人。 みな口々に「こんなところで温泉に入っていて、完走できるんだろうか」と言っている。 その中でベテランそうなランナーが「大丈夫、完走できる!」と言い、場が和む。 また、ここで温泉に入る人というのは、自分と同じく3つ全てに入ろうと思っている人ばかりらしい。 だが、そのベテランランナーが「滝見の湯が意外にクセモノ、戻る感じになるからうんざりするんだよね」と言っていた。 その時は、何を言っているのか、良くわからなかった。 湯船に入ってびっくりしたのが、太った人がいた事。 一瞬、ランナーじゃないのかと思ったが、乳首が養生されているから、間違いなくランナーだ。 フルだとこんな体型じゃ速く走れるはずがない、ウルトラならこの体型でも走れるんだなと思った。 「完走できる!」と言われたが、あまりゆっくりもしていられない。 石鹸で体を洗うのはパスし、湯船で体を温め、手短に風呂を出る。 再度エイドに立ち寄り、給水してからコースに戻る。 Umerunさんはもちろん、Korunさんも追わなければならない状況、稲子湯の先も急坂だが、得意の速歩で快調に進む。

 やがて国道のT字路に到達、ここからは長い長い下りとなる。 八峰の湯まで距離にして4.4q、その間311mも下る。 勾配にして7%、相当な下りである。

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 走りながら携帯を見ると妻からメールが入っており、Umerunさんが八峰の湯に到着した事、korunさんはまだ来ていない事を知る。

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 昨晩、遅くても10時には着くと言ってしまったのだが、予想外のトイレ待ちがあったため、10時到着は厳しそうだ。 妻に「到着が10時を過ぎる」とメールする。 皆を待たせるわけにはいかないと思い、ペースを上げる。 korunさんは、恐らく10時前に着くだろう。 何とか10分遅れくらいで着きたいなと思った。

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 歩道区画が芝生になっていて、ほとんどのランナーは足への負担を考えてその部分を走っているが、幅が狭く抜かすのが困難なので、半分くらいは車道を走った。 やがて前方に八峰の湯が見えてくる。 10時5分くらいだった。 子供たちはエイドの手前で待っていてくれた。 カメラを構えてくれていたので、ポーズを取って通過する。 korunさんの奥さんが「3人で、初めてポーズを取ってくれた」と言う。

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 前の二人の状況であるが、まずUmerunさんはここで休んだあと、9:50くらいに出発していったという。 やはり速いなと思う。 ただ、奥様から気になる言葉を聞くことになる。 足が痛くて、完走が不安だと言っていたという。 ただ、直接聞いたわけではなく、奥様に「まあ、貯金があるから大丈夫でしょう」と言う。 korunさんは、さっき風呂に向かったという。 今から行けば中で会えるでしょうと言うので、自分もトイレに行った後、温泉に行く。 korunさんは、洗い場で全身を石鹸で洗っていた。 ずいぶん時間を掛けて温泉を満喫しているんだなと思った。 そのあと2人で露天風呂に入る。 昨日の夕方も入ったのだが、だいぶ雰囲気が違う。 八ヶ岳も綺麗に見えている。 レース中とはいえ、疲れている時の温泉は最高だ。 Umerunさんは、こんな気持ちいい温泉に入らず先を目指したんだなと思うと、凄いなと感じた。 風呂から上がると、出口のあたりに妻娘たちが待っていてくれた。 やがてkorunさんも風呂から上がってきて9人で談笑する。 korunさんはここまでトレランシューズで走ってきたので、ここでランニングシューズに履き替える。 自分はここまで、ウェーブライダーを履いてきた。 ゲルフジではなく、ウェーブライダーにした理由は、そのままゴールまで走る可能性があると思ったからだった。 正直、靴のチップの交換は面倒だ。 初100qなので、もし足裏に負担が掛かった場合、厚底のほうがいいのでは、という思いもあった。 一番の心配は、71qから先。 ここウェーブライダーを脱いでしまうと、あとは薄底の靴しか残っていない。 どうしようか迷ったが、やはりロードは履きなれた薄底の靴がいいかと思い、最近のレースシューズのひとつであるウェーブスペーサ―に履き替える。 天気が良く、八ヶ岳をバックに、korunさん並んで、写真を撮ってもらう。 2人並んだ写真をいえば、湘南国際を思い出す。 だが、今日は、まだレース中だ。 といっても、既に42q走っているというのは共通点だ。

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 korunさんが冗談で「ここで終わりにしたいな」と言う。 確かに温泉に入って、気分は最高だ。 だが、レースはこれから。 小海駅まで下って50q、そこからだらだら登って71qの滝見の湯へ、そして馬越峠越え。 まだレース序盤が終わったに過ぎない。 給食を済ませてからレースに戻る。 出発したのは10:37だった。 ここの関門は11:00。 自分は関門など気にしていなかったが、実はあと23分に迫っていたのだ。

 ここからも下りは続く。 特に国道141号線に出るまでの勾配は急だ。 Umerunさんが事前に来た時「足がやられる」と言っていた坂だ。 ただ、松原湖のあたりに、少しだけ上りがあるらしい。 ほんのわずかな距離だが、勾配は急らしい。

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 korunさんが「先に行ってもらってもいい」と言う。 自分は、50qで蕎麦を食べるつもりだ。 この時間の到着だと10分ほど待つかもしれない。 先行しても、どうせそのエイドで会えるだろうから、場合によっては先に行かせてもらおうかなと考える。 八峰の湯から、しばらくは長い下り。 Umerunさんの事前情報で「景色は絶景だが、脚がやられる」との事だったが、確かにおっしゃる通りだ。 だが、ブレーキを掛けるのももったいないので、そこそこのペースで下っていく。 靴を履きかえたので、はだしで走っているかのように足が軽い。 korunさんと「履き替えると全然違うな」と言いながら走る。 しばらく自分が前、korunさんが後ろという態勢で下っていたが、例の松原湖を過ぎたあたりの急な上り坂で関係が変化する。 自分は、そこもペースを変えずに上る。 ここで少しkorunさんが遅れたらしく、視界から消える。 まあでも、小海町公民館で会えるかなと思って、そのままのペースを保つ。

