2012/11/25 つくばマラソン(フル) inserted by FC2 system



つくばマラソン
 2012〜2013マラソンシーズンの幕開け。 実質シーズン初レース。 11月3日に湘南国際のフルマラソンを走っているが、会社行事であり、ゆっくり走って(途中から歩いて)5時間半だから、あれはLSD練習に過ぎない。 昨シーズンは、フルマラソンを走る前に3回のハーフマラソンと1回の30km(青梅)を走ったが、今シーズンはいきなりフルマラソンだ。 ランニング初年度だった昨シーズンは、それなりにレース経験を積まないと、フルマラソンは走れないと思っていた。 練習にも力を入れていた。 だが、練習メニューといったようのものとは無縁で、ひたすら距離を稼ぐ走り方をしていた。 月に300km走った月もあった。 それが膝の故障を招き、肝心のシーズン終盤のフルマラソンには、万全の状態で臨めなかった。 昨シーズン最後のレースとなった、かすみがうらマラソンから7カ月。 しばらくは、膝の痛みをとるために、走らない日々が続いた。 やがて膝の痛みは引いてきたが、夏になると走る距離が自然と短くなった。 そして、人生の転機となる出来事が。 敦賀転勤の話である。 9月頃から、その話が具体化し、なんとなく走る気分になれなかった。
 
 10月から、いよいよ敦賀赴任。 11月の本番に向けて、走りこみを増やしていこうかと思ったが、なかなか難しい問題があった。 今まで会社帰りに走っていたのだが、敦賀の道は暗いのだ。 車社会であり、歩道を照明で照らすという発想が無いのだ。 走り慣れた道なら大丈夫なのだが、会社から家まではわずか2.6km。 会社帰りに走ることを日課にしていたので、発想を変えなければならなかった。 暗さ対策として、朝走ることを検討した。 しかし、朝寝坊体質の自分にはきつかった。 8:20は会社に居なくてはいけないのだが、起きるのは7時。 朝食を食べて、お腹が落ち着いて8時前に走りだすとして、せいぜい走れるのは6km程度だ。 夜に、比較的照明が整った近所の周回コースを走ることも試してみた。 しかし、道路の暗さ以外に別の問題もあった。 日本海側の気候である。 秋から冬は、雷を伴った突然の雨や、アラレが頻発するのだ。 走り始めて、何度アラレに降られたことか。 結局、本番まで、ほとんど長い距離を走ることができなかった。
 
 かすみがうらマラソンからつくばマラソンまでの7ヶ月間に、10kmを超える距離を走ったのは、わずか2度。 1度目は、LSD練習と化した湘南国際マラソン、2度目は本番1週間前に行った15kmのビルドアップ走。 こんな練習しかしていなかったので、全く自信がなかった。 マラソンをなめていると思われても仕方がない。 ここまで長距離練習をしていないで本番を迎える人も少ないのではないか。 しかも、仮りにも、ゴール予想タイム3時間40分で申し込んで、Dブロックスタートである。 もしかしたら、Dブロックの中で、最も距離走が少ないランナーかな、なんて考えたりする。 ただ、もしかしたら走れるかな、と思う材料も無いではなかった。 10月頭に行われた、東日本国際駅伝。 ほとんど走り込んでいなかったものの、大雨の中4.8kmを19:58で走った。 5km換算にして、20分台の記録だ。 5kmの正式記録は持っていなものの、会社で参加した1区間5kmの駅伝タイムを並べてみても、過去のなかで最もいいタイムだ。 1週間前に行なった15kmビルドアップ走のラスト5kmのタイム21:29も悪くないタイムだ。 ろくに練習していないのにスピードがアップした理由は、おそらく一つ。 減量の効果だ。 かすみがうらマラソンを走った頃、体重は63kg位だった。 それが今では55kg。 体脂肪も、体脂肪計で測定できる5%を下回るほどになった。 それに、練習をしていないお陰で、昨シーズン終盤から悩まされていた膝痛が、だいぶ収まっていた。 いくら長距離練習が出来なかったからといって、欠場する事も無いかなと思った。
 
 ところが、本番10日ほど前になって、思わぬ敵が現れた。 学生時代から背中にあった粉瘤が、よりによってこの時期に化膿して真っ赤に腫れ上がってしまったのだ。 痛みで、仰向けに寝られないほどだった。 単身赴任で毎週東京に夜行バスで帰る身としては、寝返りが打てないバスの椅子は、さらに苦痛だった。 背中から常に膿みが吹き出している状況を放置は出来ず、本番前となってしまったが、ついに医者に行くことに。 「今週末マラソンを走るので。。」と言おうと思っていたが、医者は自分をベットにうつ伏せに寝かせると、有無を言わさず麻酔を打って背中を切開し始めた。 背中なので、何をされているのか全くわからない。 明日も来いと言われ、その日は病院をあとにする。 こりゃ、大会出場は無理かなと思った。 まあ、どうせ練習も出来ていないし、欠場のいい言い訳かなとも思った。 翌日、試しに医者に、マラソンを走ってもいか聞いてみると、全く問題ないとのこと。 切開はしたものの、どうやら縫ってはいないようだ。 腫れ上がった粉瘤から開放され、背中の痛みも軽減された状態で、木曜の夜に夜行バスで東京に戻った。
 
