2012〜2013マラソンシーズン最後のフルマラソン。
今シーズンは、5つのフルマラソンの大会にエントリーした。
タイムを目指して走るのは、そのうち3回。
最初の11/25のつくばマラソンは、夏場に全く走りこめなかったにも係わらず、膝の痛みが引いた事と、体重減の効果が出て、自己ベストを更新する3時間37分56秒でゴールした。
3月4月は、佐倉マラソンとかすみがうらマラソンにエントリーした。
そのうち、かすみがうらマラソンは、サブ3.5を目指す友人と一緒に3人で走る事になっていた。
その時点では正直、自分はまだサブ3.5を目指すランナーではないと思っていた。
タイムが出やすいと言われているつくばマラソン、平坦で気候もよく、全力を出し切って3時間37分56秒だから、そこから8分縮めるのは、相当無理があるなと思っていた。
昨シーズンのベストタイムである3時間51分から8分縮めるのと3時間37分から8分縮めるのは、訳が違うのだ。
佐倉では、3時間35分を目標とし、かすみがうらマラソンでは、サブ3.5を目指す友人に極力ついていく事を目標とした。
つくばマラソンのあとも、日本海側特有のアラレや晩秋の雷、冬の積雪に悩まされ、思うように練習が出来なかった。
練習が出来ない分、体重減に主眼を置いた。
つくばでも、練習せずに自己ベストを大幅に更新したのは、体重を減らしたからだ。
だが、体重減だけでタイムが縮むほど甘くはないと思っていた。
3月2日、今シーズン唯一のハーフマラソン大会(鴻巣パンジーマラソン)に出場した。
佐倉へ向けた調整レースであり、ハーフの自己ベストを狙うつもりはなかった。
しかも金曜の夜に夜行バスで敦賀をたって、仮眠しかできない状態で臨む土曜の午前中のレース。
ハーフの自己ベストは昨年の膝故障前の好調時に出しており、自己ベストを狙おうにも狙いようがない状況だった。
ところが、走りだしてみると好調で、自己ベストを3分半も更新する1時間32分58秒でゴールした。
ハーフで自己ベストを3分半縮めるのは、それほど簡単な話ではない。
このタイムを見て、フルマラソンの目標に迷いが生じてしまった。
3時間35分とは言わず、もしかしたら、これはサブ3.5を狙えるのではないか。
その後、職場の先輩と走った能登和倉マラソンを距離練習代わりとし、3月になって敦賀の雪も融けて、ようやくトレーニング出来る状況になってきた。
しかしならが状況は二転三転、能登和倉マラソンが終わって、足痛に悩まされることになる。
元はと言えば、鴻巣ハーフで試しに靴ひもを強く結んだのが原因だった。
和倉の時は痛くなかったのだが、その数日後に痛み出し、全く走れなくなってしまった。
足の痛みがなければ、佐倉も真面目に走っただろう。
恐らく、キロラップを想定し、サブ3.5が可能なラップで入っただろう。
ところが、足が痛くて、投げやりな気持ちになってしまい、直前に暴飲暴食したり、ラップ想定をせずに最初から突っ込んでしまった。
途中まではサブ3.5を大きく上回るペースで走っていたが、後半大失速。
特にラスト500mの坂で完全に足が止まってしまって、わずか6秒サブ3.5に届かないという、悔やんでも悔やみきれない結果となった。
これは自分にとって最悪のシナリオであった。
サブ3.5が達成できなかった事ばかりか、レース後半相当無理をしてしまったので、かすみがうらに本調子で望めない可能性があるからだ。
筋肉痛は使えば治るが、関節痛は厄介である。
自分は左膝痛という持病がある。
佐倉の後、思ったより左膝は痛くなかった。
だが、右膝が痛くなってしまった。
その痛みは、ずっと悩まされている左膝の痛みとは違う痛みだった。
ねじったような痛みで、ずっと痛いわけでなく、走っているとたまにズキッズキッとくる。
走らなければ痛くないのだが、走るとかなりの確率で痛むが発症する。
というわけで、佐倉のあとは当面、休養に努めた。
本当は本番に向け、ビルドアップ走や峠走を行う必要があると思う。
だが、そんな事をしては、4週間で疲れを抜くのが不可能だった。
関節の痛みだけではなく、もちろん筋肉の疲労もあった。
最初の一週間は、ほぼ完全休養だった。
次の一週間、プチ峠走をと思って会社帰りに坂のある泉ヶ丘に向かったが、心が折れて坂を回避、途中から歩いて家に帰った。
正直、疲れが抜けなかった。
次の一週間、木曜日に4q×2のタイムトライアルを実施した。
だが、1本目21:50、2本目21:03という凡走だった。
まるで5qのタイムだ。
さすがにこのタイムはショックだった。
まだ疲れは抜けていないのか、それとも地力が落ちてしまったのか。
本番前最後の一週間は、無理すべき週ではない。
火曜日に朝の5q走を実施、弁当・書類を背負って25:02と、やっと平常時のタイムに戻ってきた。
あとは峠走。
その晩、泉ヶ丘に行って、上り下りを繰り返した。
しかし、膝が痛くなって、3q程度しか走れなかった。
不安でいっぱいである。
思えば今シーズンは不安だらけでレースに望んできた。
つくばは直前に背中の粉粒切開をし、鴻巣は徹夜明け、佐倉は10日前からの足痛を抱えたまま出場。
ところが、不安を抱えた割には、全て予想を上回るタイムでゴールできている。
今回のかすみがうらも、佐倉の疲れで不安だが、もう不安には慣れた。
それでもそれを乗り越えてきたので、泣き言はやめよう、自信だけは持って望もうと思った。
いつもの週末は、金曜の夜に夜行バスで敦賀を出て、土曜の朝新宿に着いている。
だが、この週末はそのパターンだと厳しいと思った。
日曜日は4時半に起きなければならないので、前の晩が仮眠、日曜日早起きでは睡眠不足になると思った。
職場の長は、一緒に和倉マラソンを走った人。
マラソンには理解がある。
日曜日はマラソンを走るからと言って、金曜日は残業なしとしてもらった。
終業時間は17:25。
敦賀18:10の特急しらさぎに乗れば、米原発18:55の新幹線に乗って、22時過ぎに家に帰れる。
だが、金曜なのでしらさぎも新幹線は混んでいる。
特に米原での乗り換えは、新幹線の自由席を目指しての席取り合戦がし烈だ。
敦賀1本前の電車は17:49発の各駅停車。
会社から駅まで3.3qなので、走れば間に合う。
だが、本番前に走りたくはなかった。
あきらめかけていたが、隣の隣の席の人が、駅まで送ってくれるという。
皆さまのサポートに感謝である。
という訳で、無事敦賀17:49の電車に乗り、米原で余裕を持って新幹線に乗れた。
やはり新幹線は混んでいて、立っている人もいた。
新幹線から自宅への最速ルートは、新横浜で新幹線を降り、横浜線で橋本に行くルートである。
だが、これだと運賃が高いし横浜線が混んでいて新横浜から橋本まで座れないので、小田原で新幹線を降りて小田急に乗る。
このルートでも、接続によっては10分ほどしか帰宅時間が変わらない。
ところが、今のっている新幹線と小田急との接続は微妙だった。
2分後の小田急に乗れないと、その後間があいて、帰宅が32分遅くなる。
何としても小田原での2分乗り換えを達成したかった。
小田原到着7分前に2号車の席を立って、階段前の7号車へ向かう。
だが、階段前で降りたいのは皆同じ、既に席を立っている人が多く、6号車の通路部分までしか移動できなかった。
新幹線は定刻で小田原に着いたが、ドア口を確保できなかったので、電車を降りるまでで30秒ロス。
階段までも少し距離があり、人をかき分けて進む。
新幹線改札口を出て小田急への改札へは長い階段。
エスカレータもあるが、もちろん無視して、階段を駆け上がる。
何とか小田急に間に合ったが、何と右足ふくらはぎが肉離れ気味になってしまった。
また弱気になる材料が出てしまった。
だが、今回は前向きに考えようと思っている。
どうせ、この程度の痛みは、すぐに引くだろうと考える。
新百合ヶ丘で小田急多摩線に乗り換える。
多摩センターで京王に乗り換えれば早く家に帰れるが、ケチなので電車賃を節約するため、唐木田まで乗って、家まで2q歩く。
普段なら走るのだが、今日は歩いた。
さて、当日の天候だが、雨の予報だ。
実は今回、4月下旬の開催となるので、暑さを心配していた。
今まで、会社のランニングクラブのシャツを着て走っていたのだが、今回は暑さ対策にと、ノースリーブの上下を買った。
だが、週間天気が出て、曇りで気温が低くなるという。
やがて日が経つにつれて、曇りの予報が雨となり、本格的な雨になるという。
それに気温。
4月下旬だと言うのに、冬の気温だという。
雨のレースと言えば、能登和倉マラソン。
あの時は、タイムを目指していなかったので、長袖の上に半袖を着て、ポンチョを着たままゴールまで走った。
今回はスピードが上がるので、出来れば薄着で走りたいなと思った。
