去年は残念ながら中止となってしまったが、今年は6月開催。
ゴールが頂上ではなく室堂となってしまったが、開催してくれただけでもありがたい。
仕事が忙し時期であり、18時に会社を出るのは申し訳ないのだが、20時までに受付を完了しなければいけないため、今日は特別。
自分だけではなく、職場の長のK氏まで18時退社という事になってしまった。
というのも、K氏は富山在住で敦賀に単身赴任中。
明日は応援してくれるとの事で、車に乗せてもらい、一緒に富山へ移動する。
地鉄前まで乗せてもらい、受付を済ませ、ホテルグランテラス富山へ。 しかし、チェックインしたとはいえ、ホテルにはわずか5時間半しか居られない。 夕食サービスがあり、カレーを食べる。 部屋へ帰り、荷物の準備。 称名エイドに預けるもの、室堂に運んでもらうものを分ける。 服は迷ったが、とりあえず称名まではノースリーブのランシャツと短いランパンで走る事にした。 また、靴は湘南で自己ベストを出した時に履いていたウェーブイダテンとした。 1時半起床、2時にホテルを出る。 駅前に行くと、参加者がぞくぞくと集まってきた。 バスで隣になった人は秋田県から来たそうで、もう何回もこの大会を完走しているという。 自分は、42q以上走るのは今日が初めてといったら、非常に驚いていた。 だが、ノースリーブ・短パンの自分の格好をみて「速そうだね」という。 確かに、持ちタイム3時間11分は速い方だと思う。 浜黒崎に着いて、昨年、雷鳥荘で同室だった人たちと会えるかと思ったが、まだ暗くて良く見えない。 だが、ランナーは続々集まっていて、気分が高ぶってくる。 松原会長の松明を先頭に4時スタート。 松原会長は常願寺川の右折地点まで走る。 しばらくは常願寺川の左岸を行く。 既にだいぶ明るくなっていて、予想通りヘッドランプは要らなかった。 だが砂利道もあって走りづらい。 5.2qの8号バイパスを30:50で通過。 ほぼ予定通り。 建設中の北陸新幹線の高架をくぐり、それまでの堤防の上の道路から堤防内側を走るようになる。 大日橋(10.9q)を1:03:03で通過。 キロ6分イメージで走っている、やはり興奮しているせいか、少し速めである。 陽が上り始めたので写真を撮ろうとしたら「撮ってあげるよ」といって、自分を写してくれる。 ありがたい。 途中、何回か県道クラスの道路を横断するのだが、信号がないので、車優先、車の合間を縫ってわたる。 早朝とはいえ、それなりに交通量はある。 堤防の上を走ったり下を走ったりしていたが、15qあたりから堤防の上の広い道となる。 右に富山市の斎場が見える。 このあたりになると、ランナーがだいぶばらけてきて、自分を含め3人のランナーと並走する。 斎場の煙突が16q地点。 岩峅寺までキロ6分予定だが、併走していたランナーに引っ張られ、少し速めかなと思う。 まあ、ばてるようなペースではないので、流れに乗って進む。 雷鳥大橋を渡って、常願寺川の右岸にコースを変える。 正面から陽を浴びる。 まだ6時前だが、これからいよいよ暑くなるのかなと思う。 右岸の道にはいると、再び砂利道。 左手にクリーンセンターの建物をみて進む。 やがて、遠くに岩峅寺が見えてくる。 もちろん初めて走るコースであるが、過去に走った人のブログや航空写真を見ているので、だいぶイメージは掴んでいた。 岩峅寺まで1時間59分24秒の予定だったが、6分ほど早く到着。 岩峅寺は19.9km地点。 もちろん、全工程の中で、ここまでが最も平坦だ。 ここまではずっと常願寺川沿い、ここからは山道となるからだ。 だが、意外なのだが、既に標高は170m。 全く登っている感じはしなかったが、170mというのは低い数字ではない。 仮にフルマラソンのコースに換算すると、360m上がる勾配である。 あの能登和倉の累積標高が、それくらいだったと思うから、徐々に上がるのと急坂が突然来るのとでは、ダメージが全然違うなと思った。 それはそうと、キロ6分想定に対し6分早いのだから、まずまずのペースだ。 ここで、K氏の応援を受ける。 奥様、娘様まで一緒だ。 鳥居をくぐった先がエイド。 水と食料を頂く。 再び鳥居を戻るようにしてくぐり、今度は常願寺川に掛かる橋を渡る。 さて、ここからは今までとは様相が異なる。 以下の表は、地点毎の標高差を示したもの。 平均だけを見てしまうと、立山駅まで2%以下の勾配という事になる。 しかも、川沿いで、ほとんど平坦に感じた岩峅寺までと同じ勾配が、かすみ橋まで続くと錯覚してしまう。 ところが、例えば岩峅寺〜横江間は標高差こそ70mだが、実は145m上がって75m下っているのである。