 大会が3連休に行われるというのは、自分にとっては好都合だ。 もしこれが通常の週末だったら、バスで寝不足状態で土曜を過ごし、翌日早起きだから、睡眠不足で大会を迎えることになる。 だが、間に土曜が入るので、1日寝坊ができる。 そうはいっても、つくばは八王子からだと遠い。 そこで、市川の実家を利用することにした。 祝日の金曜に家族3人で市川へ移動した。 自分がマラソンで不在の間、娘は母親とともに、おじいちゃん、おばあちゃんを一緒に過ごせるので、自分がいなくても気がまぎれるし、一石二鳥だ。 ただ、思わぬ弊害もあった。 生活が変わって、食べ過ぎてしまったのだ。 金曜は午前中、調布で娘のバイオリンの練習があったので、昼食は外食となった。 調布では、必ずと言っていいほど、ピア食べ放題の店に行く。 食べ放題といっても食べなければいいのだが、そこは貧乏性。 つい胃だけでなく、食道までピザを詰め込んでしまった。 市川の実家に行くと、夕食は決まってカレー。 カレー好きな自分が、食べ過ぎない訳がない。 その晩、体重計に乗ると、なんと57kg。 一時期51kgまで体重を減らしたのに、それから6kgも増えてしまっているではないか。 減量効果でタイムが伸びたと喜んでいたが、これはまずいことになったなと思った。
 
 フルマラソンのスタートは9:30。 会場までは、つくばエクスクレス研究学園駅から、シャトルバスが出るという。 つくばエクスプレスの始発駅は秋葉原。 42kmを走るに際し、できれは足の耐力を温存しておきたいので、座っていくのが理想だ。 だが、市川から秋葉原へ行くと、目的地に向けて背を向けて進む感じとなる。 それに電車賃が高い。 ケチな自分は、座ることより電車賃が安いルートとを選ぶ事にした。 本八幡からJRで南流山に行き、そこからつくばエクスクレスに乗るのが最安だった。 まあ、南流山から研究学園までは20分ほど。 座れなくても、影響は最小限と思った。
 
 つくばマラソンは、会場のトイレが非常に混雑するという。 自分にとって、スタート前のトイレは重要だった。 というのも、レース前いつも下痢気味となるからだ。 当日、必ず駅または会場のトイレで用を足している。 今回もトイレ混雑と待ち時間を見越して早めに行くことにした。 金曜に食べ過ぎたおかげで、土曜は1日3回も用をたした。 しかし、これで日曜のレース前に出ないと思うのは大間違いである。
 
 当日は5時起床。 まずは会場で食べるための餅を温める。 朝食は炭水化物をとるため、ご飯のみとした。 普段は茶碗一杯であるが、今日は二杯食べた。 すると、早速便意が。 これで安心するのは早いが、出ないよりは出たほうがいい。 本当は、菅野5:32発の電車に乗りたかった。 だが、さすがに5時起きでは間に合わなかった。 次の京成は5:55発。 ところが、その電車だと、本八幡での接続が悪い。 ならばと、本八幡まで歩くことにした。 本当は歩く距離を短くして、足の耐力を温存したいところだが、まあ今回は画期的なタイムを目指しているわけではないので、よしとする。 本八幡5:59の電車に乗り、西船橋に向かう。 下り電車だし、時間も時間なので、もちろん座れる。 ところが、またしても便意が。 家で出て、まだ1時間も経っていないのに。 西船橋での乗換時間が9分あるので、トイレに行く。 幸い個室に空きが1つあり、無事に用を足す。 もうこれで出ないだろうと思うが、果たしてどうだろうか。 武蔵野線も思ったよりすいていて、座って南流山まで行く。 ここでつくばエクスクレスに乗り換えるのだが、つくばマラソン出場者が目立ってきた。 乗るべき電車は6:41の区間快速だが、そのまえに途中の守谷止まりの各駅停車がある。 どうせ区間快速は座れない。 もし各駅停車に空席があれば守谷まで座っていこうと考えた。 電車が到着すると、満席という予想に反してガラガラ。 座って守谷まで行く。 乗り換えた区間快速は当然座れないが、ここから研究学園までは、わずか15分である。 階段に近い5号車に乗る。 駅に着くと、みな争って階段を降りる。 ところが、出口を目指さず、トイレを目指す人が多い。 なるほどなと思う。 自分は先頭で改札を出て、シャトルバスの行列に並ぶ。 トップを切って改札を出たので、行列は短い。 8分ほど待ったが、タイミングよく乗れたので座れた。 ちなみに、湘南国際のシャトルバスは座れなかった。 会場までは10分ほど。 7時半前に着いた。
 
 スタートまで、まだ2時間ある。 広い更衣室(テント)があり、まだ時間が早くスペースに余裕があるので、着替えながら餅を食べる。 友人からもらった本には、餅を7個食べるといいと書いてあった。 だが、その本の本文には、11個食べてベストタイムを更新した人もいるとも書いてあった。 何となく、足りないと困る感じがして、10個温めて持ってきたのだが、持ってくると食べないで残すと悪い気がして、全部食べてしまった。 スタートまで1時間半。 今日は寒い予報だった。 迷うのが服装。 半袖を基本としているが、念のため長袖を持ってきた。 だが、日は出ているので、やはり半袖で走ることにした。 だが、さすがに半袖短パンになると寒いので、直前まで上着を羽織っていて、スタート20分ほど前に荷物を預ける事にした。 更衣室に長くいると、あとから着替える人の迷惑になるので、頃合を見て出る。 できれば座って待ちたいのだが、ベンチがない。 かすみがうらの時は野球場が会場となっていて、スタンドに座って待機したのだが、そういうベンチが全くないのだ。 仕方なく、ラグビー場のほうへ移動する。 道からはずれた段差の部分を見つけて、そこに座って時間が経つのを待つ。 さて、あとはトイレに行って荷物を預けて、と思っていたが、やはりというか何というか、また便意を感じる。 餅を10個食べたからだろうか。 つくばはトイレの行列が長いことで有名だ。 参ったなと思ったが、途中でしたくなるのも嫌だ。 男子の小専用トイレは行列がないが、男女兼用トイレはどこも行列。 だが、噂に聞いていたほどではない。 20人くらいの列だが、だいたい3〜4個のトイレに大して列が出来ているので、6回くらい待てば自分の番になるイメージだ。 なるべく空いてそうな奥のトイレに並ぶ。 15分ほどで自分の番が来た。 出ないかもしれないと思ったが、踏ん張ったら出た。 昨日3回も出たのだが、それでも今日朝から3回目。 さすがにもう出ないだろうと思う。 安心して着替え、荷物を預けてスタート地点へ向かう。
 
