2013/3/25 佐倉朝日健康マラソン(フル) inserted by FC2 system



佐倉朝日健康マラソン
 2012〜2013マラソンシーズンの4度目のフルマラソン。 今シーズンは、5つのフルマラソンの大会にエントリーした。 といっても、タイムを目指して走るのは、そのうち3回だ。 シーズン最初の11/3の湘南国際マラソンは会社の先輩と一緒に出場し、途中歩いたりして5時間半掛けた。 自分としては11/25のつくばマラソンに向けた練習だった。 その成果はつくばマラソンに現れ、自己ベストを更新する3時間37分56秒でゴールした。 3回目の大会は、能登和倉マラソン。 こちらも、敦賀の職場の仲間と一緒に走った。 やはり5時間半くらいを目指していたが、寒冷前線の通過に伴う雨と急激な気温の低下、更には風にも悩まされ、仲間は35qでリタイヤしてしまった。 自分としては佐倉マラソンのためのLSD練習のつもりだったが、予想よりも歩く距離が長く、仲間がリタイヤした後のラスト5qは全力で走ったりしたので、あまりいい練習にはならなかった。 能登和倉マラソンから佐倉マラソンまで2週間。 ちょうどいい間隔ではある。 ちなみに、今シーズン最後のマラソンは、4/21のかすみがうらマラソンである。
 
 つくばマラソンは、転勤の都合等で、ほとんど練習できずに挑んだ。 それでも自己ベストを更新できたのは、体重を減らしたからだ。 それまでの自己ベストである、2012年かすみがうらマラソンの時の体重が63kg。 つくばの時が57kgで、6kg軽かったせいもあり、タイムは大幅に短縮できた。 今回も、仕事の都合、あまり練習はできないが、体重だけは落として望もうと思った。 諸説あるが、体重が1kg軽くなると、タイムが3分縮まるという。 57kgで3時間37分56秒だから、54kgまで落とせば理論的にはサブ3.5が可能だ。 もちろん、つくばマラソンは平坦な高速コース。 気候や条件はもちろん、練習状況や体の具合だって異なるわけで、そう理論通りにはいかないとは思う。 友人と一緒に走るかすみがうらマラソンは、サブ3.5を目指すペースで走ろうという事になっているが、佐倉は特に目標が無い。 つくばのタイムを上回って、できればサブ3.5に近いタイムでは走りたいなと思っていた。
 
 3週間前、鴻巣ハーフに出場した。 正直、あまりいい体調ではなかったが、それでも1時間32分58秒と、自己ベストを大幅に更新した。 公認コースではなく、どうやら距離が少し短かったようだが、それでも吹きさらしの強風の中だったので、いいタイムである事は間違いない。 体重は54kgと、目標どおりで、やはり体重減がタイム更新につながったようだ。 これは、もしかしたら、佐倉でサブ3.5は達成できるのでは、そう思うようになった。 もしその後、きちんとトレーニングが詰めていたら、本気でサブ3.5を目指しただろう。 だが、ここから思いもよらぬ事態となる。 鴻巣では、初めてウェーブイダテンGRスリムを履いた。 今までのウェーブライダーがフルマラソン4時間の人向けなのに対し、イダテンGRスリムは3.5時間を目指す人の靴だ。 当然軽量化されていて、その分ソールが薄い。 幅狭の自分の足にフィットして、感覚は最高だった。 ただ、試しに紐をきつく締めたところ、足の甲の骨が痛くなってしまった。 最初に痛かったのは、足首のあたりだ。 だが、その日のうちに痛みは弱くなり、翌日には、ほぼ痛みが消えた。 ウェーブライダーを履いて臨んだ一週間後の能登和倉でも、比較的紐を強めに締めたが、特に痛みは無かった。 ところがである。 能登を走った4日後の3/14、突然左足の甲が痛み始めた。 痛みの感じは、鴻巣の翌日のものと同じだった。 だが、箇所が違った。 鴻巣の翌日は足首のあたりが痛かったが、今回の痛みは、指の付け根のほうだった。 それに困ったことに、かなり痛みが強く、走ると痛みが増した。 これは、まずいと思って、しばらく走るのをやめた。 だが、2日、3日、4日と経っても、痛みは引かなかった。 もしかしたら、本番まで痛みが引かないのでは思い始めた。 それでもやはり走りたかった。 フルマラソンの大会は、年回そう何回もあるわけではなく、ましてや真剣にタイムを目指して走る機会は、せいぜい年3回である。 我慢しきれなくなって、痛みを伴ったまま走ってみる。 といっても通勤の3qであるが。 走れば走るほど痛みが増すかというと、そうでもなかった。 最初の5分は痛みが増すが、その後は高止まりといった感じだ。 我慢できないほどの痛みではない。 ただし、あくまで3qまでの話。 10q、20q、ましてや42q走った場合、その痛みがどうなるかは、全く未知数だ。
 
 足の痛みもだが、痛みの都合で、ここ2週間、ろくに走れないのも困ったものだ。 もう練習スケジュールなど、あったものではない。 まあ、仕方がない。 もともと、そう綿密に練習スケジュールを立てるタイプではない。 立てたところで、雨の多い敦賀では、計画通りに行かない可能性が高いのだ。
 
 週間天気が出た。 何と雨だという。 その前後は晴れなのに、その日だけ雨だという。 足も痛いし、これはもしかしたらキャンセルかなと思ったりもした。
 
 いつもは週末だけ東京に帰っているのだが、佐倉の週末については、平日の木曜日・金曜日を休みとし、祝日の水曜日に帰った。 したがって、レース前の疲労という点では有利だった。 だが、直前の金曜日と土曜日、泊まりがけでユネッサンに行くことにした。 これが曲者である。 まず、その2日間、時間の都合上、走れないという事。 そして、更に問題なのは食事。 夕食も朝食もバイキングである。 普段、我慢して量を減らしているのだが、目の前のおいしい料理を、はたしてスルーできるだろうか。 もし、足の痛みが無く、本気でサブ3.5を目指していたなら、食事も控えたに違いない。 だが、足が痛いし、どうせサブ3.5は無理、もしかしたらリタイヤと思っていたので、ここぞとばかりに大量に食べてしまった。 量だけでなく、甘いものも食べてしまった。 本番直前は炭水化物がいいというのに、たんぱく質やデザートもたくさん食べてしまった。 特に、最後に食べたパウンドケーキは、今考えれば最も悔やまれる。 なんであんなものを食べてしまったのだろうか。 家に帰って体重を計ると、58.7kg。 足の痛みといい、ここ10日間の練習といい、体重といい、もうタイムを目指す環境ではなくなった。 ちなみに、足の痛かったこの10日間で、走ったのは家から会社までの2.6qを1回だけ。 いくら本番前の練習は、あまりタイムに影響しないとはいえ、あまりにも走らなさすぎだ。 練習メニューなど、全く考慮されていない。 まあいい。 最終的に目指すのは、4月のかすみがうらマラソンだ。 そのマラソンで、サブ3.5を目指す友人に、なるべく長い距離付いていく事が目標だ。 恐らく、5分/qを切るペースでレースを進めるだろう。 その練習のためにも、今回の佐倉は、その5分/q切りのペースで入ってみようと思った。 ばてるだろうか、タイムが望めないと思うので、別にどうでもよかった。 そもそも、足が痛くてリタイヤかもしれない。
 