だが、さすがにノースリーブはあり得ないなと思った。
せっかく買ったのだが、また今度の機会にしよう。
今回は、一緒に走る友人korun氏が土浦まで車に乗せてくれるという。
非常にありがたい話である。
本当は、そのkorun氏のお子さんも来る予定で、我が家も親子3人で行く予定だった。
だが、雨の予報を受けて、子供たちを連れていく事を断念した。
korun氏は、朝5:15に我が家に迎えに来てくれた。
去年は、京王堀之内5:19の電車に乗ったので、いみじくも全く同じ時間だ。
今回、レースに参加するのは5人。
自分とkorun氏、korun氏の職場の同僚ハル氏の3人がフルマラソンを走る。
この3人でサブ3.5を目指そうという訳だ。
昨年秋の段階で、自分は2人にタイム的に大きく劣っていた。
その時点で最も持ちタイムがいいのはハル氏。
自分も走った11月の湘南国際で3時間30分16秒を出している。
また、3月の立川ハーフでも1時間33分で走っており、走歴は短いものの、実力は折り紙つきだ。
korun氏のベストタイムは3時間37分だが、これはアップダウンが激しく、かつ大会運営に問題があった富士山マラソンでのもの。
諏訪湖ハーフ、立川ハーフいずれも1時間34分で走っており、本大会でのサブ3.5に並々ならぬ決意を持って望んでいる。
昨年秋まで2人にタイムで劣っていた自分だが、年が明けてからの自分のタイムは2人に匹敵する。
鴻巣ハーフで1時間32分台を出したし、佐倉では3時間30分6秒で走っている。
ある意味、持ちタイムでは3人で最もよい。
ただし、これは多くの大会に出ているからであって、決して実力があるという訳ではない。
korun、ハル氏は、本番10日前にビルドアップ走を行っており、サブ3.5達成可能のタイムを出している。
持ちタイムはいいが、いい練習が積めていない自分、さてどうなることやら。
korun氏の奥さまと、やはりkorun氏の職場の同僚T氏の2人も大会に参加する。
走るのは10マイルだ。
ハル氏はご実家から電車で移動するので、行きは4人となった。
korun氏の車1台、フルを走るというのに、運転してくれたkorun氏に感謝である。
朝から雨は降り続いていて、やむ気配はない。
途中守谷サービスエリアに寄って朝食。
予想通り、ランナーでいっぱいである。
自分は、朝家でご飯を食べてきた。
そして、例によって餅を7個持ってきた。
だが、餅はレース前に食べる予定だ。
それよりトイレに行きたい。
昨日の朝通弁してから、まだ出でいない。
昨日の夜はカレーを沢山食べたし、朝も食べたので、もう出てもいい頃だ。
いや、出てもらわないと困る。
だが、便秘気味で出ない。
おかしいなと思う。
いつもレース前は下痢気味になるのに。
仕方なく、排便をあきらめる。
昨年も車を止めたという、駅前の駐車場へ。
立体駐車場なので、雨をしのげるのがいい。
駐車場の混雑もだが、横断歩道を横断しての左折に時間が掛かり、車を止めるのに30分ほど掛かった。
電車で向かっていたハル氏も土浦に到着、会場にも更衣室や荷物預け所があるが、ここで着替える。
さて服装。
何も考えていない自分は、半袖1枚で走ろうと思っていた。
だが、korun氏やハル氏に「それはやめておけ」と言われる。
カッパすら着ないつもりであった。
korun氏やハル氏は、長袖にカッパを着て走るという。
自分もカッパは着る事にした。
だが、その時は、まだ半袖1枚にカッパという格好で走るつもりでいた。
また、皆ここで靴を勝負靴に履き替える。
自分は、もちろんウェーブイダテンGRスリム。
会場は恐らく泥だらけだろう。
雨にも濡れるだろうし、靴にビニール袋をかぶせる。
我々のスタートは10時。
その前に10マイルが9時20分にスタートする。
時間を見計らって、その40分前に駐車場を出る。
だが、雨のためか、去年より混雑が激しい。
荷物預け所の前は泥だらけ。
早速靴に水が浸入する。
外に出ると、寒さが身にしみる。
半袖だったが、さすがにこれでは無理かなと思い始める。
急きょ予定を変更し、長袖を下に着て、その上にゼッケンを付けた半袖の服を着る事にした。
今まで、全てのレースで、会社のランニングクラブのシャツを着ていた。
だが、今回は佐倉でもらったオレンジのシャツだ。
それは、6秒の悔しさを忘れずに走るぞという想いからだった。
レース中、辛くなったら、この6秒の悔しさを思い出そうと思った。
5人で荷物預け所に行ったのだが、ここではぐれてしまう。
心配なのが、10マイルでスタートする2人だ。
もうスタート時間までわずかだった。
ちゃんと預けてスタート地点に向かったのだろうか。
korun氏と自分は会えたが、一緒にフルを走るハル氏も見当たらない。
しばらくkorun氏と2人で待ったが、会えそうもないので2人でスタート地点へ向かう。
既に10マイルの号砲が鳴って、4分が経過していた。
途中でトイレに行く。
球場入口の仮設トイレの列が比較的短く、10分ほど待って用をたす。
スタートまであと20分。
ハル氏に会えぬまま、スタート地点に並ぶ。
我々のブロックはB。
少し背伸びをした事は否めないが、どうせスタート直後は混雑するので、我々の走りだけが邪魔になるという事はないだろう。
スタートブロックに入って、後ろを見てハル氏を探す。
せっかく一緒にエントリーしたのだから、何としてでも一緒にスタートしたい。
スタートしてから探すほうが、更に困難なはずだ。
スタートまであと15分、もう会えないかと、少しあきらめかけていたその時、目の前にハル氏の姿が。
良かった。
会えた。
人数が少ない(と思われる)Bブロックだったから会えたのかもしれない。
あとはスタートを待つまで。
寒いので、早くスタートしてほしい。
雨はやまない。
きっと、ずっと雨中のレースになるだろう。
とりあえず、キロ5分か、5分弱のペースで走ろうと打合せをする。
Bブロックでは遅いペースかもしれない。
邪魔にならないように道路端を走ろうかとも考えたが、今日は水たまりがあるのでやめる事に。
まあ、スタートして、集団がどういうペースで進むかにもよるだろう。
我々の10分前に、車いすの部がスタートする。
korun氏は、ガーミンの電波を受信する。
自分は、CASIOの手動ストップウォッチ。
そう言えば、このコース、難点はキロポスト表示が一部微妙な点。
昨年は11qポストと22〜24qあたりが怪しかった。
今年は解消されただろうか。
10時にスタートの号砲がなる。
Bブロックなので、すぐ前にスタートが見える。
大大会でこんな前からスタートできるなんで、贅沢だ。
号砲が鳴って、ほどなく集団が動き始める。
だが、逆に先頭が動き始めて間もないからか、速度が上がりきらないうちにスタートラインとなってしまう。
次第に速度は上がっていくが、思ったより流れは速くない。
Bブロックと言えども、スタートはこんなもんかと思う。
しばらく走って左折し、JR線の橋に向かう。
左折した途端、前が詰まって、将棋倒し寸前になる。
何かと思ったら、道路の右半分が大きな水たまりになっていて、そこを避けたランナーが中央から左に寄って、前が詰まってしまったのだ。
スタートから、korun氏、ハル氏、自分の順番で走っていたのだが、まずここで2人から少し離される。
まさか、こんなところで離されるわけにはいかない。
苦手な上りであるが、少し力を入れて前の2人に追いつく。
陸橋の上り坂途中が1q地点。
タイムは5:31。
やはり混雑しているので、どうしてもこういうタイムになってしまう。
確か、佐倉も似たようなタイムだった。
だが、佐倉が大きく下っている1qなのに対し、こちらは上り。
下りでこのロスを消費してしまうより、上りの方がいいなと思う。
陸橋を渡り終えると右折する。
先ほど、大きな水たまりに悩まされたので、路面も見ながら走るようにする。
2q手前から台地への上り坂が始まるのだが、交差点を右折した地点から、その上り坂が見渡せる。
Bブロックからスタートしたというのに、速いランナーはもう坂を上っていいるようで、先頭が見えない。
スタート直後よりはランナーがばらけてきた気がする。
やはりkorun氏が先頭を走り、その後ろをハル氏、自分が続く。
いよいよ最初の上りが始まる。
ここは、korun氏のペースに任せる。
korun氏は、私と同じく、昨年もこのコースを走っている。
ハル氏に「この程度の坂なら、富士山マラソンの坂に比べたら、大したことないでしょう」と言うと「いや、西湖への坂を迎える前に、自分は歩いていたから」と言う。
湘南国際を3時間半で走ったハル氏だが、その3週間後の富士山マラソンで体調不良から歩いてしまっている。
彼にとっても、今日は期するものがあるレースだろう。
もちろん、それは3人、誰だって同じだ。