まずは、富山地鉄大川寺駅付近の踏切を渡ると急坂。 台地の上に上がるまで、坂は続く。 台地の上は田んぼが広がり、のどかな風景。 だが、せっかく上がったのに、また川近くまで下がる事もある。 と思ったら、また上り。 つい、立山駅から先の上りにだけ目が行ってしまうが、岩峅寺〜立山駅間も楽なコースではない。 もう2時間も経っているので、ランナーがばらけてくる。 途中、私設エイドがだいぶ出ていたが、岩峅寺でおにぎりを食べたし、ペットボトルには水がたくさん残っているのでパスする。 横江ダム堰堤のポイントを通過。 岩峅寺からはキロ6分半の予定だったが、ここまでのラップはキロ6分を切っている。 このアップダウンのコースであるから順調である。 岩峅寺からここまで数人抜いたが、誰にも抜かれていない。 やがて道が細くなる。 前も後ろもいない一人旅。 相変わらずアップダウンが散在する。 それでもほぼキロ6分をキープした。 かすみ橋で、今日2度目のK氏の応援。 給水で、後ろからきたランナーに追いつかれたが、ついて走る。 ここから立山駅も、非常にアップダウンが激しい区間。 まずは、有峰口駅近くで富山地鉄の線路をくぐって県道6号線までが急坂。 県道6号線の上りはゆるやかだが、その先右折して立山大橋を渡るあたりから、今度は長い急坂になる。 このあたり、2873のランナーと並走する。 立山大橋は撮影スポットだ。 2人とも写真を撮る。 橋を渡り終わると、更に勾配が厳しくなり、急坂はスキー場まで続く。 2人で併走して、坂を上る。 立山大橋南詰の標高が418m、スキー場の最高点が537m。 わずか2.1qで119mを上るのだから、結構な急坂である。 スキー場からは坂を下る。 立山駅の標高が464m。 1.7kmでこんどは73mを下ることになる。 そんな区間だったが、併走のお蔭で、ペースを落とさず走る事ができた。 立山駅前で、3度目のK氏の応援。 4時間04分51秒の想定だったが、それより14分以上も早い。 ここではトイレに行く。 隣の人が「距離だけなら半分きたんだけどなあ」と言っている。 だが、標高的には、まだ500m上がったに過ぎない。 普通、この距離(ここまで38.6q)で500m近くを上がるマラソンコースなどないと思うが、それでも我々が目指しているゴールの標高から比べれば、まだ1/5しか上がっていない。 線路を渡ろうとしたら踏切が鳴る。 踏切待ちも、この大会だ。 線路を渡るとエイド。 暑くなってきて汗もかいてきたので、果物と水を頂く。 さて、ここからは去年も走っている。 立山登山マラニックというと、どうしても八郎坂やその先の坂をイメージしてしまうが、実はこの立山駅〜称名エイドの区間が一番しんどい。 特に称名の滝の手前は、猛烈な急坂である。 気持ちを入れなおして走る。 桂台の手前で42.195qを超える。 朝とはいえ暑い季節、このアップダウンが非常に激しいコース、荷物を持って走っており、立山駅の踏切待ちや休憩を含めて4時間15分くらいだから、かなり立派だと思う。 出場資格はフルマラソン4時間だが、正直4時間ぎりぎり切っている人では、このタイムでここまで走れないだろうなと思う。 もちろん、足も呼吸も全く問題ない。 ここで異変があるようだと、ゴールは出来ないだろう。 桂台を過ぎると、いよいよ舗装区間で最大勾配区間となる。 昨年は雨も強く、走り始めて間もないというのに滅入って歩いていた。 ゆっくりでも走ろうと思っていたが、さすがに急こう配、なかなか速度が上がらない。 