 スタート地点は、筑波大学構内の道路。 銀杏が紅葉していて綺麗だ。 木陰から日が漏れていて、思ったより暖かい。 日なたの寒暖計は、20℃になっているらしい。 半袖でよかったなと思う。 寒い予報だったので、長袖の人やビニール袋をかぶった人も多い。 だが、既に「暑いな」とか言っている。 自分はDブロック。 A〜Hまでの8ブロックの前から4番目だから、真ん中より少し前といったところ。 3時間40分で申し込んで真ん中より少し前だから驚きである。 まあ、たしかにつくばはタイムを目指す人が多く、意外にレベルが高いという噂を聞いたことがある。 かすみがうらの時は、3時間59分で申し込んで、やはりA〜Hまでの8ブロックの前から4番目Dブロックだった。
 
 スタート15分前に並んだので、Dブロックの中でも比較的前の方に位置したと思う。 寒くなかったのが幸いだ。 去年同じ時期の川越マラソンや、1月に栃木で行われた下野天平マラソンの待ち時間の寒さに比べたら、全く苦にならない。 やはりスタート前はワクワクするものである。 早く走り始めたいなと思う。 数時間もすれば、苦しみもがくことになるのだが。 かすみがうらの時に、途中靴紐がほどけて結び直してタイムロスしたので、今回はそのようなことが無いよう、念入りに縛り付ける。
 
 9時半にスタート。 通常、後ろのほうのブロックはしばらくして動き始めるのだが、予想に反してDブロックもすぐに走り始める。 どうやらブロック間に隙間が空いているらしい。 早歩きとジョギングを繰り返し、時より止まり、スタートラインが近づいてくる。 どうやら3分くらいのロスになりそうだ。 過去最も少ないロスタイムになりそうだ。 まあ、あまりこのロスタイムは気にしていないが。 スタートラインを超えたところで時計を押す。
 
 今日の目標は「○時間○分」と言いたいところだが、前述のとおり、あまりに練習していないので、全くタイムが読めない。 マラソンも3回目なので、どういうペース配分をすれば完走できるかも分かっているつもりだ。 25kmまでのんびり走って、それから少しずつ呼吸を使った走りとしようかなと思った。 タイムを設定せずに、そうした感覚で走ってみて、タイムは結果として出るもの、というが走っていて気楽だ。 だが、ある程度自分を追い込むとなると、やはりなんから想定ラップも設定したほうがいい。 それには、ゴール目標タイムを決めなければならない。 本当に目標が定めにく状況なのだが、あえて言うと、申し込み時に書いた3時間40分である。 今まで、真剣に走って、申込時のタイムを下回ったことはない。 自分にとって、申込タイムを下回ることは屈辱だった。 やはり、そのタイムは目指さなければならないかなと思った。 それには自己ベストを10分以上更新しなければならないのだから、厳しい事は百も承知だ。 だが、過去二回のフルマラソンは、いずれもやや自重気味に入っているので、たまには突っ込んで入ってみるのもいいかなと思った。 後半失速するのは想定内。 まあ、失敗レースになってもいい経験だ。 といわけで、今回は5分/kmをベースのペースにすることとした。 最初の5kmは、いつものようにウォーミングアップをかねて27分で入り、そこからしばらくは5分/kmペースを目指すことにする。 後半落ちるだろうが、25km以降に少しずつ落ちても、5:30くらいの落ち込みに抑えられれば、3時間40分で走れる計算だ。
 
 しばらくは大学構内の道を行く。 当然走路は混雑。 5km27分と、比較的遅い想定ラップだが、それでもやはり自分の感覚より周りのペースが遅い気がする。 なんとなく人口密度が少なそうな、コースの端へ移動する。 だが、やはりこの狭い中でぬかしていくのはリスキーだ。 流れに乗って走ることにする。 大学構内は車のスピード抑制のための段差が多い。 「この先段差あり」と看板が出ているが、人口密度が高いので、直前にならないと段差が見えない。 下を向いて走る。 この道路は、ゴール直前にも走ることになる。 きっと疲れた足に、この段差は堪えるのだろうなと、今から思う。
 