今日まで練習を積んできたのだ。
坂の途中が2q地点。
この1q、5:01。
上りがあった事を考えると、順調なタイムと言える。
2q地点を過ぎても、しばらく橋が続く。
橋が終わると、切土となって坂が続く。
台地の上に出て、ようやく坂が終わる。
3qを通過、この1q、5:02。
korun氏が、いいペースを刻んでくれている。
本当は4:50〜5:00ペースを目標にしているが、まだ最初だし、ここは坂がある事を考えると、理想的なラップだ。
しばらくは台地の上の道が続く。
多少のアップダウンがあるが、気にするほどではない。
やはり、昨年走っているのは強いなと思う。
だが、脛の筋肉が痛み始めてきた。
この感覚は、つくばマラソンで経験している。
あの時も、やはり2qあたりで痛みを感じた。
結局、原因は不明だったが、そのうち痛みは消えた。
今日も、そのうち消えるだろうと思って走り続ける。
korun氏が、左に寄ったかと思うと、カッパを抜いて路肩のゴミ箱に捨てる。
彼は、ビニール1枚プラスカッパ1枚を着ていた。
準備のいい彼は、防水生地のウェアーを着ている。
ビニールは袖がないのだが、ウェアーが防水のなので出来る手だ。
自分はカッパを着たまま走っている。
思えば、カッパを脱いでスタートしようとは、馬鹿な考えをしていたものだ。
雨は降り続いている。
3〜4qの1qは4:58。
korun氏の素晴らしいペースメークが続く。
去年、このあたりは、混雑して流れに乗って走っていた。
だが、さすがにBブロックスタートだと、人口密度が低い。
ただし、やはり水たまりを避ける苦労は必要だ。
5q手前が最初の給水。
昨年は、ここの給水所の混雑で大きくタイムロスをしたが、今年はそれほどの混雑ではない。
ただ、3人の並走が乱れる可能性がある。
幸い、3人とも給水するようだ。
集団はばらけたが、給水所を通過した時、また3人が近寄れた。
給水所が終わるか終らないかのところが5q地点。
この1qが4:56。
やはり理想的なラップだ。
5qのスプリットが25:28。
本当は25分少々で行きたいところだが、最初の混雑と上り坂があったから、こんなもんだろう。
ちなみに佐倉の5qは25分を大きく切るスプリットだったが、あれは相当突っ込んでのタイムなので、比較すること自体無意味だ。
5qを超えると交差点を右折し、東に向かう。
去年、正面から陽を浴びて、暖かいなと思った区間だ。
だが、今日は冷たい雨。
やはり水たまりを気にしながら走る。
ここから、korun氏に代わって、ハル氏が3人の先頭に立つ。
恐らく、3人の中で最もスピードのあるランナーだ。
もし、自分一人で走るとしたら、5qまでをウォーミングアップとみなして、ここから少しペースを上げる。
ハル氏も同じ考えなのか、少しペースが上がったように感じる。
5〜6qのラップは4:46。
やはりそれまでより10秒ほど上がっている。
タイムの上げ方としては理想的だ。
だが、今日の自分には、少しきつかった。
相変わらず、脛の痛みは続いていた。
つくばの時は、確かすぐに痛みが消えたなと思う。
今日は、なかなか痛みが引かないなあと思う。
今、あらためてつくばマラソンの記録を読み返してみると、痛みが引いたのは10q過ぎだったのだが、かすみがうらを走っているときは、そこまで痛みが続いていたとは思えなかった。
脛の痛みだけでなく、足全体が重い。
やはり佐倉の疲れだろうかと考えてしまう。
佐倉の時は足が軽く、15qくらいまで、何の不安も無く飛ばしていた。
今日は佐倉の時より足が重いのにタイムが悪いのだ。
いい材料は何一つない。
弱気の虫が頭をもたげてきた。
この先、JRを超える陸橋がある。
登り坂の途中が7qポスト。
6〜7qは4:44。
上りが始まっているのにこのラップだから、前の1qより更に上がっている。
ハル氏は上りを苦にしないのか、どんどん前に行く。
今の自分の走りだと、上りがしんどい。
離されたくはないのだが、どうしても離れてしまう。
korun氏も、少しペースが速すぎると思っているのか、ハル氏に声を掛けている。
JRを超えると、右手に日立の広大な敷地が広がり、スポンサーによるスペシャルエイドがある。
やはり、3人とも給水する。
給水を利用して、何とか前の2人に追いつく。
しかし不安だ。
調子が悪いのか。
決して速いペースではないのに。
「先に行ってくれ」というセリフがのど元まで出てきた。
もちろん、今だけなら付けないペースではない。
だが、このペースだと、後半失速するだろうなと思う。
なぜかって、後半大失速した佐倉の時より辛いのだから。
が、今日はとにかく2人に付いていくこと、そう思い直して、後半を考えずに想定ペースで走る事にする。
korun氏はハル氏に何と言ったのだろうか。
少しペースを落とすように言ったのだろうか。
ハル氏が自重し始め、再びkorun氏が先頭に立つ。
ペースが落ちたように感じ、自分もkorun氏の横に出る。
走行位置が変わると、気分も変わる。
少し今までの弱気の虫が消える。
7〜8qは4:52。
前の1qに比べて8秒遅い。
わずかなペースダウンだが、今の自分にはありがたかった。
脛の痛みと足の重さは続いていたが、あまり考えずに淡々と走る事にする。
ふと時計を見ると、ラップ時計が6分になっていた。
9qポストに気付かなかったようだ。
道路左に、関東鉄道のバスが止まっている。
運営管理車か、収容車か。
korun氏が、ハル氏に「運転してけよ」と冗談を言っている。
まだまだ余裕だ。
10q手前にも給水所がある。
3人とも給水する。
カッパを着ているので、どの程度汗をかいているかの見当がつかなない。
かいていないように思えても、結構発汗しているのかもしれない。
10qで時計を押す。
9qで時計を押し損なったので2q分のラップだが、9:38。
1q分に直すと4:49だから、いいペースだ。
スプリットタイムは49:28。
5qはキロ5分オーバーだったが、ここへきてキロ5分を切るスプリットになった。
この先、自分が3人の先頭に立つ。
先頭は、ペースをキープしなければならない。
一般的に後ろについているほうが楽だ。
今日はそれまで、ずっと後ろにつかせてもらっていた。
調子がいまいちだったので、自分が先頭を走るとペースが落ちてしまうのではないかとも思っていた。
だが、10qを過ぎて、少し調子が戻ってきた。
調子が戻ったこともあるが、先頭に立つと気分が変わる。
それまでの重たい気持ちが、ふっと楽になる。
だが、ペース配分には気を付けなければならない。
友人はガーミンを持っていて、それを頼りにペースを作ることもできるが、自分の場合、自分の感覚でペースを保たなければならない。
頼りになるのは、1q毎の距離表示だ。
昨年は、11qの距離表示が間違った場所に立っていて、10〜11qの距離が実際より相当長かった。
今年は改善したのだろうか。
すると、去年と違う位置に11qの表示が立っているのが見える。
お、改善されたな、とその時は思った。
時計を押すと4:37。
もし距離表示が正確だとしたら、ちょっとペースが速すぎるということになる。
何とも言えないが、4:37はありえないラップではなく、少しペースを落とすことにする。
↑ 去年の間違った位置の表示です ↑
先頭を走っていると、後ろの2人が付いてきているのか不安になる。
きょろきょろ振り返って走っていたら、korun氏から「大丈夫、ついてるよ」との声が飛ぶ。
このあたりは交差点が続く。
右折して国道354号線から市道にはいって、しばらく行った地点が12qポスト。
昨年の記憶がよみがえってくる。
11〜12qは5:00。
ちょっと落としすぎたか。
全区間より23秒も落としているから、先頭を走る者として失格である。
ただ、もしかしたら、距離表示の正確さに問題があったのかもしれない。
その後は、比較的安定したラップを刻んでいたので。
ランナーはだいぶばらけてきたが、市道は道が狭い。
一応センターラインのある2車線だが、路肩が全くない。
水たまりに注意しながらの走りが続く。
本当は、だれかについて走ると楽なのだが、ぴったりついて走ると前の水たまりが見えないので、なるべく前が見えるように位置取りする。
13qを通過。
12〜13qのラップは4:56。
少し遅いかもしれないが、まあまあのラップだ。
遅すぎると思えば、後ろの2人のうちどちかが前に出てくれるだろう。
13qの先で広い国道に同流するが、すぐさま右折して細い道に入る。
左手に農協がある地点だ。
ここも見覚えがある。
このあたりは、ずっと平坦だ。
安定したラップを刻みたい。
14qを通過。
13〜14qは4:50。
理想通りだ。
後ろの2人は見えないが、いい位置で付いているのではないかと思う。
