2013/11/3 湘南国際マラソン(フル) inserted by FC2 system



湘南国際マラソン
 2013〜2014マラソンシーズンの幕開け。 シーズン初レース。 ただ今年は、夏に立山登山マラニックがあったため、例年以上にシーズンオフに走りこんだ。 5〜9月の平均走行距離をみれば明らかだった。 2011年は97q、2012年は101qだったのに対し、今年は213qと、例年の倍の距離を走った。 7月、8月とも月200qを超え、9月は300qを超えた。 以前、月300q走って、膝を壊した事があった。 ただ、当時は走り始めて間もない頃で、恐らく足の耐性がなかったのだろう。 今年は、多少膝が痛む事はあったが、当時のように私生活の段階で足が痛いという事は無かった。 調子に乗って、10月は400qを超えた。 400qも走ると、休足日がほとんどない状態だった。 本当はポイント練習とつなぎ練習といったように、メリハリをつければよいのだが、練習時間が自由に取れないので、どうしても走れる時間に走れるだけ走るという練習になってしまった。 場合によっては、インターバル走をやった翌日にビルドアップという、メニュー無視の状態で、足は張りっぱなしだった。 そんな状態の中でも、1km4分のインターバル10本をこなせるようになったし、ビルドアップ走のタイムも向上していた。 10/22に行った5q×3のビルドアップ走のラップは、4:37→4:27→4:07だった。 3時間15分の卒検ラップ(4:36→4:24→4:06)には、わずかに届かなかったが、前日にインターバル10本を行って重い脚だった事を考えると、本番で期待が持てそうなラップだ。 ただ、さすがにその後は、練習ペースが落ちた。 その週末は台風が接近して雨模様の日が多かったせいもあり、あまり走れなかった。
 
 10/25は新宿センタービルの52階で、会社の業務研究発表会だった。 発表は午前中で、実質的に役目はそこで終わりだった。 昼食の為に1階に降りるのだが、エレベータが長い行列だった。 それを見た何人かが、非常階段へ向かった。 階段で少し階を移動して、別のエレベータを使うという。 とっさに自分は思った。 足の訓練の為に、1階まで階段で下りてやろうと。 さすがに52階分は長く、思ったより時間がかかった。 だが、せっかくなので、下りだけではなく、上りも階段を使った。 上りは息も切れ、12分掛かった。 発表会は17時に終わり、懇親会会場へ移動するのだが、この下りも階段を使った。 翌日は、さすがにふくらはぎが筋肉痛だった。 いいトレーニングになったかな、と思っていた。 だが、良く考えたら、月に400q走ってるのに筋肉痛になるという事は、走るときに使っていない筋肉という事だ。 翌日も痛みは増し、その日は走ったにも関わらず、更に翌日の月曜日、痛みは増した。 もはや筋肉痛とは言えなかった。 軽い肉離れではないか。 本番まで1週間、えらい事になってしまったなと思った。 思えば今まで、フルマラソンの前には、必ずと言っていいほどトラブルがあって、万全な体調では挑めていなかった。 初マラソンの板橋と2012年のかすみがうらは、膝を痛めた状態で走った。 2012年のつくばは、転勤の影響等でほとんど練習できず、おまけに直前に背中の粉粒を切開除去して本番に挑んだ。 今年春の佐倉は、足の甲を痛め、投げやりになって直前に暴飲暴食をして挑んだ。 その1ヵ月後のかすみがうらは、その佐倉で痛めた足の疲労を抜いただけで、これまた練習せずに挑んだ。 今回こそ、何の問題も無くレースに挑めると思ったのに、またしてもやってしまったかな、と思った。 しかし、問題を抱えて挑んだ過去5レース、全てで自己ベストを更新してきた。 まあ、これも縁起だと思って走るしかないかなと思った。
 
 だが、本番5日前になって、痛みが引いてきた。 ここ数日走っていなかったので、走りたくて仕方がなかった。 だが、本番前に、あまり負荷を掛けるのは良くないので、3q走とした。 ネットで見た情報によると、3時間15分を切るには、最大酸素摂取量的に11分45秒で走る必要がある。 一応、このタイムを目標にした。 結果は11分35秒。 ふくらはぎの痛みは多少残ったが、タイムはそこそこだったので、これなら本番も何とか走れるのではないかと思った。
 