 国道141号線に出る手前にエイドがある。 陽が上り、暑くなってきたので、水分を取る。 だが、思ったより暑くない。 カラッとしているのだ。 当初は八峰の湯でアームウォーマーを取る予定だった。 だが、そのままつけて走っている。 まあ、正確にいうとアームウォーマーではなく、100円ショップで買った女性用日焼け防止グッツだ。 紫外線が強いこの季節、蒸し暑くない状況では、付けたままのほうがいいかなと思った。 エイドの先の信号で国道141号線を渡るのだが、信号が赤だ。 しばらく待って、待たされた人たちが同時スタートする。 自分は、このあたりだとペースが速いほう。 先頭集団を形成して前を追う。 右折して国道から離れて坂を下ると、今度は小海線の踏切。 本数はそう多くないと思うが、遮断機が閉まっていて、駅に列車が止まっている。 松原湖駅11:02発小諸行の列車。 信号の次は踏切かよ、と思う。 まあ、これもウルトラマラソンだなと割り切る。

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 さっきの信号と同じく、踏切に引っかかった数十人が一斉にスタートする。 もちろん先頭集団をキープする。 ゆっくり下っていく走りやすい道だったが、向かい風が強かった。 汗かいて、走れなくなって風に吹かれたら嫌だなと思う。 踏切待ちが長く、しばらくは前が見えなかったが、やがてペースの遅い人が見えだす。 その先に信号が見え、青だ。 国道141号線の信号、小海線の踏切ときて、また信号待ちは嫌だと、見えている青で渡るべく、猛ダッシュする。 が、悲しい事に、あと10メートルという所で黄色になってしまった。 交通量が少なく、練習で走っているなら信号無視するのだが、今日はレース、係員もいるので待つしかない。 せっかく何人も抜かしてきたのに、多くの人に追いつかれる。 この先、そう遠くない場所に蕎麦エイドがあるだろう。 ここで待つ人の中で一番にエイドに飛び込むべく、青になって速いペースで走り始める。 信号から500mほど走るとエイドが見えてきた。 エイドの手間が50q地点。 計測マットを踏んで横断歩道を渡るとエイドである。 テントから伸びる長い行列が見え、蕎麦の行列に違いないと、最後尾に並ぶ。 人数は40人ほど。 大した人数ではないが、茹でるのに時間が掛かるらしく、時間当たり多く提供できないらしい。 奥では包丁で蕎麦を切っているのが見える。 本格的だ。

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 時間が掛かる事は承知していたが、全く列が進まない。 掛かりのおばちゃんが、列が伸びるのを見て「まずいな」と言っている。 だいぶ待って、アラームが聞こえ、次いで「茹で上がった!」と言うおばちゃんの声が聞こえる。 少しずつ前へ進み、列に並んで7分後に蕎麦にありつけた。 やっぱり手打ちだけに美味しい。

 ふとみると、korunさんがエイドに居た。 蕎麦は食べないようだ。 と思ったら、どうらやそれどころではないようだ。 遂に胃にきてしまったという。 少なくとも71q滝見の湯までは走りたいと言っていたkorun氏だが、厳しそうだと言う。 せっかくここまで一緒に走ってきて、お別れとは残念だ。 だが、ウルトラマラソンはある種、食べるスポーツ、食べられなくなってしまったというのは致命的かもしれない。 本人もさぞつらい事だろう。 足はまだ充分残っていたんじゃないかと思うし、もちろん呼吸だって大丈夫なはずだ。 脚や肺はトレーニングすれば鍛えられるが、胃はどうやって鍛えるんだろうか。 無念の表情であったが、それでもここまで頑張ってきたんだからと、写真を撮る。

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レース後半
 残念がっていても仕方がない、ここからは一人で走らなければならない。 小海町公民館を出たのが11:31。 関門である12時の29分前だ。 スタートから7時間の29分前だから、相当遅い部類だろう。 ペースを上げなければならない。 北相木村役場までは、概ね上り。 平均斜度は大したことないが、上り144m、下り52mなので、上り一方ではない。 上り3.4%、下り3.3%の斜度が、コース特性をよく表している。

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 まず公民館の先の交差点を右折すると、ちょっとした登り坂。 この程度の上りでも歩いている人が多い。 おいおい、ここを歩くようじゃ、完走できないぜ、と思いながら、狭い歩道ではなく車道を走って追い抜いて行く。 ここがコース上、もっとも標高が低い地点。 以降最高の馬越峠まで、736m上がらなければならない。 もちろん完走は目標だが、身近な目標も持たねばならない。 ひとつは、朝聞いた滝見の湯14時に着くこと、もう一つは厳しいかも知れないがUmerunさんの背中を見る事。 背中は見られなくとも、54〜63qは折り返しコースのため、すれ違えるはずだ。 それを楽しみに走ろうと思った。 コースは、だらだら上り。 一定の勾配ではなく、上りと平坦が交互と言う感じ。 たまにちょっとした下りがある。 今までのコースと言えば、八ヶ岳を見ながら走る林道や白樺の高原の中を走る快適な道路というイメージだったが、ここからしばらくは、ある意味平凡な田舎の風景だ。 景色に癒されることを求めてはいけないなと、事前にストリートビューを見た時から思っていた。 イメージした勾配は、立山登山マラニックの岩峅寺〜かすみ橋。 あの区間でもキロ6分を切って走っている。 もっとも、それは、走り始めて20〜30qの時点の話。 今日は既に50q走っている訳で、先も長いし、キロ6分は無理かもしれない。 まあでもキロ6分半くらいで走りたいなとは思っていた。 自分は、マラソンを走るとき、1q毎のキロ看板を楽しみに走っている。 だが、この大会のキロ表示は5q毎だ。 さきほど50qを通過したので、次の看板まで早くても30分掛かる。 とりあえず、北相木村役場への盲腸区間分岐交差点を目標に走る事にする。 といっても退屈なので、反則かもしれないが、妻に電話する。 korunさんがリタイヤし、救護要請が行くかもしれないと伝える。 子供たちは、まだ八峰の湯の近くのアスレチックで遊んでいるという。 korunさんを救護したあと、ゴールの19時まで暇だから、食事をして遊びに行って来れば、と言う。 まさかUmerunさんからも救護要請がいくとは、思ってもみなかった。 だが、この時、既にUmerunさんから、足の甲を痛めて走れないというメールが自分の携帯に入っていた。 だが、通話に気を取られて、メールに気付かなかった。 暑くなってきたので、腰に付けたペットボトルの水を飲む。 朝からずっと300ccくらい入りっぱなしになっていたのだが、今日初めて飲んだ。 もしもの場合に備えて、次のエイドで少し補給したほうがいいかなと思う。 まわりのペースは遅く、抜かす一方。