14qを過ぎると、右手に小学校が見える。
昨年は、桜がきれいだったが、今年は終わっている。
それに何より雨なので、だいぶ印象が違う。
↑ 去年は桜が綺麗だった ↑
ここからが、前半の2つ目のポイント、下って上る区間である。
小学校を過ぎると視界が開けて、直線で道が下っているのが見える。
それまで一定のペースで走っていたが、下りがあり、その先に給水があり、給水が終わると長い上りである。
もしかしたら、ここで3人の位置関係が変わるかもしれない。
より一層左右に注意して走らなければならない。
まだ本調子とはいけない。
もし自分のペースが落ちて、2人が抜かしていったとしよう。
それに気づかずにいると、そのまま引き離されて、さようなら、の可能性もある。
恐らく、今の走りなら、下りは自分が速いだろう。
人が少ない道路の左端によって前に行く。
坂を下りきったところが15qポスト。
14〜15qは4:41。
やはり下りの影響で、前の1qよりラップがあがった。
その先の給水、去年は給水所が混雑していたので取らなかったが、今日は取る。
左右を見渡したが、また友人2人は見えない。
その先は、比較的長めの上り。
といっても高低差は15m程度であるが。
上り終わると16qポスト。
15〜16のラップは5:04。
やはり上りを苦手にしているので、こういうラップになるのだろう。
ふと横を見ると、前方にkorun氏が、さらにその右前にハル氏が走っているのが見える。
ちょうどいい、ここで先頭を交代してもらおう。
10〜16qまで先頭を走ったので、そろそろ交代時期だ。
坂が終わると、再び台地の上の平坦な道となる。
道幅は狭い。
相変わらず水たまりに注意して走る。
やはり轍の部分に水がたまりやすい。
車線中央か、センターライン上が水たまりがないと思って走っていた。
だが、そこにも落とし穴があった。
センターライン上を走っていたのだが、そこに舗装の切れ目があった。
切れ目だけならよかったのだが、割れている部分があり、ちょうど足のサイズくらいの大きさで陥没している箇所があった。
両サイドの水たまりばかり見ていた自分は、その陥没に気づかなかった。
あっと思った瞬間に、その陥没に足を取られ、左足首をねじってしまった。
思わず「痛っ!」と叫んでしまった。
korunさんとハルさんは、自分の前を走っていた。
奇声にびっくりしたのか、振り返っている。
ねじってしまたので、当然足首は痛い。
だが、この程度のことであきらめる訳にはいかない。
そのうち痛みが引くだろうと思って走り続ける。
17kmポストを通過。
16〜17qは4:33。
先頭が自分からkorunさんに変わったので、ペースが上がったのかもしれない。
その先に給水所がある。
雨が降っているとはいえ、給水はしっかり取っておいたほうがいい。
だが、寒さのためか、なんとなくトイレに行きたい気が、このところずっと続いていた。
このあたりで飲むと、レース中にトイレに行きたくなりそうな気がした。
そのタイムロスは嫌だった。
ここでは給水しないことにした。
何も取らずに通過しようと思ったが、バナナがあるのが見えた。
とっさに「食べたい」と思った。
慌ててテーブルに近づいたが、スピードが速く、差し出してくれた人から受け取れなかった。
それでもテーブルが長く、次のテーブルの上に置いてあったバナナを取って食べる。
18qポストを通過。
17〜18qは4:59。
バナナを食べた影響だろうか。
それともキロポスト表示の誤差か。
まあ、気にするほどの落ち込みではないが。
このあたりから、再び自分が先頭を走るようになる。
道はあいかわらず台地の上の平坦な道。
そういえば、去年はこのあたりから異変が始まったなと思う。
しかしそれは、もう1年前。
それから経験も積んだし、まさかこんなところから異変を感じるようでは問題だ。
19qポストを通過。
18〜19qは4:36。
自分が先頭を走っているのだが、ちょっとこのペースのアップダウンは申し訳ないなと思う。
まあ、みな大人だから、あまりに先頭のペースがおかしければ、自分のペースで走ると思うが。
この先、標高差にすればほんのわずかだが、下って上る地点がある。
去年は、この窪地の上りが、なぜか上れずに苦しんだ。
いよいよその地点を迎える。
懐かしいなと思う。
まずは下り。
少し下って、すぐに上りに入る。
やはり意識過剰なのか、上りになると足にくる気がする。
気のせい、気のせいと思うことにする。
坂を上がりきると20qポスト。
19〜20qは5:04と、やはり5分オーバー。
やはり窪地の影響か。
このところ、ちょっとラップが一定していない。
20q地点には給水がある。
ただ、やはりトイレが心配で給水しない。
やがて目の前に城を模した、かすみがうら市郷土資料館が見えてくる。
その交差点を左折する。
このあたりが21q地点だと思ったが、どうやら標識を見落としたようだ。
ほどなく、中間点の表示が見える。
時計を見ると1時間43分だ。
単純に倍すると3時間26分。
サブ3.5まで、4分の貯金があるとも言える。
ただ、後半も同じペースで行けるとは思えない。
当然落ちてくるだろう。
その落ち込みをどこまで抑えられるかだ。
佐倉の時は1時間39分だった。
今日よりも4分早かったのだ。
さすがに1時間39分は速すぎる。
ハーフを通過した直後、korun氏が「よし!半分だ!」と声を上げる。
また「おい!ハル付いてきているか?」とも言う。
自分は、ここしばらく先頭を走っていたのだが、後ろを見る余裕がなかった。
もう少ししたら折り返しだ。
そこで分かるかもしれないと思う。
ハーフ通過後、台地が終わり、前が開けて一気に坂を下る。
この坂を下ると、あとは霞ヶ浦沿いとまではいかないが、レンコン畑の低地を走るため、平坦である。
自分は、摺足走法になってから、下りが速い。
後で聞いたところによると、この下り坂でkorun氏と少し間があいたらしい。
坂を下りきってしばらく走ると、折り返し点。
折り返しといっても距離調整の為であり、往復で走るのは300mほどである。
ちょうどこの区間、水たまりが特に大きくて走りづらかった。
もしハル氏が離れたなら、ここで確認できるかと、折り返し点は内側、すなわちセンターライン寄りを走る。
だが、らしき人は見当たらなかった。
やはりすぐ後ろにいるのだろうかと思う。
次のキロポストは22qである。
去年は、この22qポストが変な位置に立っていた。
今年はどうだろうと思っていると、折り返してしばらく走ったところの歩道に22qと書かれた黄色い字が見えた気がした。
とっさに時計を押そうかと思ったが、本当にここが22qポストなのか自信がなかったので押すのをやめた。
だが、やはり22qの看板は現れない。
そのうち道は2車線の車道から折れて、細い農道に入る。
農道に入って、しばらくして22qの看板が現れる。
去年と同じ場所だ。
という事は、間違った地点に立っている。
時計を押すと11:13。
21qで押し損なっているので2q分なのだが、それにしても数字が大きすぎる。
去年は時計を見て参ったなと思ったが、今年はまたか、という感じだ。
↑ 去年の間違った位置の表示です ↑
しばらく、キロラップでペースを保つことはできないな、自分のペースで走ろうと思った。
22kmの看板が後ろにずれているはずだから、23qポストはすぐにやってくるはずだ。
案の定、あっという間にやってきて、時計を押すと2:57。
このタイムは、全く意味を持たない。
次の1qのラップを測るために押すようなもんだ。
左手に霞ヶ浦が見えてくる。
走路と霞ヶ浦の間は水族館になっていて、歩崎公園も近い。
道端に、お父さんに連れられた小さい子供2人が応援しているのが見える。
今回のマラソンには、天気が良ければ、うちの子とkorun氏のお子さんも来るはずだった。
土浦から歩崎まで応援船が出ていて、ここに到着する。
それに乗ってもいいかなと思った時もあったが、この雨で船に乗った人が、どれほどいるだろうか。
23kポストの先に給水所がある。
去年は、ここでパンをもらった。
ところが、中に何も入っていないロールパンで、口が渇いていたのでうまく喉を通らなかった。
今年はどうかと思って覗き込むと、去年と少し形が違う丸いパンが見えた。
もしかしたら、これはあんパンかも。
そう思って1つ手に取る。
パンの先に、小袋に入ったものが見えた。
もしかしたら、チョコかも、と思って2つ手に取る。
が、見ると塩飴だった。
塩飴は要らない。
でも捨てるわけにはいかない。
とりあえずポケットに入れる。
気を取り直してパンを口にくわえると、期待通り中にアンが入っていた。
ありがたい。
やはりトイレが心配で給水しなかったので、喉を通りにくい事には変わりない。