 最初の1kmは5:42。 まあまあか、少し遅いか。 流れに乗って走っているので、これは自分の責任ではない。 基本的に平坦なコースなのだが、最初の1kmには、陸橋を超えるアップダウンがあるので、その影響もあるだろう。 市内へ出てしまえは直線コースなのだが、大学構内はカーブが多い。 緩やかに右に曲がったかと思うと、交差点を左折する。 構内は、段差が適度の感覚で現れる。 また、センターラインの突起物にも注意が必要だ。 青梅マラソンでも湘南国際マラソンでも、この突起物につまずいて転んだ人を見た。 自分は摺足走法であるので、足元を見ながら走る。 道路の突起物とともに、注意しなければならないのは落下物だ。 大きなゴミ袋が足元で舞っている。 おそらく、寒さしのぎでスタート時にランナーが来ていた袋だろう。 本人は道端に捨てたつもりかも知れないが、こんなものをエイドステーションではない場所で捨てられると困る。 次の1kmは、少し上がって5:29。 まだ少し遅いが、許容範囲だ。 だが、早くも両足のスネの裏側の筋肉が痛み始める。 わずか2kmしか走っていないのに、なんで足が痛み始めるんだ、と思う。 長距離走をしていないとはいえ、2kmくらいなら普段から走っている。 もちろん2kmで足の筋肉が痛くなることなど無かった。 嫌な兆候だなと思う。 もしかしたら、3日前に6kmをスピードを上げて走った疲れが抜けていないのかなとも思う。 その日は、ほぼ全力で走った6kmを含めて15kmも走っている。 馬鹿なことをしたなと思ったが、今更どうしようも無かった。 それか、もしかしたら、久しぶりに履くランニングスパッツの影響かなとも思う。 湘南国際では履かなかったので、履くのは4月のかすみがうらマラソン以来、7か月ぶりだ。 何もかも、久しぶりだ。 足もそうだが、体全体が重い。 あまり調子が良くないなと感じる。 次の1kmは5:22。 ペースは上がったが、過去の2レースの時より、力が入った走りになっている気がする。 これはもしかしたら、早々に失速するかもなと弱気になる。 しばらく走って、猿壁十字路を右折すると、道路が広くなる。 気分が変わって、少しペースがあがる。 大学構内道路から一般道へ出たあたりが4km地点。 ラップは上がって、5:08。 やはり5km27分が気になっていた。 それには、もう少しペースを上げたほうがいいと思い、無意識にペースが上がったようだ。 だが、相変わらず足の筋肉が痛い。 しかし、どうしようも無かった。 慣れるしかないなと思った。 その先に給水がある。 ここではスポーツドリンクや給食はなく水だけだが、一応取ることに。 給水ロスがあって、この1km5:26。 5kmのラップタイムは27:07。 まあ許容範囲内だが、足は痛いし、楽して走っていないし、これで想定ラップオーバーとは、今日はダメだなこりゃ、と思う。 スタート前に、エネルギー補給として餅を食べたのだが、さすがに10個は食べ過ぎたようだ。 胃がむかむかするし、ゲップも出る。 水分を取るために水を飲んだのに、腹がいっぱいになって苦しくなる。 悪いことは重なるもので、右足の靴紐が、度々足に当たるようになる。 まさかと思ったが、やはり靴紐が緩んできたのだ。 まだ5kmしか走っていないのに。 ほどなく紐は完全にほどけてしまう。 仕方なく、歩道に上がって紐を結ぶ。

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 陸橋の坂があって、その先下って、国道406号線に入る。 ここから4車線道路の片側2車線を使って走ることになる。 4車線の道路をしばらく走ると6km地点で、この1kmは5:22。 想定ラップより遅いが、紐を結んだロスタイムと、陸橋をアップダウンした影響だろう。 国道406号線は車線が広いし、スタートから30分経過し、バラけてきたこともあり、自分のペースで走ることができる。 ここからは5分/qのラップを目指している。 気持ちを入れ替えて走ることにする。 すると、次の1kmは5分を切って4:59。 よし、このペースだと思う。 足は相変わらえず痛かったが、もしかしたら途中で痛みが引くかもしれないと思って走ることにする。 正面に筑波山が見える。 風も弱く、最高のマラソン日和りだ。 道は広くて混雑はないのだが、普段大型車の通行が多いのか、わだちが気になる。 中央車線寄りをキープし、全体の流れより少し早いペースで前を行く。 次の1kmも4:59。 気持ちよく走っていたので、もう少し早いラップかと期待したので、あれ、ギリギリ5分切りか、と思う。 8kmの先に給水があり、アミノバリューをもらう。 腹には、まだ餅が消化されずに残っており、水を飲むと腹が膨れる感じがする。 かといって、水分を補給しないわけにはいかないし、参ったなと思う。 給水ロスがあって、この1kmは5:04。 これは仕方がない。 給水の先が西大通り交差点で、ここを左折する。 ここからは走路が1車線となる。 道路自体は、今までと同じ4車線なのだが、ラバコンで区切られた左側1車線のみが走路となる。 それまでの半分になるわけなので、一気に混雑となる。 ここ3km、全体の流れより少し速いペースだったので、混雑してしまうとペースが落ちることになる。 縫って走ったり、歩道寄りの側溝の上を走るという手もあるが、無理することもないと思い、自重する。 次の1kmは5:15。 走路混雑の影響だから、これも仕方がない。 10kmのスプリットは52:46。 想定より46秒遅いが、まあ許容範囲ないだろう。 5kmまでは弱気だったが、少し気持ちが持ち直してきた。 この狭い1車線の区間は、2km少々続く。 かすみがうらマラソンの青いTシャツを着たランナーが、左側の側溝や歩道を走って前に行くのが見えた。 自分もついていこうか迷ったが、さすがに歩道は走りたくないので見送る。 焦っても仕方がない。先は長いのだ。 せっかくだから、少し体を休ませてもらう事にした。 次の1kmは、少し上がって5:10。 とはいっても、それまでより10秒ほどラップを落としたので、いい休憩になった。 クリーンセンター入口交差点を左折すると、道が広くなる。 片道1車線の道ではあるが、路肩が広いし、復路用の反対車線も、さすがにまだ走者が来ないので、多少のハミ出しは許される。 だいぶ体が温まってきた。 そしてなにより、さっきまで痛かった足の痛みがひいた。 何が痛みの原因だったのだろうか。 もしかしたら、寒さだったのかもしれない。 なにはともあれ、痛みが消えたのは良かった。 体調が良くなってきたので、少しペースを上げる。 県道に入ってまもなく12km地点。 ラップは5:02。 まずまずである。 復路との境に置かれたラバコンを倒さないように注意して他のランナーを抜いていく。 13kmまでの1kmは5:01。 これもまずまずだ。 7〜8kmは、少し力を入れてギリギリ5分切りだったが、今は楽に走って5分だ。 いい感じになってきた。 かすみがうらマラソンのTシャツを着て、狭小区間で歩道を走って前に行ったランナーが近づいてきた。 やがて、そのランナーも抜かす。 14kmまでの1kmは4:57と5分切り。 体も軽くて、5kmまでの不安が完全に吹っ飛んだ。 やがて、和台原交差点を左折。 ここから折り返しまで、ほぼ一本道。 それまで、研究学園都市らしい街並みだったが、ここからは茨城の田舎の風景となる。 ちょうど、かすみがうらマラソンを走った時と同じイメージだ。 15kmまでの1kmは5:01。 安定したラップである。 15kmのスプリットは1:17:57で通過。 想定より57秒遅いが、まあ仕方がない。 前半に原因不明の足痛もあったし、10km付近の狭小走路にも悩まされた。 それより調子が良くなってきたので、このままのペースを維持しようと思った。 かすみがうらの時は、15km付近に坂があったなと思う。 だが、つくばのコースは、ほとんど平坦だ。 体の調子が良くなってきて、気分良く走っている。 もう15kmも走ったのか、という感じだ。