 スタートは9:30。 受付を8:30までに済まさなければならない。 最寄りの京成佐倉駅から会場の岩名陸上競技場まで2qほどだ。 歩いてもいいが、やはり足の体力温存のため、シャトルバスがいいなと思った。 バスも混むだろうが、湘南国際でもつくばでも、思ったより待たされなかった。 京成佐倉には、8時前に着く電車がいいなと思った。 京成上野6:46発、京成佐倉着7:40という特急があり、これに乗る事にする。 そのためには、京王堀之内を始発の5:21に乗らなければならなかった。 昨年の天平マラソンや、かすみがうらマラソンと同じである。 まあ、慣れた電車である。 新宿での乗り換えも、その時の経験が活かせる。 京王線の始発電車は結構こんでおり、少しでもすいている最後尾車両に乗る。 ただし、新宿での乗り換え時間が2〜3分しかないので、階段前で降りたい。 調布で乗り換えた急行は、4号車と5号車の通り抜けが出来ないので、笹塚で4号車まで移動し、停車中にいったんホームへ降りて5号車へ移動する。 そして新宿駅に着く前に、階段前の7号車・前から2つ目のドア口に移動した。 新宿から上野駅に行くのに、天平マラソンの時は神田経由、かすみがうらマラソンの時は池袋経由とした。 どちらでも上野に着く時間は同じであり、乗り換えの少ない池袋経由の方がいいなと思ってホームに上がる。 だが、ものすごい客の数で、こりゃ座れないなと思う。 あきらめて東京行きの電車のホームへ行く。 こちらの電車も混んでいたが、幸い空席があり、神田まで座る。 山手線はすいており、座って上野まで移動できた。 さて、問題の京成。 上野からなら座れるだろう。 だが、座る位置が重要だ。 京成佐倉駅は、階段が一箇所しかないので、階段近くに乗りたい。 恐らく階段前と思われる4号車の一番前のドア付近の席をキープした。 ホームの客は、ほとんど佐倉のランナー。 上野では満席にならなかったが、日暮里から大量に乗ってきて、既に立ち客がたくさんいる状況。 もちろん、ほとんどが佐倉のランナーだ。 ランナーは、なぜジャージを着て移動するのだろうか。 自分は服は普段着だ。 どうせ着替えるのだから、別にジャージでなくてもいいと思うのだが。 客は駅ごとに増えていき、船橋からは通勤電車状態となった。 京成津田沼から更に乗り、立ち客に押される状態。 足の置き場が無く、膝も押されて痛くなってきた。 だが、立っている人よりはましだ。 京成佐倉には3分遅れで到着。 階段より少し後ろだったが、比較的早く改札を出られた。 シャトルバスの行列の最後尾を目指すが、ものすごい行列の長さ。 湘南国際の時はバスが次々来て、どんどん乗せていったが、見ると乗りこみに時間が掛かっているように思う。 こりゃ30分くらいかかるなと思う。 歩こうか迷ったが、荷物も重いし、荷物を持って歩くより荷物を置いて待っていたほうが足への負担が少ないと思って、列に並ぶ。 列の進みは悪く、25分たって、ようやくバス乗り場まで来た。 乗ろうかと思ったが、ちょうど自分の目の前で「次のバスにして下さい」と言われた。 まあ、仕方が無い。 だが、次のバスが来ない。 ここで更に5分待たされた。 ただ、先頭だったおかげで、座れる。 バスはスタート直後のコースを逆送する。 路肩には、キロ表示が立てられている。 昔ながらのバス停のような丸い看板に数字が描いてあるので、これなら見逃さないなと思った。 軽いアップダウンとなっている。 まあ、最初の5qはこんな感じだろうと思っていたし、足が元気なうちなら問題ないかなと思った。 バスは、ラグビー場に着く。 ここで受付を済ませる。 高校生が担当していて、元気に「頑張ってください」と言ってくれる。 こちらも「ありがとうございます。お疲れ様です。」と返す。 その手前に、長い行列がある。 何かと思ったら、Tシャツ引換の行列だという。 だが、並んでいるのはMサイズだけらしい。 自分はSサイズなので、ほとんど並ばなかった。 だが、トイレは早速凄い行列。 まあ、野球場にもトイレはあるというので、更衣室がある野球場へ向かう。 野球場の隣が陸上競技場で、そこがスタートゴールだ。 そこへ向かう道こそ、スタート直後の下り坂と、ゴール直前の上り坂。 ちょうど上り坂の始まりのあたりに、残り500mの看板がある。 その時は、数時間後に、この坂を登るんだな、くらいにしか思っていなかった。 まさか、ここで悪夢を見る事になろうとは、想像もしなかった。 更衣室は、野球場のグラウンドの中のテントだった。 数が多く、空いているので、後でいいやと思って、先にトイレに行く。 これが正解、その時トイレは比較的すいていて、5分待ちだった。 スタート直後は凄い列になっていたので、このタイミングで行けて良かった。 大小共用個室に入ったので、もしかしたら大も出るかと踏ん張ったが、どうも出ないようだ。 まあ、今朝も出たし、小だけでもいいかなと思った。
 
 会場では、小出監督のトークが続いている。 自己ベストを出すには、20qまでをゆっくり走って、25〜30qを最もいいタイムで走るようにすればいいと言っている。 ごもっともな事だが、今日は無視して、スタートから突っ込んで入るつもりだ。 足も痛いし、当たって砕けろの気持ちだ。 監督は、気候についても言及している。 今日は比較的涼しく、自己ベストを出すには、いい気温といえるが、風が強いのは難点だという。 心配された雨だが、今のところ降っていないし、今後降っても小雨だという。 そうなると、やはり気になるのは風だ。 北東の風なので、7〜15q、19〜23q、38〜41qが向かい風となる。 ラスト3qが向かい風というのが気になる。
 
 トイレを済ませてから着替え。 テント内にはテーブルや椅子が置いてあり、非常に贅沢だ。 今までこんな立派な更衣室を見た事が無い。 シャツは半袖と長袖両方持ってきた。 思ったより寒かったので、長袖にしようかなとも思ったが、やはり半袖にした。 着替えていて、乳首を養生するテープを忘れた事に気が付いた。 しまったなと思ったが、バンドエイドすら無い。 我慢するしかないなと思った。 靴は、もちろんウェーブイダテンGRスリム。 履くとやはり、左足甲が痛い。 さすがに鴻巣の時よりは緩めに紐を締めたが、それでも過去の大会よりはきつめに締めた。 荷物は200円で預かってくれるというが、凄い行列。 どうせ貴重品は無いので、スタンドにでもおいておこうと思った。 しかし、雨が降るかもしれないので、できれば屋根があるところがいい。 野球場のスタンドに屋根は無いが、陸上競技場には一部屋根があるので、陸上競技場に移動する。 だが、さすがに屋根下の席はいっぱい。 仕方なく、椅子の下に荷物を入れる。 降っても小雨だという。
 
 スタートまであと20分。 出来れば念のため、もう一回トイレに行きたい。 だが、どこももの凄い行列。 あきらめてスタート地点へ向かう。 寒いから、したくなっても不思議ではない。 しかし、思ったより尿意がない。 ふと考えたら、朝から水分摂取が少なかった。 朝食時は水分を摂っていないし、さっき水を150ccくらい飲んだだけだ。 これはまずい、コース中で積極的に給水しようと思った。
 