 従来、自分はスタミナタイプだと思っていた。 しかし、最近は長距離を連続して走るトレーニングをしていない。 一番の不安は、そこだった。 まあ、ある意味、湘南国際は長距離トレーニング、あくまで本番はつくば、という考え方も、出来ないではなかった。
 
 本番は3連休の中日の日曜日。 いつものように夜行バスで敦賀から帰ると、土曜日は寝不足、日曜日は4時半起きだから、寝不足のままレースに挑む事になる。 夜行バスをやめ、前回のかすみがうらの時と同様、金曜の夜の新幹線移動とした。 目指すは、敦賀発17:49の電車。 17:25の終業のチャイムが鳴ると、直ぐに部屋を出て着替えて駅まで走った。 米原で新幹線に乗り換える。 金曜だから混むとは思ったが、行列の3人目だったので、まあ座れると思い、4号車に並ぶ。 ところが、到着した新幹線の車内をみてびっくり。 運悪く4号車に外国人の集団がいるせいもあり、ほとんど満席。 かろうじて空いていた、車端部の席に座る。 揺れるから、普段なら絶対に座らない席だ。 困ったなと思ったが、岐阜羽島で結構降りる人がいて、車両中央部の席に移動する。 あとは、小田原での2分乗り換えが問題だ。 到着10分前に席を立って、階段前の7号車に移動する。 新幹線は遅れなく小田原に到着し、予定通りの小田急に乗った。 やはりかすみがうらの時と同じように、唐木田から家まで歩いた。
 
 だが、家に帰ると思わぬ事態に。 妻娘ともに風邪だという。 娘は、熱は無いものの、咳が止まらない状況だという。 妻は、今日の夜から特に具合が悪く、熱を測ると39℃だという。 申し訳ないが、別部屋で寝かせてもらう事にした。
 
 自分もだが、妻子供も2q走る予定である。 そっちは無理かな、と正直思った。
 
 本番前日の土曜日は、休足日。 本当は出掛けようと思っていたが、妻子が風邪であるので、ずっと家にいた。 それまで食事制限をしていたが、今日は、ここぞとばかりに炭水化物を摂取した。 いまさら摂取量を抑えても体重にはあまり影響が無いし、それよりスタミナ源となる炭水化物を体に詰め込んでおきたかった。
 
 翌朝は4時半起床。 まずは朝食を食べる。 昨日、妻の為に炊いたお粥の残りを食べる。 次に餅の調理。 例によって7個だ。 持物を確認して、5時10分に家を出て、京王線で橋本へ行く。 ここからJR相模線で茅ヶ崎まで行く。 電車は4両で、普段なら時間的にガラガラなのだろが、半分の座席がランナーで埋まっている。 途中からも乗客があり、海老名で満席、厚木からは立ち客が通路までいっぱいになった。 もちろん、ほとんどがランナーだ。 茅ヶ崎で東海道線に乗り換える。 最寄駅の大磯まで2駅だが、相当の混雑が予想される。 よりによって10両だ。 グリーン車が2両あるので、実質8両。 ただ、去年もこの電車に乗っており、乗れないほどの混雑ではなかったので、安心していた。 乗り換え時間が10分あるので、念のためトイレに行く。 個室は行列かと思ったが、待っている人は2人しかいない。 これはラッキーと、列に並ぶ。 ここでトイレに入れたのは大きい。 会場で並ぶ必要がない。 あとはスタート前の小便だけ気にすれば良かった。 だが、東海道線の電車は、茅ヶ崎到着時点で超満員。 階段に比較的近い3号車に乗ろうと思っていたが、とても乗れそうもない。 慌てて2号車へ移動する。 2号車もすし詰め状態だったが、何とか押しこんで電車に乗る。 大磯では階段から遠かったが、それでも5分ほどで改札口を出られた。 駅から会場の大磯プリンスホテルまで3qある。 無料シャトルバスがあるのだが、またしても行列であり「徒歩の方が早く会場に着けます」と放送している。 だが、フルマラソンを走る前に3q歩くのは嫌だ。 行列が、思ったより早く進むのも、知っている。 ただ、バスが渋滞して、到着まで時間が掛かるというのも知っている。 そういう意味で、昨年参加したのは、大きかったなと思う。 案の定、列は順調に進み、10分くらいか待たずにバス乗車位置までくる。 乗車時間が長いので、できれば座っていきたい。 ただ、こればかりは列の進み具合による。 運だ。 昨年は、座れずに、立って会場まで行った。 今年もタイミング悪く、立つはめになりそうだったが、乗ろうとした瞬間に、自分の後ろで誘導員が「次のバスにしましょう」と言った。 自分は本当は「次のバス」ではなかったが、やはり座りたくて、とっさの判断で次のバスの列に並んだ。 やはりバスは渋滞、待っている時間より乗っている時間の方が長かった。 たかが15分とはいえ、座れたのは大きい。 ところで、さっきから空腹だ。 朝、お粥を2膳食べたのだが、お粥だけに、ほとんど水分。 炭水化物としては足りなかったようだ。
 