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 そろそろ16kmポストかなと思って時計を見ると、7分になっていた。 どうやらキロポスト標識を見落としたらしい。 だが、そう思うということは調子がいい証だ。 17kmポストで時計を押すと9:47。 案の定5分/kmを切っている。 だが、またしても靴紐が緩んできた。 調子がいいだけに止まりたくないが、こればかりは仕方がない。 左側の歩道に入って紐を結び直す。 18kmで時計を押すと4:48。 紐を結んだのに、えらくいいラップだなと思う。 反対車線を走る折り返しランナーが増えてきた。 自分より速い人たちを見ると力になる。 19kmまでの1kmは4:56。 スタートしてから、少しずつラップが良くなっていくという、理想的な走り。 たしか、かすみがうらの時は、このあたりの坂でガクっとペースダウンした。 今日は快調だ。 あっという間にここまで来た感じだ。

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 20kmまでの1kmも、やはり5分を切って4:56。 理想的である。 通算1:42:24。 想定ラップからの借金を、24秒まで減らした。 なにより、疲労感が全くないのがいい。 かすみがうらの時は20kmで結構疲れていたなと思う。 その時に比べて、疲れもなく、タイムもいいので、こりゃ自己ベストは確実だなと思う。 今にして思えば、ちょっと気が早いのだが。 20kmを過ぎると折り返し。 対向走者が見える折り返しコースもいいもんだなと思う。

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 21km手前で給水。 最近は走りながら飲むのに慣れてきたのだが、ここでは失敗してむせてしまった。 この給水所では、給食としてアンパンがある。 いつもなら、そろそろ給食する時間だ。 だが、今日はスタート前に餅を食べ過ぎたせいで、あんぱんを見ただけで吐き気がする。 いつものように、ポケットにはチョコレートを入れているし、さらにはチーズまで持っている。 だが、とても食べる気にはなれない。 持たずに走ればよかったなと思う。 給水に失敗したせいもあり、この1kmは久々の5分オーバー。 といっても5:01だから、悲観することはない。 その後、時計を止めてしまうというアクシデントがあったが、気を取り直して23kmから再計測。 22kmまでの1kmは、全体タイムから差し引けばよい。 折り返してから、ずっと背中にクーの絵が入ったシャツを着たランナーに付いて走る。 そのランナーも快調に走っていた。 23kmまでの1kmは4:42と、ベストラップ。 本当は、そのクーのランナーについて走りたかったが、32kmの給水に寄ったので、お別れとなった。 自分は水分ぬんぬんより、腹がいっぱいで、何も入れなくないという感じだった。 24kmまでの1kmは4:49と、相変わらずいいラップ。 まだ体に疲れは無かった。 心の中で、体力を使うのは、まだ先、まだ先、と言い聞かせて走る。 だが、4分台、しかも4:50程度のラップを連続して出していた自分に、少し酔いしれていた部分があったかもしれない。 それが知らず知らずのうちにオーバーペースになっていたのかもしれない。 何といったって、練習不足なのは事実である。 それなのに、自分は調子がいいと過信してしまったのだろう。 5分/kmペースならともかく、4:50/kmペースはやりすぎであった。 正直、3時間半というタイムが頭をよぎった。 もしこのままのペースで走って、足の疲労が来なくて、終盤にペースアップできれば。 今にして思えば、馬鹿な事を考えたもんだが、その時は、そんな事すら考えるほど調子がよかった。