 やがて県道の分岐を示す看板と、その左側のエイドが見えてくる。 54qの川又バス停エイドだ。 スポーツ飲料を飲むと同時に、ペットボトルに水を補給する。 右手に、右折して橋を渡って八峰の湯へ向かう道をみて、左折気味に直進する。 目指すは59qの北相木村役場折り返し地点。 ここからは、折り返してくるランナーと対向することになる。 折り返し点まで何キロだったか正確には覚えていなかったが、少なくとも4qはあったと思う。 キロ6分で走ったとして24分、エイドの休憩を含めれば早くとも50分くらいかかる計算だ。 八峰の湯出発時点のUmerunさんと自分の差は40分、Umerunさんも50q地点で蕎麦を食べるために並んだだろうから、そこでのタイム差はせいぜい5分。 42qまでは遅かった自分だが、それ以降は平均より速いペースで走っていると思われ、Umerunさんと50分の差は無いと思っていた。 すれ違うのが早ければ、Umerunさんとの距離が開いているという事。 ずっと反対車線のランナーを気にしながら走っていく。 だが、走っても走ってもUmerunさんが見当たらない。 分岐から10分走っても、まだすれ違わなかった。 おかしい、もうすれ違ってもいいはずだ。 もしかして、Umerunさんは、自分が分岐点に到達したとき、既にそこを通過して先に滝見の湯に向かっているのではないか。 となると、少なくとも50分以上離されていることになる。 八峰の湯出発時点から差を広げられているとは。 Umerunさん、マジだなと思った。 すれ違うと思っていた時間帯を過ぎ、周りを気にせず淡々と走っていた時、思わぬ声を聞くことになる。 走る車から、娘たちの声が聞こえたのだ。 こんなところまでわざわざ応援に来てくれたのか、と思った。 だが、何でこの先に行く用事があるのかな、とも思った。 分岐点から北相木村役場までも、基本上り基調。 4.3qの距離、標高差76mだから、平均では1.77%と、たいした勾配ではない。 だが、上り一方の1.77%ではなく、上がったり下がったりするので、数字のように楽な区間ではない。 それでも北相木村役場での休憩を楽しみに走り続ける。 結局Umerunさんとすれ違う事無く、折り返しの役場の看板が見えてくる。 それまで道路の左側を走っていたが、横断歩道を渡ったあと、斜路を下って道路南側の敷地の役場へ向かう。 斜路から県道を見上げると、娘たちを乗せたステップワゴンが止まっている。 なんとUmerunさんがリタイアする事になり、迎えに来たのだという。 これには驚いた。 だって、少なくとも自分より前を走っているのに。

 エイドのテントに行って水を飲んでいるとUmerunさんがいた。 「足の甲が痛くなって走れない。リタイヤする。」と言う。 どう見ても表情は疲れていなく、まだまだ走れそうである。 それでもリタイヤするというのだから、相当足が痛いのであろう。 Umerunさんは係の人にリタイアする旨を伝える。 役所の中は休憩所になっており、リタイアする人が休めるスペースがあった。 そこには疲れ果てて横たわっている人、座りこんでうなだれている人がいた。 彼等は本当に体力的に限界が来てリタイアなのだろう。 だが、Umerunさんは、足の甲の痛みである。 体力と無関係な痛みでリタイヤとは、なんともやるせないのではないかと思われる。 そう言えば昨日、Umerunさん自らこんな事を言っていた。 「ウルトラって、思わぬところが痛くなるらしいよ。」 まさかUmerunさんとしては、言った事が自分に当てはまって、それが理由でリタイヤするとは、その時は思っていなかっただろう。 50qでkorunさんと分かれた時もそうだが、以降Umerunさんと走ってあえないかと思うと、非常に残念である。 だが、それこそ残念がっていても仕方がない、ここからはいよいよ本当に一人で走らなければならない。 一瞬、これで自分もリタイアすれば、早く帰れるかな、と思う。 だがすぐに、駄目だ、そんな事考えちゃ、と思う。

 トイレに行ったりして、このエイドには6分ほど滞在しただろうか、12:36に出発する。 予定では12:23出発だったから13分遅れ。 50qのエイドで21分遅れだったから、8分挽回した。 それでも、まだこのペースでは滝見の湯14時到着は厳しいなと思った。 エイドに入るときに下った斜路から、ふたたびステップワゴンを見る。 応援してくれるのはありがたいが、Umerunさんの救護の為にここに来たかと思うと複雑な心境だ。 ここから分岐点まで、往路が上り傾向だった裏返しで、復路は下り傾向。 勾配も緩やかで走りやすい。 南相木村役場まで、下って上って標高自体はあまり変わらないので、平均斜度だと0.1%に過ぎない。 しかし、上り4%、下り3.1%の平均斜度が示す通り、それなりのアップダウンである。

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 エイドを出て間もなく60q地点。 今まで、もっとも長く走ったのが61qだから、いよいよ未知の領域に突入である。 と同時に、ほぼあとフルマラソンと同じだけ走らなければならない。 しかも馬越峠も控えている。 ただ、長い長いと思うのはやめようと思った。 最終関門まで、6時間以上あるのだ。 6時間あれば、40q走れない訳ないよな、と思うようにした。 まもなく、ステップワゴンが自分を抜いて行った。 残るは自分だけ。 何としてでも完走しなければと思った。 反対車線には、北相木村エイドに向かって走る人がいる。 だが、次第にランナーの数が少なくなってきた。 それはそうだろう。 自分は50qのエイドを、関門まであと29分で出発している。 対向するランナーが少なくなってくると同時に、思うように走れないランナーがほとんどとなる。 やがて、歩くように走っているランナーの後ろに運営管理車が。 最後尾である。 往復区間が数キロあるとはいえ、スタートして8時間も経っているのに最後尾の車を見るという事は、まだ後方に位置しているんだなと実感する。