それでもこの区間で女性ランナー(恐らく女性トップ)を抜いた。 右手には悪城の壁が見える。 なかなか凄い景色だなと思う。 称名の滝といい、このあたり独特の地層なのではないかと思う。 結果として桂台〜称名滝は、山岳区間以外で唯一キロラップが10分を超えているが、平均11%の猛烈な登り区間なので仕方がない。 最後の坂はさすがに歩いて、称名エイドに到着。 称名エイドで、4度目の応援を受ける。 ここでは着替えるため、10分ほど滞在。 この先は岩稜もあるため、ソールの薄いウェーブイダテンからソールの厚いウェーブライダーに履き替える。 ここまで、持ち物はポーチだけ、ノースリーブのランシャツランパンで走ってきたが、この先は何があるかわからない。 曇ってきて雨も降りそうだ。 高度があがって冷たい雨に降られたら、低体温症になってしまう。 長袖シャツとカッパを入れた、小さなザックを背負う。 ただ、当面、服はそのままノースリーブのランシャツランパンで走る事にした。 寒くなったら着ればいい。 称名エイドで休憩している間に、女性の先頭らしきランナーが先行していった。 また、かすみ橋から併走時間が長かった2873のランナーも先行していったようだ。 自分はタイムを目指すというより大会を楽しみたかったので、ここ称名エイドではゆっくり休憩を取った。 K氏と、そのご家族にお礼を言って先を目指す。 弘法までの八郎坂は、言わずと知れた難所。 ヤマケイの登山地図によると、歩行時間は3時間05分だ。 ぽつぽつ雨が降ってきたが、大した雨ではないので、カッパや長袖に着替える事無く前に進む。 称名エイドで先行した女性ランナーと2873のランナーに追いついて登山道を登っていく。 坂がいつまで続くのかと思うと気が滅入ってしまうが、去年歩いている経験は大きい。 途中に道標があって、何キロ歩いたかわかるのだが、後半は坂が緩くなることも分かっており、ペース配分に活かせた。 途中、何箇所か、称名の滝が見える。 立ち止まって写真を撮る。 弘法まで1時間12分を想定していたが、やはりそれより10分近く早く到達。 ヤマケイ地図の1/3の時間で登ったことになる。 八郎坂で降り出した雨だが、弘法を過ぎたら止んだ。 曇りなので景色はいまいちだが、晴れて暑いのもしんどいらしい。 しばらくは木道をゆく。 去年、帰りに歩いたので、やはりどの程度の勾配かはわかっている。 最初に谷を越えるために大きく下って大きく登るが、その先の勾配は大したことない。 だが、木道なので走りづらい。 縦断勾配はそれほど急ではないのだが、斜面に木道が作られているので、横断的に傾いている箇所が多々あり、雨で濡れているため、滑りやすいのだ。 走れるところは小走りで走り、危なそうなところは早足で歩く。 女性の先頭ランナーも、ここの木道で追い抜かした。 アルペンルートの料金所の手前で車道に出る。 木道はここで終わり。 あとは車道だ。 もうここまでくれば完走は間違いなかった。 あとはゆっくり歩いても大丈夫だ。 長くこの景色を堪能したい気持ち、楽してゴールにたどり着きたい気持ちがある一方、少しでもいいタイムでゴールしたい気持ち、抜かれずかつ抜かしたい気持ちが入り混じる。 坂は緩くなったりきつくなったりする。 なるべく緩い坂では走ったが、やはり空気の薄さもあり、歩きもだいぶ入った。 前に歩いている人が点々と見えるのだが、ほとんどが立山駅からスタートしたウォークの部の人。 ランナーがばらけていて、弘法から先は数人しか抜けなかった。 途中、自分があるいている時に、走って抜かしていく人がいた。 付いていきたかったが、無理だった。 最後のエイド、弥陀が原エイドは、直線急坂の先にある。 走るのはきついが、エイドからゼッケンナンバーではなく、個人の名前を呼んで応援してくれるので、頑張って走る。 ここではきゅうりを頂く。 しかし、本当にエイドの人、応援の人が温かく、こんなに素晴らしい大会は無い。 一人寂しく走っていた昨年とは、えらい違いだ。 ゴールまであと7キロ半ほど。 ゴール近くで富山テレビの取材を受ける。 