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 25kmを通過。 この1kmも4:47と、それまでとほぼ同じラップ。 時計を止めてしまったのでスプリットタイムがわからないのが残念だが、ラップからいって、この5kmは24分くらいで走ったと思われる。 想定ラップより早くなっただろう。 とはいえ、最初の5kmを27分掛かっているから、もし仮に3時間半を目指すのであれば、このペースを維持しても厳しいのが現実だ。 友人からいただいた本には、25〜30kmをベストラップで走りなさいと書いてあった。 だが、この本質は、25kmまで抑えて走りなさいということだろう。 決して25〜30kmで全力を出しなさいという事ではあるまい。 そんな事、考えれば当たり前なのだが、つい「25〜30kmをベストラップ」だけが頭に残ってしまった。 26kmまでの1kmを4:46、次の1kmも4:48、さらに次の1kmも4:49と、25〜30kmをベストラップにすべきペースで走る。 だが、ここで第一段の疲労がやってくる。 足というより、体が疲れてきた。 5分を大幅に切るペースを維持するには限界だった。 次の1kmは給水があったせいもあるが、遂に5分を割って5:05。 久々の5分台のラップである この給水所では、名物のお汁粉がある。 だが、やはり腹がいっぱいで、とても食べる気がおきない。 どうやら、今日は42km給食なしで走ることになりそうだ。 しかし、5分に落ちたのは、給水ロスが原因ではなかった。 明らかに体が疲労していた。 28kmまでは、他のランナーを抜くことが多かったが、ここへ来て抜かれるケースが増えてきた。 クリーンセンター入口交差点を左折すると30kmポストなのだが、給水がないのに、キロラップは5:11まで落ちてしまった。 29kmの給水後に、青い毛の作り毛を被ったランナーを抜かしたのだが、31km手前で、今度はそのランナーに抜かれる。 一度抜かしたランナーに抜かれるとは、ペースが落ちてきている証拠だ。 しばらくは、そのランナーに付いて走る。 だが、次第にそのランナーに付くのが苦しくなる。 そして、西大通り入口交差点を左折する辺りで、遂にその瞬間はやってきた。 痙攣。 考えてみれば、無理は無かった。 明らかな練習不足のなか、16kmから28kmまで、ほぼ5分/kmを切るラップを維持し続けてきたのだ。 それまでの爽快な走りから一転、ここからは我慢の走りとなる。

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 まだ残り8kmもある。 マラソン独特の35kmの壁。 今までも経験はしていたが、ここまで急に、まさに壁のように立ちはだかったのは初めてだ。 すがる思いで33km先で給水。 歩いて飲もうかとも思ったが、まだそこまで妥協したくないと、走る続ける。 通常であれば、水分補給をすれば、疲れが体が一時的に元気になるものだが、今日に限っては、飲むと飲んだだけ胃がムカムカしてゲップが出るから困りものだ。 33-34kmのラップは5:36と一気に落ちてしまう。 その先に口の堀陸橋がある。 平坦なコースの中で、数少ない上りだ。 痙攣の足に、この上りはしんどい。

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 30kmまでは、気持ちよくランナーを抜かして走っていたが、さすがにこのペースだと抜かれまくられる。 今までのレースでは、後方スタートが多く、かつ大失速はなかったので、どんどん抜かれた経験はあまりない。 やはり次々抜かれていくのは、屈辱である。 自分が抜かすのは、歩いているひとばかり。 走っている人には、ほとんど抜かれる状況である。 35kmまでの1kmは5:29と、ほんの少しだけ戻したが、足が痙攣していしまっている以上、大幅なペースアップは望めない。 かすみがうらの時も、たしかこの辺は気持ちが切れて、ゆっくり走っていた。 だが、残り5kmで、劇的なペースアップをした。 できれば今日も最後にペースがあげられればいいのだが、足の痙攣だけでなく、体も疲れているので、かなり厳しい状況だ。 36kmの給水も取る。 ボランティアの人に「頑張って」と声をかけられる。 「ありがとうございます」とお礼を言ったが、口では言ったものの、体が付いてこない。 この1km5:32と、もう低レベル安定状態。 なんとか自分と同じようなペースのランナーを見つけてついていく。 37kmまでの1kmも5:35と、ペースが落ちてゆく。 さて、残りは5km。 かすみがうらの時は、ここからペースアップした。 だが、今日は本当に限界。 ペースアップどころか、さらに足が上がらなくなる。 猿壁十字路を左折したとき、段差でもないのに、足が地面にひかっかって、危うく転倒するところだった。 この先は大学構内。 段差があるので気を付けねばならぬ。 あと5kmだ、頑張れと自分に鞭を入れるが、ペースは下がる一方。 最悪ラップの5:46まで落ちる。 大学構内に入って、帰ってきたなと思えなくもないのだが、あとまだ20分以上も走らなければならないのかという気持ちになる。 3時間前、意気揚々と走った大学構内を、今は、ああ、早く終わってくれないかな、という気持ちで走っている。

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 ペースは変わらず、39kmまでの1kmも5:46。 残りが少なくなると、普段の練習を思い出す。 あと3kmとなると、多摩センターから家までの距離だなと思う。 そう思うと頑張れることが多い。 だが、そう思っても今日はペースが上がらなかった。 大学構内に第二折り返しがあって、ほんのわずかな距離を行って帰る。 ただ少しの距離の往復すら苦痛に感じる。 早くゴールして、早くこの苦痛から解放されたい、そう思う。

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 まもなく40kmを通過。 この1kmも5:45。 25kmのあたりでは、悪くても3時間35分くらいでゴールできるかなと思っていた。 だが、ここへ来て急失速。 しかも、22kmで時計を止めてしまっているので、スプリットタイムがわからない。 もしかしたら、3時間40分を切れないのではないかという思いが頭をよぎる。 それだけは絶対に嫌だった。 30kmまでそこそこのスプリットで走っていて、それでいて3時間40分を切れないとは、情けない限りである。 そう思うと、ここから頑張らなければと思った。 あと2kmと思えば、また力が湧いた。 平塚通りを跨ぐ陸橋があるのだが、40〜41kmは5:28と、少しラップを戻す。