 スタートブロックは事前に指定されていない。 「〜3:00」とか「3:00〜3:30」とか書かれた看板が立っており、そのブロックに自己申告で入る。 本来なら、自分は「3:30〜4:00」に入るべきかもしれない。 だが、3:30と4:00では、えらい違いである。 サブフォーを目指す人と一緒では、スタートロスが大きいと思った。 今回は最初から飛ばしていくつもりなので、「3:00〜3:30」のブロックに入る。
 
 フルマラソンに出場するのは6,000人程度であるし、比較的前の方なので、過去最も少ないタイムロスとなりそうだ。 グロスタイムとネットタイムの差は気にしないが、スタート直後の混雑は無いに越したことがない。 9時半に号砲がなる。

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 すぐに集団が移動し始め、50秒ほどでスタートラインを超える。 小出監督が手を振って見送ってくれた。 スタート直後は下り。 だが、走路混雑で思うように走れない。 ここで下り坂を使ってしまうのは、位置エネルギー的に非常にもったいない。 まあ、ウォーミングアップだと思って、力を抜いて走る。 最初の1qは5:31。 まあ、そんなもんだろう。 下り坂だから、本当はもう少しいいタイムで走りたいが、流れに乗って走るしかないので仕方がない。 1qを過ぎるとランナーがばらけてきて道も広いので、早くも自分のペースで走れるようになる。 5qまでは自重しようかとも思ったが、自由に走れる機会は貴重なので、前に行く。 1〜2qは、若干の上りがあるにも関わらず、4:48と、早くも5分を切るラップ。 その先は下っており、2〜3qは4:41と、フルマラソンにおける自己最高ラップを刻む。 もうあとには引けない。 いいラップではあるが、比較的目標タイムが早い人に混ざってスタートしたので、自分に近いペースのランナーが多い。 ゼッケンナンバー2856を付けた黄色いシャツのランナーに目が行った。 とてもフルマラソンを走るとは思えない、飛び跳ねるフォームだ。 そのフォームが特徴的だった事もあり、そのランナーについて走る。 3〜4qも4:39と、更にラップを上げる。 これは、一昔前のハーフマラソンのラップである。 4〜5qは若干の上り坂。 去年までは上り坂に強い自分だったが、最近摺足走法に変えてから、むしろ下りの方が得意になっている。 上りが終わるとすぐに下り。 上り坂の頂点までは2856のランナーに付いていたが、下り坂で我慢しきれなくなり、そのランナーの前に出る。 そのランナーとの合間を見ていたせいか、5kmの看板に気付かなかった。 できれば入りの5qのスプリットを把握しておきたかったが、仕方がない。 だが、4qまでのラップからいって、25分を切っている事は確実だった。
 
 5.5kpが最初の給水ポイント。 スタートまでの給水量が不足してい事から、確実に取って、多めに飲む必要があると考えた。 早めに左側によって、スピードを落としてポカリスエットのコップを取る。 走りながら飲むのは、相変わらず苦手。 コップをつぶして口を細くて飲むが、やはりこぼれるし、うまく胃に入らないで、むせる。 仕方なく、速度を落とす。 4〜6qの2q分のラップタイムは9:52。 それまでの数キロに比べたら少し落ちているが、給水があったからやむを得ない。 恐らく、5〜6qのラップが5分をオーバーしていたものと思われる。 市街地を大分離れて、田んぼの中の道を行く。 右手に京成の線路を見ながら走る。 建物がなく、風をモロに受ける。 出来れば、風よけになる人を見つけないなと思う。 比較的前のほうからスタートしたので、まわりのペースも遅くはない。 だが、どうしても抜かしたいという気持ちが出てしまってペースが上がる。 6〜7qのラップは4:24と、フルマラソンとは思えないほどのタイム。 今日は北東の風が少し強めに吹いており、それに助けられたというのもあるが、それにしてもさすがにこれはまずいなと思って、少しペースを落とす。 風といえば、3か月前の鴻巣ハーフを思い出す。 あの時の風に比べれば、今日の風はかわいいものだ。 ナンバーカード1339のランナーが右から抜かしていった。 付こうかと思ったが、少しペースが速かったので、その時は自重する。 7〜8qのラップは4:50。 悪くはないが、そのまえの1qから比べたら、ずいぶんと落ちている。 もちろん、追い風区間から向かい風区間に入ったというのもあるが、ちょっと落差が大きすぎる。 オーバーベースはまずいが、あまり楽しすぎるのもどうかと思い、再びペースを上げる。 中平橋を越えたあたりから向かい風が厳しく感じられる。 出来れば似たペースのランナーを見つけて、後ろに付いて走るのが望ましい。 前をみると、先ほど自分を抜かしていった1339のランナーが見える。 その1339のランナーは、3718のランナーに付いて走っている。 その2人に付いて走れば楽だろうなと考え、少しずつ距離を縮めていく。

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 前2人との距離を詰めた影響か、8〜9qのラップは4:31と、向かい風とは思えない素晴らしいラップ。 もちろん、自分の実力からすれば速すぎるのは分かっているが、今日はもともと駄目元で走り始めている。 足が痛くなった段階でリタイヤである。 行ける所まで行ってみようと思った。 そう言えば、足の痛みは大丈夫である。 走り始めてすぐに、痛めている場所を少し離れた場所の甲が痛くなったが、その痛みも引いた。 悩まされてきた指の付け根の痛みは、大丈夫である。 果たしてどこまで持つだろうか。
 
 9〜10qのラップも4:33と、前の1qとほとんど同じ。 10qのスプリットタイムが47:49だから、これはかなり速いタイムといえる。 仮にずっとイーブンペースで走った場合、ゴールタイム3時間半とすると10qは50分弱である。 それから比べて、2分も貯金があるという事である。 今日はもちろん、タイム目標を定めてスタートしてはいない。 だが、この調子なら、もしかしたらサブ3.5を達成できるのではないか。 この時、初めてサブ3.5を意識した。 付いている2人は、非常にいいペース、かつ安定した走りをしてくれている。 10〜11qも4:30と、実に正確にラップを刻んでいる。 11〜12qに給水がある。 スタート前から水分不足の恐れがあったので、ここでもポカリスエットを飲む。 給水があったのに、11〜12qは4:27とラップは落ちない。 だが、この給水で3718のランナーが遅れた。 1339のランナーは、3718のランナーをかわして前に行く。 ここで迷いが生じた。 このまま速い1339のランナーに付くべきか、それとも3718のランナーに付くべきか。 1339のランナーは、恐らく今後も4分半/qのラップを刻むだろう。 もちろん自分にとってはオーバーペース。 いまのうちに少しペースを抑えたほうがいいのではないか、との思いがよぎる。 だが、つくばの時もそうだったのだが、気分よく走っているときに自らペースを落とすのは勇気がいる。 このあたり、まだ大人の走りが出来ない自分であった。 3718のランナーをかわして、その後も1339のランナーに付く。 12〜13qのラップも4:29と、高レベル安定。 果たしてどこまでこのランナーに付いていけばいいのだろうか。 15q付近には、草ぶえの丘の上りがある。 昔自分は上りが得意だったが、最近摺足走法にした事もあり、上りが苦手だ、 そうだ、その坂の手前までついていこう、その坂で離される分には仕方がない、そう思った。 だが、異変はその前にやってきた。 それまで時計のように正確なラップを刻んでいた1339のランナーのペースが落ちてきたのだ。 走っていてもそれは分かった。 13〜14qのラップを見ると4:51。 それまでより20秒も落としている。 これは、一気にペースが下がってしまったと言える。 自分として、少しペースを落とすのは望むところだが、これはあまりにも急激なペースダウンだ。 もしかしたら、1339のランナーがブレーキなのかもしれない。 急に不安になって、そのランナーをかわして前に行く。 それまで、この2人のランナーのお陰で、非常にいい安定したラップを刻む事が出来た。 だが、それもここまでだ。 14〜15qのラップは4:35。 1339のランナーをかわしてペースを戻したことが、タイムでも証明された。 本当は4:45くらいがいいペースかと思うが、まあこれくらいの誤差はいいだろう。
 