少しずつ食べる。
このあたりは、道が狭いうえに、クランク状の曲がり角があったりして、少し走りづらい。
もっとも、だいぶランナーがバラけてきているので、混雑感は無いのだが。
果たして後ろは付いてきているのだろうか。
振り返ってまで見る余裕はなかった。
24qで時計を押すと、4:21。
そんなはずはない、いくらなんでも速すぎるなと思う。
やはり距離表示が狂っているようだ。
↑ 写真のチョークの位置に距離表示板が立っていたが、本当の24kmはもっと先だと思う ↑
道は相変わらず細い。
左にレンコン畑が見えたかと思うと、細い川を渡って、再び住宅街の中に入る。
去年ほどではないが、私設エイドは思ったより出ていた。
雨の中、ありがたい話である。
25qポストで時計を押すと5:15。
そんなにペースを落としたはずはない。
その前の時計が速かったので、差し引きすればいい感じか。
だが、更にその前22qや23qの表示もあやしいので、あまりキロラップを信じないようにする。
確か、去年は25〜30qも、微妙に距離表示が怪しかったと思う。
もっと長い目で見よう、5qで25分をキープするように走ろうと考える。
足は少しは疲れてきたが、痙攣の症状までには至っていない。
korun氏からいただいた本には、25〜30kmをベストラップで走りなさいと書いてあった。
25kmまで抑えて走りなさいということだろう。
決して25〜30kmで全力を出しなさいという事ではあるまい。
そんな事、考えれば当たり前なのだが、つくばマラソンの時、つい「25〜30kmをベストラップ」だけが頭に残ってしまって、25q過ぎにスパートしてしまった。
それが原因で後半大失速したので、今日は我慢する。
今日は佐倉より遅く入っているので、ペースを上げようと思えば上げられるが、足はもっと先に取っておく事にする。
それより、淡々と走ってキロ5分キープを心がけようと思った。
それには、誰かに付いて走るのがいい。
茶色で背中の上の方に小さな旗のような模様が入ったシャツのランナーに付いて走る。
25〜26qのラップは4:50。
キロポスト表示が正確なら、理想的なラップだ。
そのランナーは、ガーミンをしていた。
恐らく、時計を見ながら走っているだろう。
このランナーに付いていこうと思う。
まだ疲れはない、大丈夫だ。
そのランナーのおかげか、26〜27qを4:48、27〜28qを4:50と、時計のように正確なラップで走れた。
ところが、予想外の事態になった。
突然、そのランナーが道の右に寄ったかと思うと、歩き始めてしまった。
出来れば代わりの目標を見つけたいが、ランナーはバラけているし、なかなか自分と同じペースのランナーが見つからない。
自分を抜かしていくランナーに付いていけるほどの余裕は無かった。
単独走となって、28〜29qは4:55。
どうやら、距離表示は正確なようである。
しかし、自分でも不思議なくらい疲れがない。
10qまでは調子が悪く、こりゃ駄目だなと思ったのだが、いままだ淡々とした走りでキロ5分を切る走りが出来ている。
果たしてどこまでこの走りが続けられるだとうな、と考える。
いよいよ30qに到達。
29〜30qのラップも4:54。
単独走となって少しは落ちたが、5分を切っているので心配ない。
距離表示が怪しいという可能性もあるが、ここ5キロにわたって、連続して5分を切っているので、5キロで25分を切ったのも間違いなかった。
30qの関門を少し過ぎたところで、後ろから大きな声が聞こえる。
korun氏の声だった。
自分の少し後ろを走っていたようだ。
だが、距離があったし、何と言ったか分からなかった。
もしかしたら、付くのが苦しくなったという合図かと思った。
それまで、自分が辛くなってペースが落ちたら、korun氏かハル氏が私を抜いて逆に引っ張ってくれるかなと思っていたが、そうもいかなくなったかと思った。
急に心細くなった。
まあいい、一人で行ける所までこのペースを守ろうと思った。
30〜31qは4:56。
前とほとんど変わらないラップだ。
↑ 今年はこの写真のチョークの位置にちゃんと距離表示板が立っていた ↑
どうか、このままのペースを維持できますように、と思っていた。
だが、甘くは無かった。
痙攣の症状が出始めていた。
まあ30qも走っているのだから仕方がない。
ここからラップが落ちていってしまうかもしれないが、それは仕方がない。
どこまでで踏みとどまれるかだ。
31qの先に給水所がある。
↑ 去年の間違った位置の表示です ↑
やはりあんパンが見えたので、1つもらって食べる。
相変わらずトイレが心配で、給水はしなかった。
いざとなれば、ポケットにゼリー飲料が入っている。
だが、この寒さだと、手がかじかんで開けられるだろうかと思う。
痙攣の不安の中、32qポストを通過。
31〜32qのラップは4:59。
あれっ、と思った。
痙攣でペースが落ちたのに、まだ4分台。
これは逆に自信になった。
あと10q、もしかしたら、最後まで行けるかもしれない、と思い始める。
もちろん目指すはサブ3.5である。
残り10.2q。
マラソンを走るとき、だいたいこのあたりから残り距離で考えるようになる。
32qのスプリットタイムは2時間36分弱。
残り10.2qを54分で走ればサブ3.5だ。
最後の195mを1分として、残り10qを53分。
まだまだキロ5分半では駄目な残り時間だ。
しばらくはキロ5分ペースをキープする必要があるなと思う。
だが、痙攣の症状は、いよいよ強くなってきた。
だが、つくばや佐倉の時のように、一気に駄目になってしまう感じではなかった。
今日の痙攣は、寒さの影響もあるだろう。
大丈夫、つくばや佐倉の時より、足は動いている、そう思い込ませる。
32〜33qは5:04と、遂に5分オーバー。
う〜ん、やはり5分キープはきついのか。
でも、大きな落ち込みではない。
まだわずか4秒遅れただけだ。
このペースを維持しようと考える。
ちょうどいい具合に、目標となるランナーが見つかる。
ゼッケン番号939のランナーだ。
我々はゼッケンを前だけに付けている。
前後両方に付けているランナーは、陸連登録しているランナーだと思う。
このランナーなら、28qまで付いたランナーのように、急に歩くことは無いんじゃないかなと考える。
そのランナーのおかげか、33〜34qは再び5分を切って4:57。
よし!と思う。
つくばや佐倉は、いったん落ち始めると、ずるずるとラップが落ち続けた。
今日は大丈夫、ここで踏みとどまっていれば。
痙攣の症状は、思ったより強くならない。
行けそうだ。
いよいよ35qを通過。
34〜35qのラップは、4:47と、落ち込むどころが、上がった。
よし!いよいよサブ3.5が見えてきたか。
あと7キロ。
カウントダウンだ。
だが、マラソンの神髄はここからである。
35qを過ぎると前が開け、土浦市街の背の高いビルが見えてくる。
あそこまで走ればゴールだと思う。
だが、前が開けた分、向かい風を正面から浴びるようになる。
だれか付けるランナーはいないのか。
そう思って探したが、あいにく見つからない。
さきほどまで付いていた939のランナーは、35.7q付近の給水で追い越してしまった。
トイレが心配な自分は、ここのところ、ずっと給水していない。
トイレもだが、給水でペースが乱れるのが嫌だという気持ちもあった。
後から聞いた話であるが、korun氏は、30q通過後も自分の後を見える範囲で追っていたのだが、給水の度に離されたという。
たしかに、給水で離されたランナーに再びつくのは、このあたりまでくると結構きついものがある。
36qを通過。
35〜36qは4:58。
よしよし、まだキロ5分を切っている。
あと6.2キロ。
残り時間は34分。
頭がうまく働かないので、正確な計算は出来なかったが、キロ5分半ペースでも大丈夫になったかなと思う。
相変わらず向かい風は強かった。
だが、サブ3.5が見えた嬉しさと、あと6キロという距離を考え、風に立ち向かうべく今日初めて足を使った走りに切り替える。
それまでずっと、ストレスの溜まる摺足走法であった。
ここから、気持ちよく、足のバネを利かせた走りにしてみる。
36〜37qのラップは4:42。
速い。
だが、少しこれはやりすぎだ。
向かい風をモロに浴びながらこのラップだから、普通であれば4分半か、それより速いラップだと思う。
痙攣の症状が強くなった気がした。
駄目だ、ブレーキになってしまっては元も子も無い。
今日は、何としてでもサブ3.5を達成するのだ。
足のバネを利かせた走り、わずか1kmで終了、再び摺足走法に戻す。
気分が晴れたせいか、盛大な勘違いをしていた。
あと4qと思って走っていたのだ。