 県道分岐点を、今度は左折して、滝見の湯に向かう。 今までなだらかな下り基調だったのだが、ここからは上り基調。 次第に勾配がきつくなり、馬越峠頂上まで、下りはわずかしかないと思われる。 ただ、南相木村役場までは、そう強い勾配ではない。 そこまでは歩かず走ろうと思った。 分岐を左折してしばらく走るとエイドがあった。 チェックポイントが遠く、キロ表示も5q毎しかないので、エイドである青と白のチェックのテントが見えると、やはり嬉しいものである。 もちろん水分を補給、できれば炭水化物も少し食べたかったが、ここにはなかったので、袋に入ったチョコを貰う。 だが、暑さの為か、到着が遅かったためか、融けてベトベトになっている。 その場で食べて袋を捨て、再び走り始める。 右に川を見ながらの山間の道で、視界は開けていない。 単調な道である。 走っても走っても似たような風景だ。 このあたりが単調な景色なのはわかっていた。 だが、ここの走りが重要だとの認識も持っていた。 50qまでは、よほどの急坂でなければ歩かず走れるだろう。 馬越峠を走れる人は、ほぼいない。 そうなると、この60〜70qあたりのだらだら上りを、いかに一定のペースで走れるかが鍵になるのではないかなと思っていた。 ここで歩いてはいけない、何としてでも滝見の湯に14時までに着くのだ、という気持ちで走る。 川を2度渡ったあたりから勾配がきつくなり、歩く人が増えてくる。 南相木村役場までは歩かないつもりであったが、南相木小学校を越えたあたりからいよいよ坂の勾配がきつくなり、諦めて速歩を入れる。 しばらく行くと坂が緩くなって、また走り始める。 すると、後ろの方で、ドスンという音が聞こえる。 ランナーが転んだのだ。 きっと足がやられて、思うように動かくなってきているんだと思う。 だからちょっとした段差や窪みに足を取られて転んでしまうんだと思う。 自分も注意しなければなと思った。 珍しく平坦な道をしばらく走ると、見えてきました南相木村役場。 68qのエイドである。

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 ホースで水を出しっぱなしにして、タライに水を汲んでいる。 暑いからか、頭から水を掛けてもらっている人が多い。 だが、自分は今まで、レースで水を掛けてもらう事は無かった。 汗で濡れるのは仕方がないとして、濡れるのがあまり好きでは無かった。 特に靴は濡らしたくなかった。 その分、水分をしっかり補給し、またしてもクリームパンをもらう。 ここのは、小さいミニクリームパンを更に1/4に切ってあって非常に小さかったので、4切れもらう。

 さあ、滝見の湯まであと3q。 50qからここまでは、良く頑張って走ったと思う。 今13時39分、キロ7分で走れば、目標の14時滝見の湯到着となる。 だが、ここからは勾配が非常にきつくなることが分かっている。 平均斜度4.8%、下りはなし、平坦を除いた上りだけの平均斜度は5.8%である。

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 まあでもキロ8分くらいでは行けそうだから、数分遅れで着けるかなと思った。 しばらくは想像していたより勾配が緩く、しっかり走れていたが、1qも走ると急勾配がやってきた。 もう走れない、速歩しかない。 それでも誰にも抜かれない。 走っている人を抜かす。 抜かれた人は「あれ?走っているのに歩いている人に抜かれた!」とおどけて言う。 前に10002のナンバーの人が見えた。 20回完走を目指している人だ。 もちろん歩いている。 敬意を表し、挨拶して抜かそうと思ってふと見ると、何と立山登山マラニックのバンダナをかぶっているではないか。 思わず「立山に出られたんですね!」と言う。 その方は「そうだねえ。でも終わっちゃったねえ。」と言ってくれた。 さすがに存在感があり、その人に何人ものランナーが付いて歩いていた。 だが自分は先に行かせてもらう。 滝見の湯の手前の最もきつい坂を上っている時、前を走るランナーの携帯が鳴った。 どうやら奥様かららしい。 今どこかとか聞いてきたらしいが、当人が疲れていて、ぶっきらぼうな対応をしていて、それがおかしくてまわりのみんなが笑っている。 「ったくもう!応援とか言ってたけど、冷やかしじゃねーか。こんな一番つらいときに電話してきやがって。」とか言っていた。 まあ、そう言いながら顔は笑っていて、本人もやっぱり奥様から電話が掛かってきて嬉しく無いはずは無かったとは思うが。 つらいところを走っている時ほど、他のランナーとの一体感が生まれるから不思議だ。 これがウルトラマラソンの魅力なんだろうなと思う。 このままの勾配が滝見の湯まで続くのかと思っていたが、右にダム湖を見るあたりから緩んできて、走れるようになる。 ここで、また凄い人を見てしまう。 道路わきの草むらに這いつくばっているのだ。 いよいよ、こんなところで動けなくなったのか、それとも戻しているのか、あるいは幻覚を見ているのか。 あらためて凄いレースだなと思わせる。 やがて遠くから放送が聞こえてくる。 滝見の湯が近づいてきたのだ。 滝見の湯は71qの部のゴールでもある。 その放送が聞こえてきたのだ。 右手に温泉の建物が見える。 応援の人が路肩に並ぶようになり、その先に妻娘たちが待っていてくれた。 いやあ恐縮恐縮、こんな自分一人の為に待っていてくれたとは。

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 道路から斜め右に入ったところが、チェックポイント兼71qの部のゴール。 マットを踏んだ先がエイドだ。 ここでは蕎麦をもらう。 50qのように手打ちそばではないが、それでも温かいものは美味しい。 エイドから先に進んだ、第二駐車場が荷物預け&着替えポイント。 ここには色々なものを預けていた。 まずは着替えとして、シャツとアームウォーマーを置いていた。 だが、思ったより汗をかいていなく、今の服でも快適なので、着替えない事にした。 あと防寒系のものとして、手袋、長袖シャツを置いていた。 だが、天気もいいし、失速して歩いて寒くなる感じでもないので、不要かなと思った。 もしそれらを持って走るときに必要かもと思ってランニングバックも置いていたが、それも不要かなと思った。 補給したのはアミノ酸ジェルと煎餅。 ジェルは、各補給ポイントに2つずつ置いていた。 八峰の湯までには一つも飲まなかったのだが、その後疲労感から2つ飲んだので、ここで2つ補給する。 あと煎餅も、八峰の湯から2枚持って走っていたのだが、気晴らしに2枚とも食べたので、ここでも2枚補給する。 迷ったのが靴。 八峰の湯からウェーブスペーサ―を履いてたのだが、イマイチしっくりこなくて、右足の指の付け根のあたりが痛かった。 ここにはウェーブイダテンが置いてある。 全くの新品、一度も足を通した事がない靴である。 ただ、イダテン自体は何度もレースで履いていて、問題ない靴である事はわかっている。 どうしようか迷ったが、まあ足の痛みも強くなる感じでもないし、佐倉でもかすみがうらでも履いた靴だし、そのままウェーブスペーサ―で走る事にした。 という事で、荷物整理は簡単に終わり、不要となった荷物をトラックに積み込む。