その時は、まさかテレビ局の取材とは思っていなかった。 後日、テレビでその様子が放映され、びっくりした。 なら、もっとちゃんと喋っていれば良かったが、イマイチ何をしゃべっているのかが不明だった。 室堂の手前には、雪の壁が残っていた。 歩いてこの壁をみられるなんて、貴重な体験だ。 去年は室堂が遠いなと思って歩いていたが、今日はもう終わってしまうのか、という感じ。 スタートから7時間48分、予定より1時間早くゴールした。 188人エントリー中23位。 室堂ゴール後、ゼッケンを外し、それなりの装備なら頂上に行っても良いとの事だったが、天候が悪かったため断念。 防寒着、登山靴、アイゼン、携帯トイレまで持ってきたのだが、マジで遭難の恐れがあり、やめた。 ゴールで、知り合いのゴールをみるため待機する。 まず、バスで隣だった人がゴールする。 彼は自分を見て「速かったなあ!」と感心する。 続いて、昨年同部屋だった2人が相次いでゴール。 3人とも完走でき、めでたしめでたしである。 室堂駅で荷物を整理し、3人で宿の雷鳥荘へ向かう。 途中、積雪箇所が結構あり、自分はアイゼンを付けていたから良かったが、同行の1人はランニングシューズだったため、苦労した。 まずは風呂に入る。 温泉は最高だ。夕食まで喫茶でビールを飲みながら談笑する。 そして夕食。 カロリーを消費しただろうから、沢山食べる。 夜、完走パーティ。 これが最高だ。 これがあるから大会に出るという人もいると思う。 最後の大会だけに、より盛り上がったのだと思う。
(立山駅・称名滝RH以外のエイド休憩は時間が短いため、走行時間に含めた) スタートの朝4時の気温22℃と、想定内。 陽は出ていたが、多少雲に隠れる時間もあった。 結局、ノースリーブ短パンのままゴールした。 不安だったので、水や食料・着替えを持ちすぎ、それが重荷になってしまったのが、ちょっと失敗。 結構エイドが私設も含め、しっかりしていたので、水も最低限で良かったし、食料はいらなかった。 しかし、レースにおいてモチベーションって、すごく大事だと実感。 今日は立山駅から室堂まで、称名での着替え10分を含んでも3時間58分で登っている。 去年、立山駅からスタートして室堂まで4時間掛かったので、それより速く走っている。 立山駅まで39kmも走ってきたのに、である。 余談だが、途中ずっと並走した富山在住の2873のランナー、フルの自己ベスト3時間9分は能登和倉で出したらしい。 あのコースで9分はすごいと思うし、そんな彼と併走できた自分も、もしかしたらワンランク実力がアップしたかもしれない。 また、2978の女性ランナーとも、抜きつ抜かれつを繰り返し、彼女は自分がゴールして30秒後にゴール。 「最後に抜かせると思ってたのに!」と悔しそうに、でも笑顔で話してくれたが、彼女こそが女性の優勝者だった。 とにかく、素晴らしい景色、ボランティアの人の温かさ、ランナーは皆いい人ばかり、夜の飲み会&話が楽しい、山小屋の温泉が最高と、良い点を書いたらキリがない。 あえて残念だった点を探すと、あまりの素晴らしい景色の中を走れ、もっと走っていたかったのに、意外に早くゴールが来てしまったこと。 去年同部屋だった知人と一緒に話しながら走れば良かったかなと、今にしては思うが、残念ながらスタート時に知人を見つけられなかった。 こんな素晴らしい大会が、今回限りだなんて、本当に残念である。 どこかスポンサーがついて、いまのボランティア実行委員から引き継いでもらいたい。 61km走ったのに、後半ペースが遅かったからか、足は全然平気。 走り足りない気がして、翌日は室堂から立山駅まで走る。 走り初めは小雨だったが、八郎坂を下っている時に土砂降りに。 しばらく大木の下で雨宿りをしていたが、雨は弱まるどころか強くなり、木の下でも濡れるようになったたため、ずぶ濡れ覚悟で前進。 泥はぐちゃぐちゃ、石は濡れていて、3回転び、最後は足元ばかり見ていて、太い木の枝に頭をぶつけた。 3時間近くかけて立山駅に着いたときは、パンツまでずぶ濡れだった。 いや、正直参った。 |