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 あと1km。 3時間40分オーバは嫌だ。 さらにペースが上がる。 足は限界に来ていたが、もう残りわずか。 壊れてもいいという気持ちで走る。

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 やがてスタート地点を通過。 40-41kmは5:06と、再び5分近くのラップに戻す。 残り200メートル。 左折して競技場に入ればゴールだ。

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 ゴールゲートとともに、時計が見える。 3時間41分を示していた。 スタートロスを考えれば、3時間40分は切ったことになる。 よし、レース前に掲げた目標は達成できそうだ。 残り2kmから、足の痙攣を無理やり忘れさせ、頑張った。 ゴール! 自己ベスト大幅更新。 よく耐えた。

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 今にして思えば、25kmあたりのオーバーペースが悔やまれる。 だが、今日はこれでよかったのだ。 足がどこまで持つかわからない状況で、精一杯頑張ったと言えるだろう。 練習不足だから、痙攣は仕方が無かった。 だが痙攣してからも、なんとか6分までラップを落とさずに走れたのは、一回り成長したと言っていいだろう。 板橋やかすみがうらの時は、6分台のラップが結構あったし。
 
 トラックを半周歩いて完走証をもらう。 タイムは3時間37分56秒。 順位は2875位。 ゼッケン番号を上回る順位でゴールすることができた。 Dブロックでのスタートが身の丈知らずではなかったことを証明できたのは良かった。
 
 ゴール後に、アミノバリューの500ミリリットルペットボトルをもらったのだが、腹が張って飲む気になれない。 結局、ゴール後に水分を摂取することはなかった。 水分不足を懸念して、レース中は飲みたいと思う前から給水に努めたつもりだが、結果的に過剰摂取になったかもしれない。
 
 陸上競技場を出て、更衣室がある多目的広場へと歩く。 さすがに足が痛い。 かすみがうらの時はテニスコートに座り込んだが、今回は座ることなく荷物を受け取り、更衣室へ移動する。 座りたいというより、膝が曲げられないというのが実態だった。 座るには、足を伸ばして座るしかなさそうだ。 が、膝を曲げないと靴が脱げない。 仕方なく、立ったまま足に力を入れて、無理やり抜こうとした。 右足は無事に靴から抜けたが、左足を抜こうとした瞬間、ピキンとした痛みが走った。 こむら返りを起こしてしまった。 慌てて靴を履いたまま更衣室に倒れこんだが、こむら返りを起こした時に横になると、さらに痛みが増すことは、寝ているときにそうなった時に経験済みだ。 再び立ち上がって、筋肉が和らぐのを待つ。 自分が立ち上がった場所は通路になっており、邪魔となってしまったが、こむら返りが治まるまで、その場から動くわけにもいかず「すみません」と言い続け、その場でしばらく立っていた。
 
 行きと同じように、シャトルバスに乗って帰る。 これまた、たまたまタイミング良くバスに乗り込み、座ることができた。 バスは研究学園経由でつくば駅まで行く。 つくばエクスプレスに確実に座って行きたいなら、つくば駅までバスに乗ればいいのだが、思ったより足が無事なので、研究学園で降りる。 全体の2875番でゴールしたし、ゴールしてすぐに会場を出たので、まだ人は少なかった。 研究学園14:03の区間快速に乗る。 つくば駅から乗った人で満席だろうと思っていたが、予想に反して電車はガラガラ。 南流山まで座る。 武蔵野線と総武線も座れて、本八幡まで座って帰った。 しかし、思ったより足が軽い。 今足を動かしておけば明日の筋肉痛がすくないかと思い、本八幡から実家まで少し走ってみた。 だが、さすがに途中で歩いた。
 
 それでもやはり翌日は筋肉痛だった。 夜行バスで東京から敦賀に帰ったのだが、敦賀インターから家までの2.6km、いつも走っているのだが、その日は走れなかった。 月曜の夜走ったおかげか、筋肉痛は火曜日は大したことなかった。 だが、昨シーズン痛めた左ひざが痛くなってきた。 筋肉痛は大歓迎だが、膝の痛みは困ったものである。 半年前に膝が痛み始めて医者に行ったとき、そもそも骨と骨との間隔が近い状態であると言われた。 やはり完治はしないのかもしれない。 痛みを受け入れて走っていこうと思う。
 
 今回のこのタイム、どう評価したらいいのだろうか。 もちろん自己ベストであることは間違いない。 だが、過去2回は、膝を痛めた状態で走ったものだ。 半年経って、練習状況や体重が大きく変わってしまったので、過去のタイムとの比較は無意味なのかもしれない。
 
 今後、しばらくレースはない。 次のレースは、3月2日の鴻巣パンジーマラソン(ハーフ)である。 今シーズンは、ハーフを走らず、フルマラソンだけにしようかと思っていたが、それだと距離練習ができないので、ハーフを走って距離練習代わりとすることにした。 フルマラソンは、あと2回。 3月24日の佐倉朝日健康マラソンと、4月21日のかすみがうらマラソンである。 といっても、現時点でかすみがうらはエントリー開始前だが、多分申し込みは可能であろう。
 