 さて温泉だ。 稲子湯の時に、ベテランランナーが「戻る感じ」と言っていたのだが、その意味が分かった。 71q計測地点→エイド→着替えポイントと、馬越峠に向かって並んでいるのだが、温泉の建物は背中の方向にあるのだ。 ただ、戻ると言っても150mほど。 別に気になるほどの距離ではない。 そんな事より温泉に入りたい。 稲子湯で失敗したので、着替えポイントの所に居た係りの人に、券はどこでもらうのか聞いてみる。 すると、エイドの所でもらえるはず、と言う。 エイドの所に行って聞いてみると「ここは券は要りません」と言われる。 券を持たずに温泉の建物の入り口に行くと、ここで券を渡された。 なんだかよくわからないが、無事に温泉の建物へ。 入ると妻と娘が居た。 どうやら、まだ昼食を取っていないらしい。 ずいぶん遅い時間に思うが。 自分なんて、朝からもう9時間も走っているので、夕方みたいな感覚である。 とりあえず、まず温泉へ。 今まで2箇所では湯船に入るだけで体を洗わなかったが、もうだいぶ汗をかいたので、ここでは全身石鹸で洗う。 何よりタオルが汗でびっしょりだった。 汗で汚れたタオルを石鹸で洗う。 午後だからか、ランナー以外の人も多く入っていて、非常に混雑していた。 あまり長居も出来ない。 足をしっかり伸ばしてリフレッシュをし、適当な時間であがる。 休憩コーナーへ行くと、妻娘たちが、これから昼食という感じだった。 自分だけ好きな時に好きなだけ食べてきて、申し訳ないなと思った。 Umerunさんの奥さんは、カレーを食べようとしていた。 ゴールしたら食べたいなと思った。 korunさんとUmerunさんも座っていた。 korunさんの胃は回復したのだろうか。 Umerunさんはダウンしてリタイアしたわけではないので、一見元気である。 なんだが、自分一人の為に皆さんを待たせているみたいで、非常に悪いなと思った。 正直、先に帰っててもらってもいいかなと思った。 お金を持って走っているし、帰りの服も預けてある。 念の為、先に帰っていてもらってもいいと言ってみたが、ゴールを待っていてくれるという。 ありがたい話であり、そう言ってもらった以上、絶対に完走、できれば少しでも早くゴールに到達しなければと思った。 頑張る、と言い残して、休憩所を出る。 シューズを履いていると、隣にもランナーが。 意欲がみなぎっているので、つい声を掛けてしまう。 「こんなところで温泉に入って、完走できるんでしょうかね」というと、彼も「そうですね、自分もここで温泉に入ったのは初めてなんですが、まあ大丈夫でしょう。」と言う。

 滝見の湯を出たのが14:23。 目標の14:15から8分遅れているが、温泉でリフレッシュした分、この先しばらくいいペースで走れそうだし、ほぼ借金は返済できたかなと思った。 まずは馬越峠入口の三川公民館を目指す。 公民館までもずっと上りだが、馬越峠の上り坂に比べたら緩い。

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 入浴後で体が軽く、走って坂を上っていく。 滝見の湯の手前で抜かした見慣れたランナーを多く見かける。 自分が温泉に入っている間に先行されたという事だ。 恐らく、温泉に入る人は、全体から見ればわずかなのではないかなと思う。 稲子湯のエイドもごったがえしていたし、あの人数が温泉に入ったら浴室へ向かう通路が満員電車になってしまう。 公民館まで約3q、そこそこの上りであり、歩きがだいぶ入ってしまうかもと思っていたが、温泉でリフレッシュした脚は強い。 気分よく走って、思ったより早く公民館に着く。 ここにもエイド。 山場の馬越峠に備えて、給水する。 できれば給食も、と思ったが、パンは無かった。 かわりに、たけのこの里があったので、何粒かもらう。

 さて馬越峠、ここから峠まで約5q、キロ10分で歩いて50分だ。 基本、速歩で乗り切る事になるだろう。 斜度8.5%、382mを上がる訳で、走るのは非現実的だ。

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 エイドを過ぎると、いきなり急勾配。 まわりは、ほぼ全員歩き。 ゆっくり走っている女性がいたが、歩いて抜かす。 勾配はきついのだが、新緑の綺麗な林の中を進むので気分がいい。 また日陰である事もあり、途中ちょっとだけ寒くなり、それまでポケットに入れていたアームウォーマーを付ける。 ただ一人だけ、まともに走っている人がいた。 自分とほぼ一緒にエイドを出たのだが、彼はずっと走っている。 自分は歩き。 ほとんどペースは変わらないが、若干彼のほうが速かった。 やがて彼があるいたら抜かしてやろうと思っていたが、相当強い意志を持って走っているのか、なかなか歩かない。 徐々に彼との差が開き、やがてカーブの先に見えなくなった。 その後、彼の姿を見なかったので、自分より早くゴールしたのだろう。 凄いなと思った。 彼以外、自分より速いペースで上がる人はいない。 途中で、滝見の湯の手前で抜かした10002のランナーを再び抜く。 やはり自分が温泉に入っている間に先行していったらしい。 もう大分ランナーがばらけているのだが、気のせいか集団ができている。 しゃべりながら歩いている人も多い。 元々友人なのかもしれないが、そういう人ばかりではないだろう。 一緒に歩いていると連帯感が生まれて、つい話したくなってしまうのだと思う。 やはりデカフォレストのナンバーを付けた人は人気で、色々な人に話しかけられている。 気になるのは「このペースで完走できるか」である。 前方からにデカフォレストのナンバーと4ケタのナンバーの人が並んで歩き、話しているのが聞こえる。 デカフォレストの彼は「自分に付いていけば完走できる。このゼッケンをつけていると、恥ずかしくてリタイヤ出来ないんだよ。」と言っている。 その彼も、速歩で抜かす。 自分の歩きを見た彼は「元気だね!大丈夫、この坂をそのペースで登る足があれば、間違いなく完走できるよ。」と言ってくれる。 県道との合流地点にエイドがある。 76qと書いてあり、その記載が正しいなら登り始めの三川公民館から2q、馬越峠79qまであと3qの地点だ。 まだ3qあるのか、とその時は思ったが、あとで地図を見ると上り4.7qのうち2.6qの地点にあり、実際には峠まであと2.1qの地点だった。 76qまでは新緑の深い森の中の道だったが、やがて開けてきて、下界が見えるようになってくる。 ずいぶん上がってきたなと思う。 せっかく走りに来たんだからと、途中勾配が緩くなったところを狙って走ってみる。 だが、とても走り続けられない。 速歩に切り替える。 できれば、登り始めのペースを保っていきたかったが、いくら歩きとはいえ、勾配がきつい道、キロ8分くらいの速歩を維持するのは大変だった。 少しペースを落とす。 それでも確実に高度を上げるとともに、山の稜線が目線のそう上の方でない事を確認する。 もうすぐだ、多分あの山の切れ目が馬越峠だろうな、と思う。 予想はあたり、やがてストリートビューで見た峠の風景が見えてくる。 前を歩いていたランナーが、思わずガッツポーズ、小声ながら「やったぞ」と言うのが聞こえた。 峠を越えてすぐの所がエイド。 歩いてきた分、暑くなく、胃の事を考えて、温かいココアをもらう。 眼下には、川上村のレタス畑のビニールが、陽の光を浴びて輝いている。 いよいよ、来たな、終盤だ、と思う。 時計は15:37だった。 朝会ったデカフォレストの人が言う15:45を上回った。 まだ足は残っている。 完走が見えてきたなと思う。 馬越峠に着いたことをメールで妻に報告、みな待っていてくれているのだから、完走できそうだろいうメッセージを伝えたかった。 峠のエイドでは、みな活き活きした顔をしている。 今まで自分は、最後方に近いポジションでレースを進めてきた。 正直、この人たちは完走できないんじゃないかな、と思う事もあった。 だが、その後ペースを上げ、今周りにいる人のほとんどは完走できるんじゃないかな、と思うようになった。 峠で休んでいると、途中で抜かしたデカフォレストの人が上がってきた。 思わず「この時間にここに居れば完走できますかね」と聞く。 彼は「できる!あとは足を壊さない事。自分も足さえ壊れなければという前提はあるけど、ほぼ完走を確信したよ。」と言う。