 会場には7:30に着いた。 スタートまで1時間半。 ちょうどいい時間だ。 思ったより涼しい。 陽が出なければ、走るのに適した気候だなと思う。 バスを降りて、更衣室まで、結構歩く。 途中にトイレがあり、昨年はそこで用を足したが、今日は昨年に比べ、行列が凄く長い。 茅ヶ崎の駅で行けて良かったなと思う。 去年は、スタート地点のトイレに行こうとしたが、凄い混雑で、時間ぎりぎりになってしまった。 まずは、空いているトイレを探す。 だが、どこも凄い行列。 あきらめて更衣室のエリアに入る。 ここのトイレは空いていた。 餅を食べ、時間が立つのを待つ。 そして着替え。 今日はノースリーブ・短パンで走る。 眼鏡もかけない、手荷物一切なし、これ以上軽量化できない格好だ。 だが、ノースリーブになると、やはり寒い。 なるべくスタート直前に上着を脱ごうと思った。 スタート30分前になって、意を決して上着を脱ぐ。 だが、良く考えたら、スタート地点集合は30分前だった。 慌ててBブロックの待機場所に移動する。 既にそこには、多くの人が並んでいた。 仕方が無く、Bブロックの後方に並ぶ。 並んだと思ったら、直ぐにスタート位置へ移動。 スタートは、待機場所から数百メートル離れている。 歩けばいいと思うのだが、皆走る。 だが、流れに乗らなければならず、自分だけ歩く訳にはいかず、走る。 走って止まってを繰り返し、ようやくスタート地点に到着。 45分前にトイレに行ったというのに、またトイレに行きたくなる。 スタート前からこれでは、先が思いやられる。 どうしても我慢できなくなったら、コース途中のトイレに行こうと思う。 ハーフがスタートして10分後、9時ちょうどに号砲がなる。 だが、スタートラインまで、結構距離がある。 振り返れば、そこはCブロック。 Bブロック最後方からのスタートだ。
 
 ラインを越えたのは、号砲から3分後。 まあいい、グロスタイムは気にしない。

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↑ スタート地点 ↑


 最初は流れに乗って走ろうかと思ったが、やはり遅いペースには耐えられない。 隙間を見つけては前に行く。 最初の1kmは4:50。 入りの1qで5分を切ったのは、初めてかも知れない。 ちなみに、想定ラップは、最初の1qが5:00、2〜3qが4:50、4q以降が4:40で、とりあえずハーフ付近まで、この4:40のペースで行くつもりだ。 次の1qも4:42と、想定ラップ内。 まずまずの入りだなと思う。  だが、3qのラップは4:51と、その前より9秒も落としている。 下りもあったのに、おかしいなと思う。 その先に給水所。 念のため、一口含む。

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↑ 大磯港付近 ↑


 このあたりから、走路が狭くなる。 いままでは高架上の2車線だったが、ここから1車線。 といっても、この先江ノ島まで路肩が非常に広い1車線なのだが、この地点は拡幅工事を行っている関係上、ほぼ1車線分の広さしかない。 給水の影響もあったし、4qのラップは4:50。 例によって、脛が痛む。 最近のフルマラソンを走るとき、いつも悩まされる痛みだ。 だが、この痛みは、やがて引くことがわかっている。 5qのラップも4:50と、いまいち。 まだ走路が狭かったし、脛の痛みもあったから、仕方がない。 5qのスプリットは24:03と、まあまあか。 やがて工事区間が終わり、ランナーがバラけてくる。 Cブロックスタートの4441のランナーについて走る。 6qは4:31と、ペースがあがった。 よし、このペースだと思う。 6.6Kmにも給水があり、ここでも一口だけ水をもらう。 スタート前からトイレに行きたかったのだが、途中で行こうかどうか迷うところである。 用便だけの1分ロスなら仕方がないが、行列に並ぶのは勘弁だ。 この地点のトイレは、個室の前に並んでいる人がいたので、パスする。 7qも4:36といいペース。 7km手前に湘南大橋の上りりがあったことを考えれば、相変わらずいいペースだと思う。