 15qから、いよいよ草ぶえの丘の上りが始まる。 まだ前半、ここで足を使う訳にはいかない。 意図的にペースを落とす。 それまで、どちらかというと回り全体より少し速いペースで走っていたが、この坂ではむしろ抜かされる立場だ。 いいんだ、それでいい、まだ心に余裕が持てた。 15〜16qのラップは5:03。 久々の5分オーバーだが、上りがあった事を考えると、悪いペースではないし、疲れて遅れたのとは違う。 坂を登りきると、しばらくは丘の上の平坦な部分を走る。 16q過ぎに給水所がある。 できればここでも水を補給しておきたい。 だが、比較的道が狭く、他のランナーとの兼ね合いで、うまく左端に寄れなかった。 テーブルの下流側でなら、左に寄れそうだ。 そう思ったら給水所が終わっていたという事も多いのだが、ここはテーブルが比較的長いようだ。 下流側のテーブルの先に筒が見えたので、よし左に寄って取ろうと思ってコースを変える。 が、なんと先に見えた筒はコップではなく、エアサロンパスであった。 そんなものは要らない。 結局水は取れなかった。 男性2人、女性1人の3人で、いかにもレース慣れしていそうな集団がいた。 この集団についてもいいかなとも思ったが、単独走の人ならともかく、友人同士で走っている人に付くのはどうかと思って、しばらく距離を置いて走る。 その中の男性は「どうせ早くゴールしても暇だから」とか言っている。 恐らく、ペースメーカーのように走っているのだろう。 どうしようか迷っていたが、その先が少し下りとなっていて、自分のペースが上がったので、その3人を抜かす。 そう言えば、この大会は、サブ3.5のペースランナーがいたはずだ。 スタートの時に探したのだが、見つけられなかった。 今は恐らく自分の後ろにいると思われるが、スタート後にも抜かした記憶はない。 16〜17qは4:25と、再び素晴らしく速いラップに。 その3人を抜かしたり、ちょっとオーバーペースになってしまったようだ。 もちろん、この区間、追い風だった影響もあると思うが。 その先で交差点を鋭角に曲がる。 先ほどからカーブが多く、方向感覚が狂ってきた。 若干向かい風のようで、北に向かっているのかなと思う。 17〜18qは4:31と、これまたいいラップ。 だが、いままでとは感覚が異なっていた。 疲労を感じていたのだ。 15qの上り坂が利いているのか、それとも根本的なオーバーペースなのか。 まだ半分もきていないのに。 意識的に少しペースを落とす。 草ぶえの丘の上りは急坂だったが、下りは緩やかで、その分長く続く。 下りだが18〜19qのラップは4:40と、今までとはワンランク違うものとなった。 それまでは、どちらかというと周りよりペースが速く、抜かす事が多かったが、このあたりから抜かされる事も増えてきた。 ランナーもばらけていて、目標となるランナーが少なかった。 印西市へ続く県道を左折して、印旛沼沿いのサイクリングロードへ入る。 向かい風でもあり、結構こたえる。 サイクリングロードの脇が公園になっており、恐らくランナーのご家族か、小さい子供から「お父さん、頑張って」との声が飛ぶ。 やはり、こういう声を聞くと力が入る。 19〜20qのラップは4:37。 疲れてはきたが、まだラップが落ちたわけではない。 もう数キロ走れば、追い風になるはずだ。 そう思って頑張ってみる事にする。
 
 しばらくは、印旛沼から少し離れた農道を行く。 目標となるランナーが見つからず、単独走となるが、ここからはタイムを目標に頑張る事にする。 この頃になると、明らかにサブ3.5を意識するようになった。 ここまで5分を大きく切るラップを刻んできた。 それでサブ3.5を目指さない理由は無かった。 20〜21qは4:40。 まあ、今の自分にはいいラップだろう。 ハーフ通過地点に計測ポイントがあった。 時計も置いてあったが、時計はグロスタイムを示している。 だが、それでも1時間40分を切っていた。 ネットタイムだと1時間39分くらいである。 初めてのハーフだった手賀沼のタイムが1:44:47、その後の川越で1:38:33を出した。 その時は、1時間40分を切って、喜んだものだ。 今、何とフルマラソンを走っていて、ハーフで1時間40分を切っているのである。 こりゃ我ながら、凄いラップだなと思った。 単純に倍すれば、3時間18分。 サブ3.5に12分の貯金がある事になる。 確かに身体は疲れている。 前半飛ばしすぎなのも事実だ。 でも、ここまでこのタイムで来たのだから、何としてでもサブ3.5を達成したい。 ハーフを通過して、強くサブ3.5を意識するようになった。 考えてみれば、走る前は、そんな事、全く考えていなかった。 足が痛くて、すぐリタイヤかなと思っていた。 自分が目指すべきは、4月のかすみがうらマラソン。 かすみがうらはサブ3.5を目指す友人と一緒に走る事になっている。 自分は、まだサブ3.5を目指すランナーではないが、出来れば30qくらいまでは、その友人と一緒に走りたい。 そのためには、今日はその練習と思って、早めに突っ込んで入ってみたのだ。 だが、ここまできたら考えが変わった。 自分はサブ3.5を目指すランナーなのだ、そして達成するとするならば、今日なのだ、と。
 
 21.8qポストに給食所がある。 今日もスタート前に餅を食べていた。 つくばの時に10個食べて腹痛を起こしたので、今日は7個だ。 適量だったのか、まだ空腹感は無い。 正直、給食はしなくても良かったと思う。 だが、疲れていて、何かに頼りたい気持ちが勝ってしまった。 佐倉マラソンの名物といえば、クロワッサン。 チョコクロワッサンを1つ頂く。 水がないので、少しずつ食べる。 21〜22qは4:42。 給食があった割には遅くない。 だが、気持ちの疲れは増す一方だ。 印旛沼の対岸が見えるのだが、まだあんなに走らなければならないのか、と思う。 給食地点から、しばらく別のランナーと並走する。 いいペースで走っていたランナーだが、自分も給食して勇気がわいたので、頑張って付いてみた。 そのせいあってか、22〜23qは4:32とラップを戻す。 だが、これは明らかにオーバーペースだ。 しばらくしてそのランナーに付くのをやめ、マイペースで走る。 景色は変わり映えしない。 ひたすら、早く次のキロポスト表示が来ないかなと思って走り続ける。 23〜24kmは4:41。 まあ、今の自分には精いっぱいのラップだ。
 