 峠では5分くらい休んだだろうか。 ここからは、一気に下る事になる。 川上村役場近くの県道の突き当りまで、距離にして6q、その間428mを下り、平均斜度はマイナス7.3%にもなる。

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 50q以降、ほとんど上りだったから、実に久しぶりの下りである。 先ほどアドバイスをいただいたように、足を壊さないように下らなければいけないなと思った。 足を壊さず、かつブレーキを掛けず下るのは難しいが、どちらかと言うと足を壊さないほうに重点を置いて下る。 上りでは、ほとんど誰にも抜かれなかったが、下りではどちらかと言うと自分を抜いていくランナーのほうが多い。 中には、勢いに任せてキロ4分を切っているんじゃないかというペースで駆け下っていくランナーもいる。 かと思うと、足の耐力を売り切ってしまったのか、下りだというのに歩いている人もいる。 下り始めてまもなく80q地点。 あと2割だ、と思う。 峠から下り始めは勾配がきつく、箱根6区のようだ。 湯本の先で、足がやられて歩くランナーがたまにいるが、そうならないように、すり足で下っていく。 だが、正直、はやく大下りが終わってくれないかなと思う。 そう思っていると、青と白のテント、エイドが現れた。 ちょうどいい、休憩しよう、と思った。 水分補給とともにトイレに行く。 レース前半のトイレは、どこも大行列であったが、もうさすがにランナーがばらけているので、待っている人はいなかった。 中に入っている人が出てくる1〜2分待って中に入る。 ちょっとした休憩が良かったのか、その後は快調に下り、抜かされることは減り、抜かすランナーが多くなる。 峠ではだいぶ下に見えていたキャベツ畑が、たいぶ近くなってきた。 いよいよ下ったなと思う。 だが、そこから川上村の県道T字路まで、結構長かった。 下っている途中、靴の中に石が入る。 快調に下っていたので止まりたくはなかったが、結構大きな石だ。 走っているうちに石が移動してくれることを期待したが、靴下に食い込んでしまったのか、動かない。 仕方なく、止まって靴を脱ぐ。 まあ、フルマラソンと違って、そうした1分程度のストップは気にならないが。

 しばらく走って県道T字路に到着、ここからしばらくは緩い下りだ。 少しだけ県道を走って、川を渡ったあと、県道から離れ、川沿いの細い道を行く。 ゆっくり下っていて、非常に走りやすい。

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 調子に乗ってペースを上げる。 感覚的に、キロ5分半くらいだろうか。 点々としているランナーを次々に抜かしていく。 もうすぐ87qの川上村のエイドだ。 だいぶゴールが近づいてきたなと思う。

 川沿いの道から離れ、細い道を走った先が、川上村原公民館エイド。 最後の関門だ。 時間は、まだ16時半になっていなかった。 あと13q、2時間半あるから、歩いてもゴールできる。 骨折とかしなければ完走できるなと思う。 もちろん、みなが待っているので、出来るだけ早くゴールしたい。 だが、せっかくなのでエイドでは色々食べたい。 ここは最後の大規模エイドである。 用意されていた椅子に座って、うどんを食べる。 1杯では物足りなく、お代わり。 椅子が埋まってしまったので、公民館の建物の犬走りに腰かけて食べる。 あと13qをどれくらいで走れるだろうか。 仮にキロ7分としたら91分、13時間を少し超え、18時過ぎにゴールできるかなと思う。 だが、やはり「タイムを目指す大会じゃないしな」という思いが頭をめぐる。 さすがに疲れは出ていた。 タイムを目指すわけではないので、温泉がある訳ではないのに、少し長めに休憩を取った。

 食事もとり、さあ走り出すぞと思って立ち上がったが、今までになく憂鬱だった。 それが疲れからくるものか、あるいは長く休み過ぎたのか。 それでも走りだしたらキロ6分くらいで走る。 といってもこれは、その時の自分の感覚。 疲れて足が前に出なくなっていたのか、走り終わってラップを計算したら、6:13/qだった。

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 信濃川上駅近くまで進んで、橋を渡ったところを左折して、JR小海線に沿った道を行く。 手前が開けていて、今から進む道路が見える。 明らかに上っている。 もちろん、事前の知識として、ラスト10qは上りと知っていたが、実際に見るとうんざりだ。