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↑ 湘南大橋 ↑


 だが、8kmの時計は5:16。 エッと思う。 いくらなんでも、それは間違いだ。 8kmのポイントが遠くにあるのか、それとも7kmまでのポイントが手前過ぎたのか。 前者なら、その先に速いラップが出現するが、後者だとすると、それまでの4:31のラップがおかしかったことになる。 そういえば、去年もラップが一定ではなかったなと思う。 9kmのラップは4:46。 イマイチ信用が置けなくなってきたが、単独で考えれば、そんなもんかなとも思う。 10kmで時計を押すと3:58。 ということは、恐らくさっきの5:16のラップの7〜8kmが実際より長くて、この9〜10kmが実際より短かったのだろう。 10kmのスプリットは47:10。 47分くらいを想定したいので、まずまずか。 ただ、スタート直後の混雑が思ったほどではなく、最初の1kmが想定より速かった事を考えると、その後のペースとしてはイマイチかなと思う。
 
 10kmを過ぎるとサザンビーチ交差点。 急に沿道の声援が増えてきた。 反対側車線には給水所があり、そこのボランティアの人も、精一杯声を掛けてくれる。 大声援に、思わず武者ぶるいした。 脛の痛みも取れてきて、気分よく走れるようになる。 11kmのラップは4:38。 理想的である。 だが、次の12kmのラップは4:44。 目標より4秒遅いので、少しだけペースを上げる。 このあたりは、箱根駅伝でいう3区・8区だ。 海沿いではあるが、防砂林あって、海は見えない。 ラップとにらめっこで、淡々とした走りが続く。 13kmのラップは4:37と想定通り。 よし、このペースだと思う。 高浜台交差点を直進する。 箱根駅伝は、この交差点を曲がるので、コースとはお別れだ。 だが、ここ辻堂から江ノ島までの区間が、この湘南国際マラソンのコースのハイライトだと思う。

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↑ 高浜台交差点 ↑


 14kmのラップも4:39と想定通り。 14.3kmに給水所がある。 21kmのパンまで給食しないつもりだったが、チョコレートが見えたら、ついとってしまった。 しかも、袋に入っていない、むき出しのチョコ。 これは、もう食べるしかない。 口に含んで、ゆっくり融かす。 15kmで時計を押すと3:51。 これまた、ありえないラップだ。 だが、ここ数キロ、5分を超えるラップは出ていないので、どうなっているんだろうと思う。 10〜15kmのラップも知りたいが、計算ができなかった。 まあいい、距離表示が正確ではないことが明らかになったので、参考程度にしようと思った。 マンションが増えてきて、応援も増えてきた。 非常に気分のいい区間だ。 16kmのラップは4:31。 距離表示が正確なら、いいラップだ。 このあたりから、折り返しのランナーが増えてくるが、まだそれほど多くない。 全体としても速い方なんだなというのを実感できる。 17kmのラップは4:22。 非常にいいラップだが、距離表示が不正確なので、余り気にしない。 右手には、西浜海水浴場が見える。 昔、何回か海水浴に来たので、懐かしい。 18kmのラップは4:30。 安定している。 右手に、今度は江ノ島水族館が見える。 妻娘が水族館好きで、一時期年間パスポートを持っていたな、と思う。 思えば、最近来ていない。 気のせいか、周りのランナーよりペースが速くなってきた気がする。 よく知った場所だけに、さらに気分よく走る。 折り返しがあって、その先が19q。 ラップは何と4:12。 さすがにこれは間違いじゃないかと思った。