そろそろ39qの看板かなと思ったが、現れたのは38qの看板。
昨年も走ってるので景色で分かりそうなものだが、疲れていると、つい楽なほう楽なほうを考えてしまう。
この経験は、一昨年の青梅マラソンで体験した。
やはりあの時も、ラスト数キロで勘違いした。
さすがにこれにはがっかりした。
37〜38qのラップも5:03と、またしても5分オーバーとなっている。
まあいい、もうしばらく淡々と走ろうと思った。
38qを過ぎると、バイパスに出て右折する。
思い出した、去年はここからスパートしたんだ。
ここから3q、キロ5分を切るラップで快走したっけ。
そう思うと勇気が湧いた。
道が広くなって気分が変わる。
昨年をイメージして、気分を入れ替えて走る。
だが、さすがにそれまで楽をしていた去年とは違い、一気にペースアップをする事は不可能だった。
38〜39qは、やっと5分を切って4:58。
限界が近づいていた。
36qまでは淡々と走っていたのだが、そこからスパートしたり残り距離を勘違いしてがっかりしたり、だいぶ出入りが大きくなってきた。
まあ、最後だから、疲れて当然。
もう残り今度こそ3.2qで、サブ3.5まで20分近くあるから、大ブレーキさえ起こさなければ大丈夫だろう。
ブレーキを起こさず、かつ体力を使いきる走りに切り替える。
このあたりまでくると、本当になかなか1キロごとの距離表示が現れてくれない。
もちろん同じ5分なのだが、それが6分にも7分にも感じる。
だが、やはり5分である。
佐倉の時は、本当に6分7分掛かっていたのだ。
40qを通過。
39〜40qは5:02。
5分は切れていないが、まあ許容範囲。
数字だけみると安定しているように見えるが、さすがに疲れてきていて、淡々とした走りではなく、足を使って5分超えだから、疲れている証拠だ。
35.7qの給水で抜かした939のランナーに再び抜かれる。
ラストスパートして自分を追い抜いていくランナー、歩いているランナー、歩かないまでも極端にペースが落ちてしまっているランナー。
様々である。
そうか、佐倉の時は、自分こそ極端にペースが落ちてしまっているランナーだったんだなと思う。
佐倉の自分を、どこで抜いたのだろうか。
もうだいぶ後方に追いやったことだろう。
41qを通過。
40〜41qは5:05。
やはり確実に落ちてきているが、もう仕方がない。
いまさらラップを気にしても仕方がない。
サブ3.5は確実だ。
ウィニングランだ、気持ちよくゴールしようと思った。
ラスト1q、やはり佐倉の悪夢を思い出す。
あれから4週間、あの悔しさがあったから今日の自分があるんだ、と思う。
1年前の思い、4週間前の思いを乗せて、競技場へと向かう。
そんな自分を祝福するかのように、雨がやんだ。
川の向こうには競技場が見える。
足は疲れ、呼吸も乱れ始めていたが、気持ちは晴れ晴れしていた。
川を渡り、左折後右折すると、競技場の入り口。
普段は、一刻もはやくゴールして、この苦しみから解放されたいと思うのだが、今日ばかりは終わってしまう寂しさをともなっていた。
ゴールが見える、ゴールだ、サブ3.5だ。
自然とガッツポーズが出た。
公式時計は3時間27分を示していた。
手元の時計で3時間26分22秒。
サブ3.5に3分半ものお釣りがくる、自分でも信じられないタイムだ。
ゴール後は、自分だけでなく、皆晴れ晴れした表情だった。
これがまた嬉しかった。
なにもかもが佐倉と違う。
だが、ゴールすると、さすがに現実的な事も考えさせられる。
足の痛みと寒さだ。
早く座りたい、でも雨でぬかるんでいて、座るところは無い。
早く着替えたい、だが着替える場所は、この会場にはない。
本来であれば、後ろを走っているkorun氏とハル氏のゴールを見届けるべきだった。
後半は呼吸も使った走りとなってしまったので、汗をかいて、この寒さで止まっていられなくなった。
それに、小便が漏れそうだった。
ハーフ手前からずっと我慢してきたのだ。
土産と記録証をもらうと、荷物預かり所へ行き、服が入った袋を受け取る。
一刻も早く上着を羽織りたかったが、走った服が濡れていたので、体を拭くまで着られないなと思う。
雨がやんだので、路上で着替えてもいいが、地面が濡れているので、荷物が置けない。
恐らく駐車場には、10マイルを走り終わった2人がいるだろう。
駐車場へ移動して着替えようと思った。
荷物を受け取ったが、屋根の無いところに置かれていたようで、袋がびしゃびしゃだ。
体に触れないようにして運ぶ。
駐車場まで近くなのだが、疲れているので長く感じる。
途中、店が出ているエリアがあったのだが、雨だし人は少なかった。
トイレに寄って、駐車場の階段を上がる。
車は3階に止めてあった。
3階と書かれたところで階段を出て駐車スペースに向かうが、坂となっていて、下っていくと2階になってしまった。
仕方なく、また階段に戻ってひとつ上の階に行き、車へ向かう。
車のところには、案の定、10マイルを走り終えた2人が待っていた。
korun氏の奥さんが「お、やっぱり」という。
2人は、誰が一番早く戻ってくるか話し合っていたようで、奥さんは自分が最初に戻ってくると思っていたらしい。
しかし、korun氏、ハル氏はどうなったのだろう。
サブ3.5を達成したのだろうか。
待つこと5分、傘を杖にしたkorun氏がハル氏と一緒に戻ってきた。
体はボロボロのようだが、表情は晴れ晴れしていた。
サブ3.5を達成したという。
この天候の中、3人ともサブ3.5を達成したのだ。
こんなに嬉しい事は無い。
korun氏とハル氏は、35qまで自分のすぐ後ろを走っていたが、その後給水を摂らなかった自分に対し、給水所の度に離されていったという。
40qまで、2人はkorun氏が前を走り、ハル氏はずっとその後ろを走っていたという。
だが、余力はハル氏のほうがあり、40qを過ぎてからハル氏が前に出たという。
korun氏の号砲からのタイムは3時間29分57秒。
もちろんプライベートタイムでは余裕を持ってサブ3.5だが、せっかくならグロスタイムでもサブ3.5を達成した方が気持ちがいい。
3人ともグロスで切ったのだから、100点満点といっていいだろう。
しかし、korun氏の疲労度は相当なもので、寒さもあって自分一人で着替えが出来ない状態になっていた。
奥様が手伝って、何とか着替えを完了する。
サブ3.5達成祝いは、自宅付近に帰ってからという事にしている。
ならば、混まないうちにここを出たほうがいい。
しかし、フルマラソンを走った3人は、足にきていて、運転がつらい。
10マイルを走った男性に運転してもらって帰る。
帰りは都心環状線を経由して、16時20分頃多摩センターの極楽湯に着いた。
寒いし、風呂に入りたい。
自分の妻と子供も来ることになった。
疲れているときの温泉は気持ちがいい。
自然とレース中の話になる。
自分は20q以降、他の2人と会話をしていないので、どういうレース展開だったのか聞いて面白かった。
korun氏いわく、25q以降、自分が先行したので、追おうかどうしようか非常に迷ったという。
何度かくっつこうと思ったらしいが、微妙な距離が開いてしまったし、詰まりそうで詰まらないので、一定の距離を保って追いかけたという。
いつか落ちてくるだろうと思っていたらしい。
だが、今日の自分は、途中から自分でも不思議なくらい足が好調だった。
30q以降もペースが大きく落ちる事は無かった。
給水の度に離され、やがて自分が見えなくなると、追う事をあきらめ、サブ3.5を達成する事に専念したという。
確かに、30q過ぎにあまり無理をすると、ブレーキになってしまう可能性がある。
korun氏とハル氏は、サブ3.5を達成すべく、かつブレーキが起きないように走っていたのだろう。
その証拠に、計算されたようなタイムでゴールしている。
自分はそこまで自分に自信が持てなかった。
本当はあまりいい考え方ではないかもしれないが、最後にブレーキになってもサブ3.5を達成できる安全圏に早く逃げ込みたい一心でレースを進めていた。
その結果、30q、35q、40qとずっとキロ5分か、切るペースで進めていた。
サブ3.5を確信したのは40qあたりである。
残り2.1qで14分あったから、さすがにもう大丈夫だろうと思った。
そこから少し安全運転に入った。
2人とのゴールタイムの差は、サブ3.5へのアプローチの違いだったのだと思う。
確実にサブ3.5を達成するため、計画的に走った2人に対し、自分は不安が先行して前へ前へとなってしまった。
結果として自分もブレーキすることなく42qを走り切り、サブ3.5に3分半ものお釣りがくるタイムでゴールできたのだ。
風呂を出て、極楽湯のレストランで祝杯をあげる事にした。