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 坂が始まって、しばらくすると90q地点。 それまで走っていたのだが、坂が始まると同時に走れなくなる。 それでも自分には速歩がある。 キロ10分を切るスピードで歩く。 もうみんな歩いている。 多分、いまこの時間、ここを歩いている人は、タイム的な目標は無く、かつ歩いても完走できるので、モチベーションが持てないのだろう。 もちろん、みな自分よりゆっくり歩いて行うので、速歩の自分はどんどん抜かしていく。 そのうち一人から声を掛けられた。 「何回目ですか?」と聞かれたので、「初めてです」と答える。 するとその人は「やっぱりそうだよね。こんなコース、二度走る人、おるんかね。俺はもう二度と走らん。坂ばっかりで、ほとんど走れないじゃないか。ラスト10qに来て、この坂は無いよ。」と言う。 馬越峠もそうだが、この90〜93qの坂も、正直走るにはつらいなと思う。 二度と走りたくない、と思う人もいるかもしれない。 まあ、そう言っていても、走り終わったら、また走りたくなるというのがマラソンだが。



レース終盤・ゴール
 坂は続いていた。 だが、馬越峠なんかに比べたら、大した勾配でもない、これくらいの勾配なら、滝見の湯の手前なら走れていた。 でも走れない。 さすがに疲れてきたのと、馬越峠の下りで、相当足にダメージが来たのだと思う。 速歩でも疲れる。 いつまでこの坂が続くのかなと思う。 やがて勾配が、少しずつ緩くなる。 さあ、そろそろ走るか、と思って走ってはみたものの、すぐ断念して歩いてしまう。 よく、人間って、一か所が痛いと、他の痛みの場所を感じないと言うが、そんな事は無いんじゃないかなと思う。 今の自分、もちろん足の筋肉が死んでいるのもそうだが、そこらじゅうが痛いのだ。 歩くしかないのか。 93qのエイドに到着、パンが食べたかったがなかったので、代わりにたけのこの里をもらって食べる。 エイドで補給をすれば走れるのではないか、そう思ったけど駄目だった。 まだ上り傾向は続いていたが、そう急な勾配ではない。 中盤までなら、十分走っていた坂だ。 やはり100qともなると、終盤こうなるのかなと思う。 たまらず、妻にメールを出す。 「足の筋肉が死んでいる、豆ができて痛い、アキレス腱が痛い、股関節が痛い。全てが駄目だ。94q付近だと思う。走れない。歩いている。」 その時、時刻は17:33。 あと6qだから、普通に歩いていてはゴールは18:30を過ぎてしまう。 19時の制限時間を超える事は無いと思うが、みんながまっているのに申し訳ないなと思う。 すると、妻から返事が来た。 メールにはUmerunさんの言葉と、korunさんの奥様の言葉がつづられていた。 「痛みは気のせいだ」「目をつぶってもゴールできるよ」 こんなに嬉しいメッセージはなかった。 つらい時、こうしたメッセージがどれだけ励みになる事か。 そうか、痛いと思うからいけないんだ、せっかく走りに来たんだ、歩きに来たんじゃない、頑張って少しでも走ってみようじゃないか、と思った。 95qを通過、時計は17:43だった。 18時半越えは嫌だった。 それには残り5qを47分。 いい目標だ。 妻に「何としてでも13時間30分切りを!」とメールを出す。 何となく上ってはいるが、よく見ると本当に大したことない勾配。 よし、と思って走り出す。 ゆっくりなら走れる。 極力歩かないで走ってみようと思った。 ここから先はキロ表示が1q毎となる。 残り4qを通過。 この1qを7:19で乗り切った。 よし、やっと、何とか走れている、というラップになった。 上りばかりかと思ったが、川を渡ったり、下りも出てきた。 下りではペースを上げて走ってみる。 すると、それまで全く走れなかったのがウソのように、気持ちよく走れるのだ。 ランナーズハイか、そもそも気持ちの問題か。 まあ、現実としては、90〜95qをほとんど歩いたので、足が休まったのだろう。 野辺山駅の裏のあたりの交差点を左折。 このあたりは場所的にゴールが近く、ゴール会場の音声が聞こえる。 ブログとかによると、ここからゴールに背を向けて3q走るのが辛いと聞くが、自分はそうは思わなかった。 95qで覚醒していて、最高に気持ちいい状態だった。 ボーナスステージ、さながらウイニングランだった。 最後のエイドを通過、もう何も必要なかった。 帰ってきた感が強く、隣を走っていたランナーを顔を見合わせ、会話する。 彼もウルトラマラソンは初めてだというが、それ以上にびっくりしたのは、フルマラソンもまだ1回しか走った事が無いという。 「なのによく、ここまで足が残ってて走れますね」と言ったら、照れくさそうにしていた。 だが、今の自分はハイな状態。 ペースが速く、彼は「先に行ってください」と言う。 その先の右折地点が残り2q。 残り3qの表示を見落としてしまったので2q分だが、ラップは12:46。 6分前半まで持ち直した。 ここで再度妻にメールする。 「あと2qを通過。20分は切れそうだ。」 そう書きつつ、本当は15分を切りたいなと思った。 だが、それにはキロ6分を切るペースが必要だった。 ちょっと厳しいかなと思って、そうは書かなかった。 再度右折すると、その道は、朝走った道。 遂に帰ってきた。 嬉しくなってペースがあがる。 まあ、そうは言っても、さすがに疲れていて、実はそれほどでもなかったのだが、自分の気持ちの中ではキロ5分だった。 残り1qの看板を通過。 この1q6:12で、13時間15分切りまで残り5分53秒。 まあ無理だろうと思って、いったん歩いて妻にメールを打つ。 「18:10にあと1qを通過。18:17〜18:18くらいにゴールかな」と。 そして、朝2度渡った踏切を再度わたる。 もう小海駅へと続く店が多く並ぶ道だ。 応援が増えてきた。 いやあ、何といっていいのか。 帰ってきた。 帰ってきた。 気持ちよく走っていると「あと300mだよ。」と声が掛かる。 えっ、さっき残り1qの看板を通過したばかりなのに、と思った。 だが、確かに小海駅前の交差点が見えた。 ここを左折すれば、朝スタートしたゴール地点だ。 交差点でkorunさんが声を掛けてくれた。 嬉しかった。 そうだ、みんなが待っていてくれたんだ。 korunさんは、カメラを持って、こう叫んだ。 「ゆっくりでいい!子供が待ってるから!一緒にゴールだ」 そう伝えると、自らはカメラを持ってゴール方向に走り出した。 そうか、ゴールの写真を撮ってくれるんだと思ったが、疲れで頭が回らなかったのか、ランナーズハイになっていたからか、ブレーキが掛けられない。 きっと本能で走っていたんだと思う。 やがて、妻と娘が近づいてきた。 3人揃ってゴールできるなんて。 でもやっぱりブレーキが掛けられず、一瞬娘が置いて行かれる。 korunさん、Umerunさんのご家族の方も、ラストの直線で迎えてくれた。 たった一人の為に、何人もの人が待っていてくれたんだと思うと、ありがたい気持ちでいっぱい、本音を言うと、申し訳ない気持ちだ。 ゴールでは、わざわざ一人一人、ゴールテープを用意してくれる。 家族3人、並んでゴール。 皆さんのお蔭の完走を象徴するゴールだ。 いやあ、長かった。 一言でいうと、色々あったな、と言う感じか。