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↑ バックは江ノ島水族館 ↑


 19.2kmに給水所がある。 20.5kmではパンを取る予定にしているので、ここでは水を摂取する。 20kmで時計を押すと、これまら4:17と速いラップ。 4:17もびっくりだが、それまで数キロのラップ時計が速かったので、どこかで5分とかいう時計が出るかと思っていたのだが、それが現れなかった事にびっくりだ。 ということは、この5kmは、相当速いラップで駆け抜けたことになる。 さっと計算ができなかったが、ざっと22分くらいで走ったのではないかと、その時思った。 今年3月の佐倉マラソン、前半突っ込んで入った8〜13qあたりの5kmが22分半だった。 それより速いラップかと思うと、これは相当オーバーペースか、実力がついたかのどちらかだろう。 折り返したわけだが、まだ折り返していないランナーの方が、自分のコースのランナーよりはるかに多い。 これは、気分がいいもんだ。

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↑ 鵠沼橋付近 ↑


 20.5kmの給水所で、予定通りパンをもらう。 小さなアンパンを、2つに切っておいてある。 念のため2つ、すなわちパン1個分をもらう。 1つはすぐに食べ、もうひと切れは、少し時間を置いて食べた。 21kmのラップは4:18。 ここの3km、ずっと4:20を切っている。 本当に、このラップなのだろうか。 だが、22kmのラップは4:40。 そんな20秒も落とした筈はないのに。 23kmのラップも4:39。 それまでの4:20を切るラップが間違っていたのだろうか。 23km過ぎに、給水所がある。 給食メニューとしてはバナナがあるが、さっきパンを2切れ食べたので、ここでは取らなかった。 トイレに行こうかとも思ったが、なんなここまでくれば、ゴールまで我慢できそうな気もする。 もうしばらく様子を見る事にする。 このペースで走ってて、ここまでくればランナーもバラけているので、もう並ばなければトイレに入れない、という事は無いだろうなと思った。 24kmのラップは4:29。 浜須賀の交差点を過ぎ、再び箱根駅伝3区・8区の道路に戻ってきた。 ということは、防砂林に囲まれた、単調な景色である。 25kmのラップを見て愕然とした。 何と3:27。 もしかしたら、22km・23qで4:40前後の時計が、実際はもっと速かったのかなと思う。 26kmのラップは4:25。 まあ、正直これくらいなんだろうなと思う。 しかし、やはり当初考えていたラップよりは速い。 27kmも4:27と、似たようなラップ。 考えてみれば、折り返してから、ほとんど誰にも抜かれていない。 抜かす一方である。 少し調子に乗りすぎかなとも思う。 だが、まだ足には余裕がある。 もう少しこのペースでレースを進めてみようと思う。

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↑ 27km付近 ↑


 28kmも4:22と、これまたいいラップ。 28km先に給水所があり、ここにもバナナがある。 どうしようか迷ったが、何となく食べるのが面倒で、パスする。 やがて、湘南大橋の登りに掛かる。 さすがに少し疲れが出てきた。 それでも29kmのラップは4:28だから、落ちてはいない。 晴れていれば富士山が見える区間だと思うが、今日は曇っていて景色はイマイチだ。

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↑ 湘南大橋 ↑


 橋を渡り終えると、30kmポスト。 ここで、またしてもありえないラップ、3:56をみる。 という事は、それまで数キロの4:20〜4:30のラップは、実際にはもっと速かったということ。 これは、相当速いペースでレースを進めているんだなと思う。 30kmのスプリットをみれば、それは明らかだった。 2時間14分42秒なのだが、仮にこれからキロ5分ペースで走ったとしても42kmで3時間14分42秒。 あと195mを18秒では無理だが、ほんの少しペースを上げれば、サブ3.15は行ける計算だ。 これまでのペースを考えれば、この先キロ5分は難しい話ではない。 これはサブ3.15いけるのではないか。 それまで、ラップがめちゃくちゃでペースを計りかねていたが、この地点でサブ3.15が現実味を帯びてきたなと思う。
 
 31kmのラップも4:16と、相当速いラップ。 そこまでペースを上げたつもりはないのだが。 31.6kmの市営プールの給水所には、最後の給食、おにぎりがある。 これまた、迷ったが、やはり食べるのが面倒で食べなかった。 本当は食べたほうがいいのだろうが、つい調子よく走っていると、ペースを乱したくなく、給食をサボる傾向にある。 32kmのラップは4:31。 まあ、許容範囲かもしれないが、少し落ちてきたか。