10マイルを走って、ここまで運転してくれた方は残念ながら不参加となってしまったが、フルを走った3人とkorun氏の奥さん、自分の家族3人の計7人でテーブルを囲む。
忘れてはいけないのは、korun氏の奥さんの10マイルのタイム。
1時間36分33秒で、キロラップに直すとちょうど6分。
女性でこのラップを維持して走り続けたのだから立派である。
自分の妻に見習ってほしいなと思う。
話題は今日のレースにとどまらず、次のレースにまで及んだ。
今シーズンはもちろん今日が最後のレースであるが、秋にどのレースにでるかである。
やはりタイムを目指したいkorun氏とハル氏、タイムが出やすい、つくばマラソンに出たいという。
自分としても、昨年走っていい思い出がある大会、ぜひまた3人で走ってみたいと思う。
が、とにかく、今日は今日の御祝いが一番。
3人ともサブ3.5を達成し、今日という日が一生の思い出となった。
さて、タイムからレースを振り返ってみる。
一言で言うと、安定したラップを、ほぼゴールまで刻めたと言っていいだろう。
| ラップ | キロラップ | 備考 |
0km〜5q | 25:28 | 5:06 | |
5km〜10q | 24:00 | 4:48 | |
10km〜15q | 24:04 | 4:49 | |
15km〜20q | 24:16 | 4:51 | |
20km〜25q | 23:47 | 4:45 | |
25km〜30q | 24:16 | 4:51 | |
30km〜35q | 24:44 | 4:57 | |
35km〜40q | 24:43 | 4:57 | |
40q〜ゴール | 11:02 | 5:02 | |
---|
5q毎のラップをキロラップに直した時、5分を上回っているのは、最初の5qと40〜42.2qまでのみ。
あとは綺麗に5分を下回っている。
最初の5qは、当然スタートの混雑が影響している。
5qのスプリットは25分28秒だが、最初の1qで5分31秒掛かっており、それがなければ、5分ペースだったと言える。
最後の2qは、疲れもあったが、安全運転に入った影響だ。
サブ3.5が確実となり、気持ちよく疾走していたからだ。
今思えば、もう少し頑張っていればグロスで3時間26分台だったと思うが、そんなことを言い出したらきりがない。
何もかもが佐倉とは違った。
ハーフ通過は佐倉より4分も遅かった。
そんな佐倉の自分を抜かしたのは39qの手前だった。
そこからわずか3qで4分近い差がついてしまうのだから、改めてマラソンの怖さを知った。
何といってもイーブンペースで走ることの大事さを、身をもって体験した。
だが、最初から順調だったわけではなかった。
佐倉の疲れもあっただろうが、最初の10qは不安でいっぱいだった。
足が重く、楽をした走りではなかった。
10qを走り終わった時の足の疲労度は佐倉を上回っており、それでいて佐倉よりタイムが悪かったので、今日は駄目かもと思った。
だが、マラソンとは分からないものだ。
足が軽かった佐倉は、20q手前で一気に足が重くなったが、今回は一気に重くなるという地点が無かった。
徐々には重くはなっていったが、これ、というポイントが無かった。
だからこそブレーキなく走り続けられたのだと思う。
korun氏が「小出監督が、重目に足を作っておくといい結果が出る事があるって言っていたな」と言った。
まさに今日の自分がそうだったのかもしれない。
調子が出なかった10qまでをkorun氏とハル氏が引っ張ってくれたのは、なによりありがたかった。
自分一人だったら、足の重さに不安を覚え、ペースを落としていただろう。
1q毎のラップもみてみる。
| ラップ | スプリット | 備考 |
0〜1km | 5:31 | 5:31 | |
1〜2km | 5:01 | 10:32 | |
2〜3km | 5:02 | 15:34 | |
3〜4km | 4:58 | 20:32 | |
4〜5km | 4:56 | 25:28 | |
5〜6km | 4:46 | 30:14 | |
6〜7km | 4:44 | 34:58 | |
7〜8km | 4:52 | 39:50 | |
8〜9km | 4:49 | 44:39 | |
9〜10km | 4:49 | 49:28 | |
10〜11km | 4:37 | 54:05 | |
11〜12km | 5:00 | 59:05 | |
12〜13km | 4:56 | 1:04:01 | |
13〜14km | 4:50 | 1:08:51 | |
14〜15km | 4:41 | 1:13:32 | |
15〜16km | 5:04 | 1:18:36 | |
16〜17km | 4:33 | 1:23:09 | |
17〜18km | 4:59 | 1:28:08 | |
18〜19km | 4:36 | 1:32:44 | |
19〜20km | 5:04 | 1:37:48 | |
20〜21km | 4:50 | 1:42:38 | |
21〜22km | 4:30 | 1:47:08 | |
22〜23km | 4:50 | 1:51:58 | |
23〜24km | 4:47 | 1:56:45 | |
24〜25km | 4:50 | 2:01:35 | |
25〜26km | 4:50 | 2:06:25 | |
26〜27km | 4:48 | 2:11:13 | |
27〜28km | 4:49 | 2:16:02 | |
28〜29km | 4:55 | 2:20:57 | |
29〜30km | 4:54 | 2:25:51 | |
30〜31km | 4:56 | 2:30:47 | |
31〜32km | 4:59 | 2:35:46 | |
32〜33km | 5:04 | 2:40:50 | |
33〜34km | 4:57 | 2:45:47 | |
34〜35km | 4:48 | 2:50:35 | |
35〜36km | 4:58 | 2:55:33 | |
36〜37km | 4:42 | 3:00:15 | |
37〜38km | 5:03 | 3:05:18 | |
38〜39km | 4:58 | 3:10:16 | |
39〜40km | 5:02 | 3:15:18 | |
40〜41km | 5:05 | 3:20:23 | |
41〜42km | 4:58 | 3:25:21 | |
42km〜ゴール | 0:59 | 3:26:20 | |
---|
15〜22qのラップが一定していない。
だが、これは、ある程度アップダウンの影響である。
15qのラップがいいのは下りの影響、16qのラップが悪いのは上りの影響である。
昨シーズンは上り下りに左右されず、上りに強い走りをしていたが、最近は上りに弱く、上り下りでラップが異なる走りになっている。
この日も、15qで友人2人に先行したが、16qで抜きかえられている。
20qの手前には、昨年苦労したくぼ地がある。
今年もやはりラップが落ちてしまって、5分オーバーとなってしまっている。
だが、去年は足にきてラップが落ちたのに対し、今年は足を温存してラップが落ちたのだ。
22q手前の下りでは、4:30とラップを上げた。
ここで再び2人から先行する形となったらしい。
このあたり、自分が先頭を走る時間が増えていたが、自分のようにアップダウンで大きくラップが異なる走るだと、後ろの2人は、さぞ走りづらかっただろうと思う。
申し訳ない気持ちであるが、今の自分の走りなので、致し方ない。
22qからしばらくは安定したラップを刻んでいたが、29〜33qに掛けてラップが落ちていっているのが分かる。
後半だし、これはある程度仕方がない。
だが、34qから持ち直している。
これは我ながらびっくりした。
ここでずるずるいかなかったのは大きかった。
更にそのあと、37qで足を使った走りをしてしまい、その影響か、その後のラップが落ちたのは残念だが、最後だから仕方がない。
37qでもイーブンペースを保っていれば、その後のラップの落ち込みが抑えられ、ゴールタイムがもう少し良かったかもしれないが、それは結果論。
やはりレースの中で、多少なりとも気持ちよく走る時間を作りたい。
ちょっと早すぎたが、今後の反省材料としよう。
残り2.195qで5分/qを切れなかったのは、ちょっと残念。
37qで足を使ってしまって、安全運転になってしまったので仕方がない。
それでも大きく落ち込んだわけではなく、悲観するラップではない。
雨という気象条件についても。
まずは服装。
自分は何も考えていないので、半袖1枚、カッパなしで走ろうと思っていた。
korun氏とハル氏に「それは無謀だ」と言われ、カッパを着て走ることにした。