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 今にして思えば、もっと感動に浸れば良かったと思うが、脳みその働きが鈍っていたように思う。 ただ、意外だったのは、おもったよりゴール後も平然としていられたこと。 疲れたとか、座りたいとか、そういった感覚は全くなかった。 普通に着替えて、蕎麦を食べ、さあ早く帰ろう、という感じだ。 とにかく、皆を、特に子供たちを待たせてしまっているので、一刻も早く帰らなければ、という事で頭がいっぱいだった。 今日は日曜日、明日は学校である。

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 フルの後だと、靴を脱ぐときに足を攣りそうになったりするが、そういう事が全くないのだ。 やはりゆっくり走っているからだろう。 それに、90〜95qを、ほとんど歩いていたし。 適当に、あるもので着替えを済ませ、車に乗せてもらう。 車は、自分のゴールを待っている間に、近くの駐車場に移動してもらった。

 往きと逆コース、長坂インターから中央道に乗る。 だが、小仏トンネルを先頭にした渋滞が19qと長い。 渋滞解消を待つ意味も兼ねて、双葉SAで夕食を食べる。 ただ、自分はレース中もたくさん食べたし、ゴール後にも蕎麦を食べたので、あまりお腹が空いていない。 カレーを頼んで、娘と2人で分けて食べる。

 疲労や足の痛みは無かったが、ひとつだけどうしようもなかったのが眠気。 前の晩、ほとんど眠れず、朝2時に起きて13時間以上走っていたのだから、眠くて当然だ。 双葉SAでコーヒーを買い、何とか睡魔と闘う。 Umerunさんの車に乗せてもらい、22時過ぎに家に着いた。 双葉からの高速道路で、Umerunさんの娘とうちの娘は、3列目座席で寝ていた。

 ありがとう皆さん、楽しい2日間だった。 korunさんとUmerunさんのリタイアは残念だったが、一緒に野辺山と走ったという事は変わりない。 完走できるかどうかは、その時の運もあるだろうし、本当に紙一重の差だと感じた。 もし望むなら、来年も出てみたい。


     
13時間想定
14時間想定
  
走行実績
 
距離
標高
タイム
時刻
タイム
時刻
  
到着
出発
休憩
ロス
南牧村社会体育館   1,357   5:00   5:00      02:55 2:55  
5q地点 5.0              34:19 34:19    
国道141号線横断点 7.8 1,376 48:48 5:48 52:42 5:52    49:52 49:52    
10q地点 10.0   1:04:21 6:04 1:09:21 6:09    1:08:08 1:08:08    
15q地点 15.0              1:46:49 1:46:49    
北沢最高標高点 18.2 1,903 2:05:51 7:05 2:14:57 7:14    2:09:44 2:09:44    
20q地点 20.0   2:16:39 7:16 2:26:39 7:26    2:23:35 2:23:35    
林道終点 23.2 1,609 2:35:51 7:35 2:47:27 7:47    2:40:15 2:41:15 1:00  
25q地点 25.0              2:54:07 2:54:07    
30q地点 30.0   3:22:39 8:22 3:37:39 8:37    3:40:11 3:40:11   16:00
稲子湯手前T字路 33.4 1,413 3:43:03 8:43 3:59:45 8:59    4:01:54 4:01:54    
稲子湯(35q地点) 35.0 1,493 3:58:15 8:58 4:16:33 9:16    4:12:50 4:22:50 10:00  
県道480号T字路 37.9 1,588 4:18:33 9:18 4:39:45 9:39    4:43:28 4:43:28    
40q地点 40.0   4:31:09 9:31 4:53:24 9:53    4:55:33 4:55:33    
八峰の湯 42.0 1,272 4:47:09 9:47 5:10:24 10:10    5:05:00 5:37:21 32:21  
小海駅前(50q地点) 50.0 880 5:43:09 10:43 6:10:24 11:10    6:22:31 6:31:02 8:31 3:00
北相木村役場 59.0 981 6:52:09 11:52 7:23:54 12:23    7:30:37 7:36:37 6:00  
60q地点 60.0   6:59:39 11:59 7:31:24 12:31    7:44:01 7:44:01    
南牧村社役場 68.3 995 8:01:54 13:01 8:33:39 13:33    8:37:22 8:39:22 2:00  
70q地点 70.0   8:17:12 13:17 8:48:57 13:48    8:57:23 8:57:23    
滝見の湯 71.0 1,126 8:42:12 13:42 9:13:57 14:13    9:01:30 9:23:03 21:33  
三川公民館 74.2 1,229 9:11:00 14:11 9:42:45 14:42    9:43:58 9:45:00 1:02  
馬越峠 79.0 1,616 10:06:00 15:06 10:45:33 15:45    10:34:00 10:37:20 3:20  
80q地点 80.0   10:13:00 15:13 10:53:03 15:53           
川上村県道68号T字路 84.9 1,183 10:47:18 15:47 11:29:48 16:29    11:15:02 11:15:02   1:00
川上村 87.0 1,164 11:07:03 16:07 11:54:36 16:54    11:28:00 11:34:45 6:45  
信濃川上駅付近左折 89.5 1,131 11:25:48 16:25 12:14:36 17:14           
90q地点 90.0   11:30:18 16:30 12:19:36 17:19    11:53:24 11:53:24    
95q地点 95.0              12:42:50 12:42:50    
96q地点 96.0              12:50:09 12:50:09    
98q地点 98.0              13:02:55 13:02:55    
99q地点 99.0              13:09:07 13:09:07    
南牧村社会体育館 100.0 1,357 13:00:18 18:00 13:59:36 18:59    13:14:39      




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