 何とかこのラップを維持したい、そう思った矢先、早くも痙攣の症状が現れる。 まだ25qにも達していないのに。 つくばの時は、29qで似たような感覚になったが、今日はまだ25q手前。 まだまだ先は長い。 これはこれから大変な事になるなと思う。 24〜25qのラップは4:47。 落ち込みが明白になってきた。 本来車道を走るべきところを、自分一人歩道を走っていた。 車道を走っているランナーに抜かれる。 これはいけない事だと思って車道に戻る。 ちょうどこのあたりで、懐かしいランナーに抜かれる。 2〜5qのあたりで自分がついていて、5q過ぎに抜かしたランナーだ。 その時自分はそのランナーを見て、こんなに飛び跳ねる走り方で、42q持つのだろうかと思った。 だが、そのランナーに、今こうして抜かれている。 自分のペースが落ちている証拠だった。 25qの先には給水がある。 ここは取らねばならない。 給水所の先で交差点を左折し、舟戸大橋を渡る。 橋の手前のわずかな上り坂がしんどい。 前が大きく開いて、自分の前方50mに全くランナーがいなくなる。 明らかにペースが落ちていた。 25〜26qのラップは4:59と、限りなく5分に近いラップに。 ああ、ついにここまで落ちてしまったかと思う。 そして、またしても思い入れの深いランナーに抜かれる。 7〜14qまで、ずっと付いていた1339のランナーだ。 そのランナーも元気っぱいという訳ではなかったが、付いていく元気が自分には無かった。 だが、一気に遠くに行ってしまう感じではない。 しばらくは、そのランナーが見える位置をキープする。 そのランナーのおかげか、26〜27qは、少し上げて4:49。 ただ、正直限界だった。 走路は、手賀沼沿いのサイクリングロード。 桜が満開で綺麗だ。 交通の便のいいところとは思えないが、意外にも沿道の観客が多い。 その声援を励みにしたいところだが、気持ちだけで体が動くレベルではなかった。 27〜28qは4:59と、かろうじて5分を切るラップ。 もうキロ5分をキープするのがやっととなる。 ここで、またしても見慣れたランナーに抜かれる。 7〜12qまでついていた、3718のランナーだ。 悔しいが、仕方がない。 このラップでは、どんどん抜かれて当然だ。 更に、後ろから集団が迫っているのを足音で感じる。 もしかしたら、サブ3.5のペースランナーかなと思う。 だが、違った。 16q付近で抜かした男女3人のグループだ。 やはり、集団走のようで、その3人の後ろに数人が付いて走っていて、全部で10人くらいだ。 付いていければいいのだが、とても無理だ。

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 28.5qの給水でポカリスエットを飲む。 28〜29qのラップは5:01と、遂に5分オーバー。 草ぶえの丘の上り区間を除いて、このところずっと5分を切っていたのだが、それも途絶えた。 まあ、5分オーバーとなるのは時間の問題だった。 痙攣の症状は走る毎に重くなる。 解消するとは思えなかった。 これからは、だましだまし、少しでも落ち込みを小さくしていくしかない。 竜神橋を渡ると、今までの桜並木と打って変わって殺風景となり、沿道の人も減る。 おまけに向かい風となって、精神的にもきつくなる。 身体に力が入らなくなってきているのが良く分かる。 特に腕が重く感じる。 なんでこんな重いものをぶら下げて走らなければならないのか、と思う。 29〜30qのラップは5:05。 もう5分を切る事は、今後無理だろうなと思う。 あと12.195q。
 
 ラップが落ちていのは分かっているが、何としてでもサブ3.5を達成したい。 頭の中で、どのくらいのラップでいけばいいか考える。 キロ5分半とすると10qを55分だ。 すると40q通過が3時間17分、42q通過が3時間28分。 残り195mを1分として、余裕が1分かなと考える。 ただ、最後の500mは急激な上りとなっている。 そこで1分ロスする事を考えると、これは非常に微妙な事になるなと思った。 もっとも、これはキロ5分半でイーブンペースを守った場合。 それはおそらく無理で、だんだん落ち込んでいくだろう。 だが、どんなに落ち込んでもキロ6分は掛からないだろうなと思った。 なるべく早い段階で残りの距離をキロ6分で行ってもサブ3.5を達成できるスプリットにしたいと思った。 だが、それにはキロ5分に極力近いラップを刻む事が必要だった。 それは決して簡単な事ではなかった。 30〜31qのラップは5:09。 まあ許容範囲だ。 何とかこの5分少々のラップで、出来るところまで走っていきたいと思った。 ここまで来ると、残り距離で考える。 あと11q。 短い距離ではなかった。 31〜32qのラップは5:18。 まずい、落ちてきたのか。 何とか5分少々のラップを刻みたい。 印旛沼沿いの道を離れて、短い坂を下って農道に入る。 足が限界にきているので、小さな坂でもこたえる。 それでも32〜33qのラップは5:08と少し戻す。 33q地点に給水ポイントがある。 今までずっとポカリスエットをもらっていたのだが、ここでは気分を変えて水をもらう。 給水を終えてしばらくすると、見慣れたランナーを3たび見る事になる。 3718のランナーだ。 何と歩いているではないか。 これには少し驚いた。 33〜34qのラップは5:27と、いよいよデッドラインの5分半に近づいてきた。 少しでも余裕を持って後半へという思いが強く、残り少なくなったエネルギーを絞り出す。

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 34〜35qは5:21と、少しだけ戻したが、それでもサブ3.5に向けて厳しい状況は続く。 はやくキロ6分での大丈夫な状況を作りたい。 だが、それは、このラップを刻んでいる以上、なかなか近づいてこなかった。 35.2qでは、ポカリスエットを補給。 その影響があったのか、35〜36qは、5:39と本日のワーストラップ。 これはまずい。 何とかしなければと思った。 その時、またしても見慣れたランナーを見つける。 1339のランナーだ。 ペースはだいぶ落ちている。 明らかにブレーキなようだ。 だが、もう人などどうでもよかった。 ランナーがばらヶてきて、前が大きく開く。 前方50mに全くランナーがいないというシチュエーションだ。 こういう状況は、市民マラソンではあまりない。 一人で前を目指す。 36〜37qは5:14と、ラップを少し戻した。 よし、何とかサブ3.5が見えてきたか。 あと5.2qで30分30秒だから、キロ6分では無理だが、しばらくキロ5分半をキープできればサブ3.5は行けるかなと思う。 37〜38qは5:34とラップが落ちる。 もう体力的に限界だった。 5分半のラップは厳しかった。