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↑ 花水川橋 ↑


 花水川橋を渡ると、箱根駅伝の平塚中継所。 箱根駅伝のコースは、ここから国道一号線にでるが、湘南国際のコースは、自動車専用道路に進む。 さすがに疲れが出始めていた。 それまでは、前を行くランナーを、一気に追い越して行く感じだったのだが、このころから抜かすのに時間を要するようになってきた。 だが、それより、困った事態が発生した。 ふくらはぎに痛みを感じたのだ。 1週間前、無謀な階段の上り下りをして、両足のふくらはぎを痛めていた。 その箇所に、ピリッという痛みが、時折はしるのだ。 これはまずい事になったなと思った。 重い感じの痛みなら我慢すればよいが、もし一気に悪化させてしまえば、最悪ストップということもありうる。 33kmのラップは4:37。 それまでより、確実に落ちてきた。 だが、それはやむを得なかった。 疲れもあるし、なによりふくらはぎが攣りかけていたので、安全策としてペースを落とさざるを得なかった。 坂を上がって、2車線の西相バイパスとなる。 沿道からは「お帰りなさい」という声援も飛ぶ。 確かに、景色的にはスタート地点に似てきたが、このコース、スタート地点を通り過ぎ、3km先を折り返してゴールとなる。

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↑ 大磯港付近 ↑


 34kmのラップは4:55。 さすがにこれがデッドラインだ。 海沿いの高架道に出たら気分が変わり、また少しスピードアップ。 35kmのラップは4:09だが、これも恐らく、距離表示のミスだろう。 まあ、その前の4:55とかは、実際にはそれより少し速かった訳で、少しほっとする。 ファミリーランの折り返し点を過ぎる。 妻娘は、既に走り終わっているようだ。 仮にサブスリーのペースで走れれば、この地点ですれ違えたのだが。 36kmのラップは4:28。 思ったより落ちていない。 もう、サブ3.15は確実だ。 あとは、そこからどれだけ伸ばせるかだ。 だが、いよいよ体全体が疲れてきた。 さすがに、中盤、すこしオーバーペースだったのかもしれない。 右手にゴール地点の大磯プリンスホテルが見える。 恐らく、妻娘はゴールして、このどこかにいるのだろう。 もしかしたら、金網越しに見てくれているかなと思ったら、いなかった。 37kmは4:40。 落ちてきたが、まあ、もう仕方がない。 仮に、ここからゴールまでペースが落ちずに4:30のラップを刻めれば、考えもしなかった3時間10分切りであるが、もう4:30のラップは無理だった。 そう思うと、急に目標が無くなってしまった。 38kmは4:48。 早く終わって、妻娘に会いたいなと思う。 やはり、ゴール地点を通り過ぎてから、第二折り返しまでは、単調で長い。

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↑ 湘南二宮 ↑


 39kmは4:46。 駄目だ、もう低レベル安定状態。 疲れているし、3時間10分は絶望である。

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↑ 湘南二宮折り返し手前 ↑


 やっと第二折り返しに到達、折り返してすぐに給水所がある。 念のため、ここでも給水。 間もなく40km地点を通過。 ここまでの例だと、5km単位のキロ表示の区間でありえないラップが出ていたので、もしかしたらここでもと思ったが、4:37と平凡なラップ。 まあ、給水してペースも落としたから、実際はもう少し遅かったのかもしれないが。 あと、2km少々。 疲れはピークに達していたが、あと少し。 タイム的な目標は無くなってしまったが、極力ペースを落とさないでゴールまでと思って走る。 41kmは4:51。 実質的に今日のワーストラップか。 まあ、もういい。 サブ3.15も達成できそうだし、ワーストラップといっても5分は切っている。 あと1q。 ハーフあたりから第二折り返しまで、ほとんど誰にも抜かれなかったような気がしたが、ここへきて数人に抜かれる。 だが、極力自分を抜かした人について行く。 やがて今度は左側に、ゴールの大磯プリンスホテルが見える。 西相バイパス大磯西出口ランプを左折する。 ゴールは目の前だ。

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↑ 西相バイパス大磯西出口ランプ ↑


 ゴールの手前は、距離は短いものの、激坂。 だが、今日はまだ十分足が残っており、快調に駆け上がる。 ここで、また数人を抜かした。 プリンスホテルの敷地に入って、右に曲がればゴール。