一人で参加していたら、半袖で走って低体温症でリタイヤしていただろう。
両氏に感謝である。
雨は、やはり走りづらいと言われている。
だが、自分として、これはラッキーかもしれないと思っていた。
というのも、自分の摺足走法に適しているかもしれないからだ。
膝を痛めてから、着地の衝撃を和らげるために、踵から地面を摺るように着地している。
だが、路面が渇いていると、この摺る動作が抵抗となってしまい、スピードを落とすばかりか、負荷が増すことになる。
ところが、路面が濡れていると、踵が滑るため、スムーズに着地できるのだ。
これは、昨年ビルドアップトレーニングした時に感じた。
雨上がりの濡れた路面で走ったのだが、妙にタイムが良かったのだ。
今回、もし路面が渇いていたら、タイムが悪かったかもしれない。
だが、こればかりは何とも言えない。
もちろん、本来であれば、乾いた路面でも抵抗なく走れるようなフォームが必要とは思うが。
今後の検討課題であるが、フォームはなかなか難しい問題である。
好タイムの要因の一つが気温であることは言うまでもない。
4月下旬開催という事で、暑さを心配していた。
そのためにノースリーブのシャツも用意したのだが、寒さを心配する気温になった。
今まで気温の高いレースというのはあまり経験が無い。
あえて言うと2011年の手賀沼エコマラソンであるが、あの時はハーフで1時間45分切りがやっとだった。
もちろん今とは実力が違うが、暑さの影響もあったと思われる。
気温が高ければ、このタイムは絶対に出せなかっただろう。
という訳で、とにかく気候に感謝である。
スタート順についての検証。
今回は目標タイム3時間15分と、思いっきり背伸びをしたタイムで申し込んだ。
個人的には、やりすぎと思っていたが、走った感じ、思ったほどではなかった。
最初は混雑したので、我々の走りが他の走者の邪魔をしたという事は無かった。
それに、びっくりした事に、最終順位から決して前過ぎるスタートでは無かったという事。
スタートロスは49秒だったが、49秒ロスでスタートした人のスタート順は1270〜1290位。
自分のゴール順位は1249位だから、21〜41人抜いているのである。
やはり、申込タイムは目標に過ぎないのだ。
3時間前半になっても、目標と実際のタイム差に10分以上の差があるというのは、いかなるものだろうか。
自分一人なら、3時間15分という目標タイムは書かないが、結果としてkorun氏の言うとおりのタイムを書いて正解だった。
今後の目標について。
サブ3.5を達成したら、もうタイムを目指して走るのはやめようと思っていた。
タイムを目指して走るには、それなりにリスクが伴うものである。
最も怖いのは故障である。
特に膝の痛みは、将来の障害となる可能性もある。
だが、だからといって、タイムを目指さないというのもどうかと思う。
今回3人でタイムを目指して走って、3人とも目標に達成するという快挙を成し遂げ、この感動は何にも代え難いものだ。
またつくばで一緒に走ろうと思っている。
タイムを無視して走るという選択肢は無いだろう。
どの程度のタイムを目指すかは難しいところだが。
korun氏は、出来れば3時間15分を目指したいと言っている。
だが、3時間半から先は、なかなかタイムが縮まらないと聞いている。
自分としても、練習ではなく、体重減でタイムを縮めてきた。
これ以上の体重減は、物理的に不可能である。
そうなると、トレーニングの強化が必要となるが、それこそ膝の故障のリスクを抱えながらとなってしまう。
とりあえず、夏を今の体重と走力を維持したまま超えたいと思う。
レースはしばらくないが、できれば8月24日の立山登山マラニックに出てみたい。
距離は65qだが、標高差3,002mという過酷なレースだ。
ただ、マラソンとはまた違った楽しみがあると思う。
抽選で、倍率2倍程度らしいが、何とか当選して欲しいと思う。
恐らく来シーズンは、つくばとかすみがうらは走ると思う。
もっとも、つくばは先着順で、厳しい申し込み合戦が待っているが、何としてでも出たい大会である。
問題はそれ以外に、どのレースに出るかだ。
迷うのは、つくばの前。
11月3日に湘南国際マラソンがあるが、これに出ると、つくばまで3週間しかない。
今まで4週間というのは何度かあるが、3週間は無い。
たかが一週間かもしれないが、この1週間が大きいのだ。
ハル氏は昨年、湘南国際を走った後、3週間後の富士山マラソンで大ブレーキを起こしている。
湘南国際の1週間前の大阪マラソンを申し込んだが、こちらは抽選だし、大阪に1泊しなければならないというのが難点だ。
できれば、かすみがうらの1か月前にも1レース入れたい。
候補となるのは、昨年走った板橋cityマラソンと、今年走った佐倉マラソンである。
日程がまだ明らかになっていないので、かすみがうらから4週間空く事が前提となる。
昨年は佐倉とかすみがうらが3週間しかあかなかった。
できれば、佐倉のリベンジもしてみたいが、かすみがうらと3週間しか開かないようなら厳しいだろう。
板橋cityマラソンは河川敷を走るため、景色が変わり映えしない。
ただ、基本平坦なコースで、タイムが出にくい事は無い。
12〜2月は、大きな一般市民マラソン大会が少ない。
そのなかで、最も参加が容易なのが、1月の勝田マラソンである。
昨年からキロ表示が1qごととなった事から、参加を検討してもいいと思う。
ただ、かすみがうらやつくばに比べて諸問題があるのも事実だ。
給水所は水分だけで、給食は無いらしい。
それに、レース中でも、右折車を通過させるために、最大1分程度待たされることがあるという。
開催地は水戸の先であり、かすみがうらやつくばに比べて、東京から遠いというのも難点だ。
忘れてはいけない、2月には東京マラソンがある。
過去2度申し込んでいるが、残念ながら外れ。
恐らく倍率は10倍近くになるだろうから、来シーズンも厳しいと思われる。
そして、今回かすみがうらで、サブ3.5を達成した事による成果として、2月の別府大分毎日マラソンの出場資格が得られた。
公認記録でないと駄目だと思っていたのだが、陸連登録していなくても、公認コースでのグロスタイムで3時間半を切っていれば大丈夫らしい。
もし出場するなら、来シーズンはチャンスかもしれない。
年齢的に、これから継続的にサブ3.5で走れる保証は無い。
出場資格のサブ3.5の有効期間は2年で、今回の記録が生きるのは来シーズンとその次の2回である。
来シーズンであれば、敦賀から大分の移動であるので、東京から行くより移動距離が短くて済む。
それに、出場資格を得られたからといって、完走できるかというと別問題。
10q49分、15q1時間13分という厳しい関門が待ち受けている。
若くて元気なうちにチャレンジしないと、関門でアウトという可能性が高い。
ちなみに、10q49分、15q1時間13分は、かすみがうらではクリアできていない。
ただし、前半突っ込んで入った佐倉では、この関門タイムをクリアしている。
前半に厳しい関門が待っているので、イーブンペースで3時間半を目指すという走りができないのだ。
まあ、出場資格が3時間半なのであって、3時間半を目指すランナーを対象としていないのだろう。
少なくとも3時間20分を目標にしているランナーが出ると思われるので、そういった関門設定なっているのだと思われる。
ただ、変な話、失敗レースである佐倉の走りをすれば、関門は通過できるのである。
完走できない事は無いなと思う。
家族を呼んで湯布院に泊って、なんて夢を描いたりする。
だが、korun氏とハル氏を誘うほど気軽な大会ではないのは事実だ。
さて、最大の目的である生活習慣病の改善。
5月1日の健診結果、長年悩まされていた高血圧と空腹時血糖が解消したことが分かった。
血圧については、普段の測定から低い値が続いており、マラソントレーニングで下がったことは間違いないだろう。
空腹時血糖の低下については、食事制限が大きいと考えられる。
その代わりと言っては何だが、肝臓に異常がみられる事があきらかになった。
もしかしたら、極端な食生活の変更が影響している可能性がある。
注意深く見守っていきたいと思う。
これから、気温の高い日を迎える。
決して無理して走らないようにしようと思う。
必然的に走行距離は短くなっていくと思う。
その間に、膝の痛みを完全になくしてしまえればなと思う。
また、長い距離を走るときは、ペースを落としてゆっくり走ろうと思う。
生活習慣病の改善には、ゆっくり走る事が大事なようなので。
食生活には、引き続き気を配っていきたいと思う。
せっかく体重が軽くなったのだから、これを維持していかなければならないなと思う。
|