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 38q手前は未舗装道路だ。 これがまた足にくる。 何とか足を持ち上げて走るが、これがまた消耗を招いた。 38.5kpに給水があるが、摂らなかった。 ここには、パウンドケーキが置いてある。 今にして思えば、食べておけば、最後の最後で力が出たかもしれない。 ただ、今は少しでも無駄な動きをしたくないという気持ちだった。 給水所の向こう側に「サブ3.5可能」と掲げられた看板が見えた。 大会公式の看板と思われる。 ただ、これはイーブンペースで走っている人向けの看板だろう。 自分のように、前半突っ込んで後半ペースがガタ落ちの人には当てはまらないだろうなと思った。 だが、勇気が出たのは事実。 そう言われた以上、頑張らねばと思った。 38〜39qは5:34。 5分半のラップは厳しかったが、何とか許容範囲か。 残り3.2qで19分半だから、いよいよ残りキロ6分ペースでもサブ3.5は行けるなと思う。 今のして思えば、これが油断につながったのかもしれない。 ただ、決して楽をしたつもりはなかった。 精いっぱい走っていても、ピッチが上がらなかった。 走っても走っても40kpの看板が現れない。 もう、このあたりになると、多くのランナーに抜かれるが、そのうちの一人から「頑張って!」と声を掛けられる。 恐らく、相当苦しそうな走りなのが、横から見ても分かったのだろう。 このあたりのランナーは、みなサブ3.5を目指して走っている。 ここで頑張らないと、サブ3.5は無理だよ、というメッセージも入っていたに違いない。 ありがたい声援だ。 その先で、サブ3.5のペースランナーに抜かれる。 今日初めてお目にかかった。 ペースランナーとは、明らかにペースが違った。 当然だろう。 だが、終盤という事もあり、付いている人はごくわずかだった。
 
 ようやく現れた40kpの看板。 ラップは6:03だった。 これはまずい。 6分オーバーだ。 頭の中で、これから先、どういう走りをすればいいのか考える。 仮にキロ6分とすると、42qで3時間28分39秒である。 となると、残り195mを1分21秒で走らなければならない。 疲れた足、さらに最後が上りになっている事を考えると、これでは厳しいなと思う。 このところ、ずっと北西に向かって走っていたが、競技場に向かって、交差点を右折する。 それまで、弱いながら向かい風だったのが、若干の追い風になる。 ふっと体が楽になる。 ここへきてランナーズハイか。 このままの気分でゴールまで走れたらいいな、と思う。 だが、それまでより若干気分よく走っていたものの、実際にペースはそれほど上がっていなかった。 40〜41qのラップは5:34。 その前の1qより少し上げたが、思ったよりタイムは伸びていない。 つくばの時は、33qで痙攣に見舞われ、後半ペースが落ちたが、それでもラスト2qは上げて、特にラスト1qは、ほぼ5分ちょうどのラップに戻している。 そんな走りを自分で期待したところだったが、残念ながら疲労度は、その時とは比べ物にならなかった。 つくばはつくばで全力を尽くしたつもりだが、今日は残り5qあたりから、本当にいっぱいいっぱいだった。 仮にサブ3.5という目標がなければ、数キロ手前からガクッとラップが落ちていただろう。
 
 残り1q地点にも看板があった。 時計を押すと1:10掛かっている。 逆算すれば195mに1:10掛かっている。 もちろん短い距離なので、誤差が響いている可能性がある。 だが、これはキロ6分を上回るペースだ。 まずいと思って、更にペースを上げる。 限界だが、あと1qだ。 そこで、2人目のサブ3.5のペースランナーに抜かれる。 これは自分にとって意外だった。 ペースランナーが2人いたとは知らなかったが、残り1qでグロスサブ3.5のランナーに抜かれるというのは、まだ可能性があるという事だ。 何とかそのペースランナーに離されずに走る。 交差点を左折すると、前方に競技場の森が見える。 さあ、いよいよラストだ。 さすがにサブ3.5のペースランナーに付いていく事は出来なかったが、それほど離されてはいない。 スタートロスが数十秒あるはずだから、見える範囲でゴールすれば、ネットでサブ3.5を達成できるはずだ。 残り500mの看板が見えた。 思えば朝、スタートの手続きを済ませて競技場に向かって歩いた道だ。 歩いて上った坂、その時は、ここを上ってゴールなんだな、くらいにしか思わなかった。 しかし今、疲れた体で、この最後の坂を上らななければならなかった。 そうは言っても、あと500m。 サブ3.5に向けて、ラストスパートだ。 だが、本当に本当に足が限界だったようだ。 坂にとりついた瞬間、金縛りにあったように体が前に進まなくなった。 だめだ、少しでも前へ。 気持ちは前を向いていたが、どうにもこうにも体が動かない。

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 次々にランナーに抜かれる。 何で前に進まないんだ! ありったけの力を使い、精いっぱい走るが、歩くくらいの速度しか出ないのだ。 何故!何故!何故! 「あ〜あ〜、頑張んなきゃだめだよ」という声援が聞こえる。 一番良く分かっているのは自分だ。 それでも足は動かない。 どこまで坂は続くんだ。 歩くような速度だから、なかなか坂が終わらない。 時計は容赦くな進んでいく。 だが、残り500mを切って時計を見ても無意味だ。 とにかく1秒でも早く。 サブ3.5が。 サブ3.5が。 それでもまだ競技場の入り口が見えない。 駄目なのか。 正直、このあたりでサブ3.5は無理だろうなと思った。 ずいぶん長い時間が経った気がした。 ようやく競技場の入り口が現れる。

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 あと100mホームストレートを走ったところにゴールが見える。 もちろん競技場内は平坦だ。 だが、もう足は完全に参っていた。 苦しさで顔はゆがみ、目が明かないので、良く前が見えない。

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 足を引きずるようにゴールを目指す。 スピードは上がらない。 やっとの思いでゴールラインを超える。

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 今までこんなつらいゴールがあっただろうか。 ましてやフルマラソンで。 すぐさま時計を押す。 3時間30分2秒。 やはり。 駄目だった。

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 正直な気持ちとしては、もっと悪いタイムだと思っていた。 こんなに惜しかったのか。 これは手元の時計のタイム。 わずか2秒であるから、もしかしたら正式タイムでは30分を切っているかもしれない。 だが、それは無理だろうなと思った。 スタートの時、計測ラインを少し超えてから時計を押した事を覚えていた。 たいていのレース、ゴールすると嬉しいものだが、今回は全くその爽快感、達成感がなかった。 ゴール後に、まず水をもらう。 地元の高校生のボランティアが配っている。 疲れていたが、丁重にお礼を言ってもらう。 その先の給水所でも水をもらう。 そこでは、サブ3.5のペースランナーも水を飲んでいた。 思わず自分は「お疲れさまでした、ありがとうございました」と言った。 そうは言っても、そのペースランナーにお世話になったのは、ラスト1q。 41kpから41.7kpまでの、わずかな間だった。 そのランナーを見ながら走っているときは、サブ3.5を達成できると思っていたのに。 導線上にテントがあり、そこで記録証をもらえるようだ。 ゼッケンナンバーを伝えて、記録証をもらう。 早速タイムを確認すると、3時間30分05秒。 やはり。 あと6秒だったのか。
 