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↑ ゴール手前 ↑


 やはり、ゴール地点は嬉しいものだ。 もしかしたら、ゴール地点に妻娘がいるかも。 コースの真ん中を走っていたが、左手の沿道から「お父さん!」と声が掛かる。 娘だ! ゴールの嬉しさと、娘に会えた嬉しさが一緒になって、自然と両手があがった。 最高に嬉しいゴールだ。

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↑ ゴール手前(右側のピンクのシャツが娘) ↑


 タイムは手元の時計で3時間11分01秒。 信じられない。 なぜこんなタイムが出たのだろうか。

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↑ ゴール! ↑


 ゴールすると、妻娘が迎えてくれた。 妻が「随分と速かったじゃない!」と言う。 娘は、親子ランの水色のプラスチックのメダルを首に掛けていた。 自分のフルマラソンのメダルは、金属の金色のメダルだった。 娘が欲しがっていたので首にかけてやったが「いやだあ!汗びっしょりじゃん!」と言う。
 
 今まで、フルマラソンを走り終わった後は、へたり込んで座ってしまうことが多かったが、今日は全くといっていいほど足に疲れがない。 立ったまま普通に歩ける。 まずは、スタート前から我慢していたトイレへ。 更衣室に行き、着替えて妻娘が待つゴールエリアに戻った。 聞くと、妻娘も、昼食はまだだという。 予定では、バスで大磯港へ移動して、そこで食べる事にしていた。 スタート待機場所のバス乗り場へ移動する。 もちろんまだレースは続いていて、多くのランナーがゴールしている。 まだ、サブ3.5を過ぎたあたりだ。 このランナーだって、充分立派なタイムである。 それなのに、自分はもう着替えてバス乗り場に向かっているとは、不思議な気分だ。
 
 バスは、西相バイパス上り線を走って大磯港に向かう。 下り線は、まだランナーでいっぱいだった。 だが、さすがに、このあたりになると、4時間半クラスのランナー。 後半という事もあり、歩いている人も見受けられる。 しかし、ランナー自体の数は多く、壮観である。 大磯港まではすぐ。 乾杯横町と命名された出店のコーナーがあり、ここで色々なものを買って芝生に座って昼食。 娘は焼きそば、自分と妻は豚丼を買い、ほか刺身やゲソ、枝豆などを買った。 今日は、非常に喉が渇いていた。 気温が高めで、途中から陽が出てきたので、結構汗をかいたのだろう。 花水川橋までは防砂林の日陰を走っていたが、西相バイパスに入ってからは日陰がなく、だいぶ水分が奪われたのかもしれない。 後半は例によって給水が少なく、もっと摂ればよかったなと思った。
 
 食事を終え、徒歩で大磯駅へ向かう。 西相バイパスをくぐるのだが、もちろんまだレースは続いていて、ランナーがゴールを目指している。 もう走っている人より歩いている人の方が多い。 考えてみれば、昨年は、この時間このあたりを、会社の部長と一緒に歩いていたな、と思う。
 
 娘はだいぶ疲れているようだ。 風邪で体調不良の中、2km走ったのだから、仕方がないだろう。 東海道線は混雑していたが、なんとか空席を1つ見つけて娘に座らせる。 自分は、立っていても、全く平気だった。 茅ヶ崎で相模線に乗り換える。 始発なので座れて、娘は発車と同時に寝てしまった。
 
 素晴らしい大会だった。 自己ベストが出たのもそうだが、ボランティアの人々が素晴らしかった。 よくあれだけの人数を配置できるなといった感じ。 人気があるのもわかる気がする。
 
 しかし、今振り返ってみても、自分でもどうしてこんなタイムが出たのか不思議でならない。 かすみがうらの3時間26分20秒から、一気に15分以上も縮めたのである。 確かに風はなかったが、気温は高めで、そうベストコンディションでもなかったと思うが。 フルマラソン男子の出走者数13,761人中グロスタイムで468位。 スタートロスが大きかったから、ネット順位を調べたら、415位と、上位3%である。 トップレベルのランナーが少ない大会とはいえ、これは立派な順位だと思う。
 
 キロ表示がいい加減だったので、1km毎のラップは、余り意味を持たない。 5km毎のラップをグラフにしてみた。
 
ラップ
キロラップ
備考
0km〜5q24:034:49 
5km〜10q23:074:37 
10km〜15q22:294:30 
15km〜20q21:524:22 
20km〜25q21:334:19 
25km〜30q21:384:20 
30km〜35q22:284:30 
35km〜40q23:194:40 
40q〜ゴール10:314:47 

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 すると綺麗なおわん形。 20〜30kmをベストラップで走っていて、何とこの間のキロラップは4:20を切っている。 しかし、35kmからずるずる落ちてきてしまっている。 疲れもあったが、ふくらはぎが攣りそうになり、ペースを落としたのが主因だ。 気温も上がってきたし、西相バイパスに入って日陰がなく、体感温度も高くなっていたと思われる。 それに、最後は3時間10分が切れないとわかり、モチベーションが下がってしまった。 30km以降もふんばれていれば3時間と一ケタだったかと思うと、少し残念である。 20〜30kmが速かったので、スタート直後のラップがそれに比べて遅く、ずいぶんゆっくり入ったのかと思っていたが、佐倉より速かった。 そう考えると、今の自分には、いいラップで入ったと言えるのかもしれない。
 
 5qのラップは正しいと仮定し、補正したキロラップを算出した。

 
ラップ
スプリット
備考
0〜1km4:504:50 
1〜2km4:429:32 
2〜3km4:5114:23 
3〜4km4:5019:13 
4〜5km4:5024:03 
5〜6km4:3128:34 
6〜7km4:3633:10 
7〜8km4:4637:56 
8〜9km4:4642:42 
9〜10km4:2847:10 
10〜11km4:2851:38 
11〜12km4:3456:12 
12〜13km4:271:00:39 
13〜14km4:291:05:08 
14〜15km4:311:09:39 
15〜16km4:311:14:10 
16〜17km4:221:18:32 
17〜18km4:301:23:02 
18〜19km4:121:27:14 
19〜20km4:171:31:31 
20〜21km4:181:35:49 
21〜22km4:201:40:09 
22〜23km4:191:44:28 
23〜24km4:191:48:47 
24〜25km4:171:53:04 
25〜26km4:201:57:24 
26〜27km4:222:01:46 
27〜28km4:172:06:03 
28〜29km4:232:10:26 
29〜30km4:162:14:42 
30〜31km4:162:18:58 
31〜32km4:312:23:29 
32〜33km4:322:28:01 
33〜34km4:402:32:41 
34〜35km4:292:37:10 
35〜36km4:282:41:38 
36〜37km4:402:46:18 
37〜38km4:412:50:59 
38〜39km4:432:55:42 
39〜40km4:473:00:29 
40〜41km4:513:05:20 
41〜42km4:403:10:00 
42km〜ゴール1:003:11:00 

[Picture] 

 20q〜30qは、本当にいい走りができていたんだなと思う。 ただ、35q以降は、徐々に落ち込んでいってしまっている。 ここで粘れれば10分を切れていただろうか、あの状況では仕方が無かった。
 
 さて、次のマラソン大会は、秋の本命と考えていた、つくばマラソン。 昨年も走っている。 なにより平坦で、気候的にもベストシーズン、自己ベストを出すにもってこいの大会だ。 しかも、近所のランニング友達で結成した、チームアドバンスのメンバーと一緒に走るわけだ。 普通に考えれば、ベストタイムが出る条件は揃っているが、今回のタイムで燃え尽き症候群になってしまわないか心配である。 ただ、今日3時間11分であるから、タイムを目指すのであれば、3時間10分を切って、3時間一ケタにしたいと思う。 今まで、フルマラソンを走る事6回、自己ベストを下回ったことがない。 今回は、自己ベストを15分20秒も更新しているのだ。 更新幅として、今までで最も大きい、素晴らしい自己ベストである。 問題は、疲れがどれくらい残るかだ。 今年春の佐倉の4週間後にかすみがうらだったのだが、4週間でぎりぎり疲れが抜けたという感じだった。 今回は間が3週間しかない。 その間に疲れを抜いて、ベストの体調にしなければならない。 アドバンスの4人の中で、どうしてもトップでゴールしなければならないのだ。 つくばマラソンまで、大好きなカレーを絶っている。 つくばで4人中1位になれば、カレーを食べられる。 だが、2位だと、それから1ヶ月、3位なら2ヶ月、4位なら3ヶ月我慢しなければならない。 つくばのあと、すぐにカレーが食べられるよう、これから3週間、がんばって練習しようと思う。



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