 ゴールしてしばらくは疲労で頭が回らなかったが、次第に悔しさがこみあげてきた。 足が痙攣していたせいもあるが、競技場内の芝生に倒れこんで、悔しさのあまり、しばらく立ち上がれなかった。 見かねて、ゴールした別のランナーが「大丈夫ですか」と声を掛けてくれる。 もしかしたら、AEDが必要な状況なのかと思ったのかもしれない。 「すみません、大丈夫です。足が痙攣して。」と答える。 テントでバナナとパンを配っている。 まずバナナを頂く。 ひとつ食べると、もっと食べたくなり、もう一つもらう。 更にパンも。 食べると美味しく、2個、3個と食べる。 それでも足りなく、結局6個食べた。 そうか、お腹が空いていたのか。 今日はレース中、一箇所だけ給食した。 だが、足りなかったんだろうな。 もっと積極的に給食していれば、最後の坂を登れたかもしれないな。 だが、何をいっても、たらればだ。 スタンドで着替える。 後半ペースが遅かったせいもあり、ゴール後は寒かった。
 
 次第に6秒の悔しさが薄れ、まあ今の実力からすれば、30分5秒のタイムが出ただけでも奇跡かなという感じもしないでもない。 自己ベストを大幅に更新したのは間違いないのだから。 着替え終わってスタンドを出ると、出店がたくさん出ていた。 さっきバナナとパンをたくさん食べたのだが、それでも空腹で、焼き鳥を食べる。 1本食べると美味しくて、もう1本食べる。 その先にはうどん屋が出ていた。 カレーうどんを注文して食べる。 さすがに今日ばかりは塩分を摂ってもいいと思い、汁を全て飲む。 どんなに空腹だったのか。
 
 帰途も駅までシャトルバスが出る。 だが、乗り場が会場から遠い。 因縁のゴール前の坂を歩いて下る。 この坂が、この坂が上れなかったのだ。 自分は歩道を歩いているのだが、もちろんまだレースは続いている。 4時間を少し超えたタイムのランナーだ。 やはりこの坂は皆堪えるようで、速度がまちまちだ。 歩いている人もいる。 気持ちは分かる。 ここをいいペースで走っているランナーは、余裕を持って走っているか、相当強い目標を持って走っているランナーだろう。 自分が頑張れなかった分、走っているランナーに「頑張れ」と声を掛ける。 バス停までは1q近くあった。 足は痛かったが、速度を上げて歩いた。 バス停の行列はそれほど長くなかった。 1台待てば乗れそうだ。 朝はちょうど自分の前で切られたが、帰りは自分がそのバスの最後の乗客となった。 もちろん座れないが、駅まですぐだ。
 
 京成に乗って菅野の実家に帰るのだが、成田空港始発の特急と佐倉始発の快速が20分おきに出ている。 ちょうと快速が、目の前で発車してしまった。 あと20分近く電車が来ない。 特急が発車したすぐ後に快速が発車するのだが、菅野に到着するときには10分の差となる。 少しでも早く帰りたかったので、特急で帰る事にする。 電車の発車まで少し時間があるので、ホームに止まっていた後発の快速電車に座って、持ってきたフランスパンを食べる。 しかし、凄い食欲だ。 特急は空港利用客で混んでいて座れないが、八幡までは30分くらいなので問題なかった。 車窓から、印旛沼の風車が見える。 あそこを走っていたんだなと思う。 まだ、何とかキロ5分をキープしていた頃だ。 京成八幡で特急を降り、普通に乗り換えて菅野で降りる。 実家に帰ると、娘が「お父さん、駄目だったんだって!」と言う。 ゴール後、妻に「サブ3.5駄目だった」とメールを打ったのだが、それを娘が聞いていたらしい。
 
 さて、タイムについて。 まずサブ3.5という、多くのランナーが目標とするラインを考慮しない場合、自己ベストを8分近く更新したのだから、これは上出来なタイムと言えるだろう。 敦賀に転勤になってから、思うようにトレーニングが出来なかった。 秋から冬は悪天候に悩まされ、霰に降られたり、路面の凍結で転倒したり、大変だった。 そんな中、体重減だけを頼りにして、昨シーズンのかすみがうらのタイム3時間51分35秒を、つくばで13分短縮し、今回の佐倉で更に8分短縮した。 初マラソンの板橋が3時間55分だったので、良く言えば走るたびに自己ベストを確実に更新していると言える。 今日は気温が走るには最高だった。 心配された雨も降らなかった。 風が比較的強かったのだが、全体的には気象条件に恵まれたと言っていいだろう。
 
 だが、やはりなぜサブ3.5を達成できなかったかを考えなければならない。 一言でいえば、本気でサブ3.5を目指していなかった事に尽きる。 そもそも、サブ3.5は、まだまだ先の話と思っていた。 つくばという平坦な高速レースで3時間37分56秒だから、そこから8分縮めるのは容易ではないなと思っていた。 トレーニング環境は良くない、 きちんと練習を積めているわけではなかった。 そんな中、たまたま途中までいいタイムで行って、もしかしたらサブ3.5を達成できるかもという状況になっただけで、そもそもサブ3.5を狙うべきランナー、サブ3.5を目指す大会ではなかったのだろう。 それは、大会前から明らかだった。 結局、去年からの課題である距離練習は、ほとんど積めなかった。 2週間前の能登和倉マラソンを距離練習代わりにしようと思って会社の上司と一緒に出たのだが、その上司が20q過ぎから歩いてしまい、あまり距離練習にならなかったというのは痛かった。 そのほかに、本来やるべき峠走やビルドアップ走などもしていなかった。 それに、もっともやってはいけなかったのが食事。 レース前々日と前日、家族で箱根のユネッサンに行った。 それは別によかったのだが、いけなかったのは夕食と朝食のバイキング。 とにかく腹いっぱい食べてしまった。 その2食だけで体重が1kgは増えただろう。 しかも、炭水化物を腹いっぱい食べたならともかく、たんぱく質や甘いものを大量に食べてしまった。 恐らく、デザートを絶っていたら、6秒は縮められただろう。 だが、結局それも、サブ3.5を目指していなかったからに他ならない。 それに、今回はタイム設定をせずに望んだ。 これも、目標タイムが持てなかったからだ。 なにより、本番10日前から、足の甲の骨が痛くて、とても42q完走は無理と思っていたのだ。 投げやりな気持ちで、当たって砕けろと前半から突っ込んでしまったので、後半ラップがガタ落ちするのは目に見えていた。 すなわち、今回は、なるべくしてサブ3.5が達成できなかったと行く事。 確かにあと6秒は惜しいと言えば惜しいが、やるべき事をきちんとしなければ、結果は付いてこないと行く事が良くわかった。 今回は、走る前にラップ想定をしていなかったので、結果論にしかならないが、ラップを確認してみる。

 
ラップ
スプリット
備考
0〜1km5:315:31 
1〜2km4:4810:19 
2〜3km4:4115:00 
3〜4km4:3919:39 
4〜5km4:5224:31 
5〜6km5:0029:31 給水(ポカリ)5.5
6〜7km4:2433:55 
7〜8km4:5038:45 
8〜9km4:3143:16 
9〜10km4:3347:49 
10〜11km4:3052:19 
11〜12km4:270:56:46 給水(ポカリ)11.5
12〜13km4:291:01:15 
13〜14km4:511:06:06 
14〜15km4:351:10:41 
15〜16km5:031:15:44 
16〜17km4:251:20:09 給水できず16.4
17〜18km4:311:24:40 
18〜19km4:401:29:20 
19〜20km4:371:33:57 
20〜21km4:401:38:37 
21〜22km4:421:43:19 給食(パン)21.8
22〜23km4:321:47:51 
23〜24km4:411:52:32 
24〜25km4:471:57:19 
25〜26km4:592:02:18 給水(ポカリ)
26〜27km4:492:07:07 
27〜28km4:592:12:06 
28〜29km5:012:17:07 給水(ポカリ)
29〜30km5:052:22:12 
30〜31km5:092:27:21 
31〜32km5:182:32:39 
32〜33km5:082:37:47 
33〜34km5:272:43:14 給水(水)33.0
34〜35km5:212:48:35 
35〜36km5:392:54:14 給水(ポカリ)35.2
36〜37km5:142:59:28 
37〜38km5:343:05:02 
38〜39km5:343:10:36 給水せず38.5
39〜40km6:033:16:39 
40〜41km5:343:22:13 給水せず40.5
41〜41.1km1:103:23:23 
41.1km〜ゴール6:423:30:05 

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 とにかくスタートから速い入り。 走路混雑だった最初の1qは別として、もう2qの段階から5分を切っている。 途中、5qの給水と16qの草ぶえの丘の上り坂区間を除いて、ずっと5分台をキープ。 28qまで5分台をキープした。 だが、5分台をキープしたという表現は間違っているだろう。 途中、4分半のラップを連発していた。 特に速かったのが、8〜13qあたり。 その5qを22分30秒という、フルマラソンとは思えないラップで走ってしまった。 これは、今の自分にとって、ハーフマラソンのラップである。 グラフを見れば一目瞭然だ。 24qまでは、何とかペースをキープできていたが、それから落ち始めて、ゴールへ向けて直線的にラップが落ちていっているのが分かる。 痙攣の症状が現れたのは、ちょうどこの時だ。 タイムは正直なものである。 35qあたりからは、5分半くらいのラップまで落ちてしまっているが、何とかそのラップで持ちこたえていたと言えなくもない。 その中で、いただけないラップが39〜40qの「6:03」である。 サブ3.5を切れなかった要因のひとつが、この1q。 油断したわけではないだろうか、ちょっとほっとしたもの事実だ。 タイム的に、明らかにこの1qはもったいなかった。 そして、最後の1q。 もうこれは、タイムを語っても仕方がない。 あそこまで足が止まってしまっては、ラップタイムなど、どうでもいい。

 5q毎のラップと、過去の大会と比較グラフを描いてみた。

 
ラップ
キロラップ
備考
0km〜5q24:314:54 
5km〜10q23:184:40 
10km〜15q22:524:34 
15km〜20q23:164:39 
20km〜25q23:224:40 
25km〜30q24:534:59 
30km〜35q26:235:17 
35km〜40q28:045:37 
40q〜ゴール13:266:07 

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 とにかく速い入り。 25qまでは、何とかペースを維持していたが、そこから一気に落としていいった。 ここまで大きく落としたのは、過去の大会でも例がなかった。 ところが、30〜35q、35〜40qとも、タイム的にはつくばを上回っていたのだ。 これは、意外だった。 前半があまりにも速かったので、相当落ち込んだように感じていたが、最低限の粘りは見せていたのだ。 だが、結局のところ、体力を使い果たしていたのだろう。 もちろん、サブ3.5を達成するとなると、持っている力を余すところなく出し切らないと無理である。 今回は、全てを出したつもりだが、41.7qまでに、力が出切ってしまったのだろう。 ラストスパートは気力だ!と今まで思っていたが、今回は気力を絞っても最後の坂が上がれなかった。 今まで自分は、上り坂に強い事と、ラストスパートが利く事が特長と思っていた。 だが、それは裏を返せば、それまで全力を出し切っていないからではないかと思うようになった。 どうすればゴールまでに完全に全力を出し切り、かつブレーキなく走りきれるかを考えていきたいと思う。 難しい作業だと思うが。
 
 恒例のスタート順検証。 今回は事前にブロック指定されるのではなく、当日自分の目標タイムのところに並ぶスタイル。 「3:00〜3:30」のブロックからスタートしてサブ3.5を達成できなかったから、前からスタートしすぎたと言えるかもしれない。 だが、ゴールタイムより早いブロックからスタートしている人も、結構いるはずである。 スタート順とゴール順を比べてみる。 1,286番目にスタートして854位でゴールしているので、結果として前過ぎるという事は無かった。
 
 今回は、全員のハーフ通過のタイムも集計できた。 それをもとに、以下のように分類した。
 
@ 自分より早く(または同時にに)スタートして、自分より早くゴール 711人
 @-(1) そのうちハーフ通過が自分より早い 580人
 @-(2) そのうちハーフ通過が自分より遅い 131人
 
A自分より早く(または同時にに)スタートして、自分より遅くゴール 570人
 A-(1) そのうちハーフ通過が自分より早い 74人
 A-(2) そのうちハーフ通過が自分より遅い 496人
 
B自分より遅くスタートして、自分より早くゴール 130人
 B-(1) そのうちハーフ通過が自分より早い 41人
 B-(2) そのうちハーフ通過が自分より遅い 89人
 
C自分より遅くスタートして、自分より遅くゴール 3767人
 C-(1) そのうちハーフ通過が自分より早い 13人
 C-(2) そのうちハーフ通過が自分より遅い 3750人
 
 @の人は自分よりレベルが高い人たち。 ただ、その人たちのうち、131人もハーフまでに抜いていたというのは、いかに自分の前半が速すぎたかという事。 抜かしたのに、抜き返された人数である。 Aは、自分が途中で抜かした人、すなわち、前からスタートしすぎの人たち。 やはり、570人のうち496人をハーフまでに抜いている。 それでも、後半74人も抜いているというのが、少し驚き。 自分よりブレーキになった人が、それだけいるという事だ。 Bの人は謝らなければならない。 やはり、後半に多く抜かれているが、前半に抜いていった人も結構いたようだ。 Cの人は正直どうでもいいが、自分よりハーフが速かった13人というのは、一体どういう人だろう。 自分以上に前半突っ込んだ人という事だ。
 
 さて、今後の目標。 当然、サブ3.5となる。 次のレースは、4月21日のかすみがうらマラソンだ。 もしサブ3.5を目指すのなら、こちらのレースでという思いが強かった。 というのも、3.5を目指している友人2人と一緒に走る事が出来るからだ。 今まで、同じか、あるいは自分より上のレベルの人と一緒に走った事は無かった。 実に貴重な経験である。 彼らについていけば、もしかしたらサブ3.5が達成できるかも、そういう思いはあった。 だが、厳しい条件が2つある。 ひとつは気象だ。 4月下旬といえば、気温が上がっても不思議ではない。 下手をすれば、普段着が半袖という気温になる可能性も否定できない。 そして、なんとも痛いのが、この佐倉で無理をしてしまったという事。 もしかしたらサブ3.5を達成できるかもしれないと思い、後半相当無理をした。 サブ3.5という目標がなければ、途中でペースを落としただろう。 無理をしたおかげで、古傷の左膝はもちろん、右膝もねじれたような痛みが走るようになった。 足の裏は豆だらけだし、当分トレーニング出来そうもない。 ノントレーニング状態で、疲れだけ抜いて挑む大会で目指せるほど、サブ3.5は甘くはないだろう。 生活習慣病改善という、最大の目標を忘れずに走っていきたいと思う。



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