 今回、距離練習をせずに走って3:37:56だから、頑張れば3時間半も目指せるかもしれない。 だが、やはり問題は左膝だ。 距離練習をすれば、当然膝を痛めるリスクが伴う。 もう、昨シーズンのように、普段から膝が痛むのは嫌である。 やはり自分の原点は、生活習慣病改善のためのランニング。 距離を伸ばす事を意識せず、気が向いたらLSD、時にはビルドアップ走という練習で行こうと思う。 もちろん、通勤ランニングは欠かさない。
 
 今回のタイムで、ひとつわかった事は、体重を減らせばタイムが縮まるという事。 もしかしたら、自己ベストを更新した要因のすべては、これかもしれない。 だが、かすみがうらマラソンの頃より軽かったとはいえ、レース1か月前より5kg程度体重が重かったのも事実だ。 来年3月4月のマラソンには、52kgくらいまで体重を絞って望みたいと思う。
 
 大会としての印象を。 何より、ランナーの質。 スタート前の放送で、派手さはないが、真剣なランナーが多いのが特徴、と言っていたが、その通りだと思った。 お祭り的要素は少ないが、1人で参加する私のようなランナーには最高の大会だ。 コースは基本フラットで、タイムが出やすいのは事実だと思う。 残念な点を挙げるとすれば2つ。 1つは大学構内の道路の突起物だ。 スタート直後とゴール手前にここを通るのだが、スタート後は走路混雑で足元が見にくく、ゴール手前は疲れで足が上がらないので転びやすい。 自分は転ばなかったし、転んだ人も見なかったが、口コミによると転んだ人が結構いたらしい。 2つめは走路混雑。 9〜12qの1車線走行は、正直走りづらかった。 だが、結果的にここでペースを落とした事が、体力温存につながったかもしれない。 トイレが少なく行列が凄いとの噂だったが、男子トイレは、ほとんど行列が無かった。 ただ、女性用は気の毒なくらい長かった。 あれは可哀そうだと思った。 むしろ男女兼用の方が早かったのではないか。
 
 翌週、すべてのランナーの結果が明らかとなった。 まず、つくばマラソンを語る上で重要なデータを。 ゴールした男子9,185人のうち、ネットタイムでサブフォーを達成したのは4,832人。 半分以上の52.6%の人がサブフォーを達成している。 ちなみに、昨年のかすみがうらマラソンのサブフォー達成率は32.9%であるから、つくばはいかに真剣なランナーが多いかという事だろう。 昨年のかすみがうらは、予想タイム3時間39分58秒で申し込んで、全8ブロックのうち前から4ブロックのDブロックスタートだった。 今回は、3時間39分39秒で申し込んだので、もしかしたら8ブロック中前から3番目のCブロックかなと思っていた。 しかし、送られてきたスタートブロックは、4番目のDブロック。 それを見て、レベルの高い大会なのかなと思ったが、結果を見てそれが証明された。 自分の順位はグロスで2,875位。 スタートラインを越えてからのネットでは何位かなと思って計算したら、2,834位だった。 その差がわずか41人だから、比較的ゴールタイム相応の位置からスタートした事がわかる。 ちなみに、スタート順は4,223番目。 すなわちゴールまでに1,389人抜いた計算になる。 だが、そのほとんどは28kmと思われる。 正確に言うと、28kmまでは2,000人くらい抜いたのではないか。 そして、28〜40kmの間に600人くらいに抜かれたような気がする。 青梅マラソンのように、5km毎の順位が分かればいいのだが、つくばマラソンは公式ラップ計測箇所が、スタートと中間点とゴールしかない。 だが、30km以降、本当によく抜かれた。 今回は今までより持ちタイムが早いランナーに混ざって走っていた。 恐らく、そのランナー達はマラソンをよく知っていて、イーブンペースで走っていた人が多いのだろう。
 
 1q毎のラップを見てみる。

 
ラップ
スプリット
備考
0〜1km5:425:42 
1〜2km5:2911:11 
2〜3km5:2216:33 
3〜4km5:0821:41 
4〜5km5:2627:07 給水
5〜6km5:2232:29 止まって靴紐結ぶ
6〜7km4:5937:28 
7〜8km4:5942:27 
8〜9km5:0447:31 給水
9〜10km5:1552:46 走路狭小
10〜11km5:1057:56 走路狭小
11〜12km5:021:02:58 
12〜13km5:011:07:59 
13〜14km4:571:12:56 
14〜15km5:011:17:57 
15〜16km4:541:22:51 
16〜17km4:531:27:44 
17〜18km4:481:32:32 止まって靴紐結ぶ
18〜19km4:561:37:28 
19〜20km4:561:42:24 
20〜21km5:011:47:25 給水
21〜22km4:491:52:14 
22〜23km4:421:56:56 
23〜24km4:492:01:45 
24〜25km4:472:06:32 
25〜26km4:462:11:18 
26〜27km4:482:16:06 
27〜28km4:492:20:55 
28〜29km5:052:26:00 
29〜30km5:112:31:11 給水
30〜31km5:092:36:20 
31〜32km5:112:41:31 
32〜33km5:182:46:49 
33〜34km5:362:52:25 給水
34〜35km5:292:57:54 
35〜36km5:323:03:26 
36〜37km5:353:09:01 給水
37〜38km5:463:14:47 
38〜39km5:463:20:33 
39〜40km5:453:26:18 
40〜41km5:283:31:46 
41〜42km5:063:36:52 
42km〜ゴール1:043:37:56 

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 給水、靴ひも結び、走路混雑により若干の凸凹はあるが、ゆっくりめに入って徐々にラップを上げていく走りは、過去2回の走りと同じ。 最初の10qは、なかなか5分を切れなかったが、やがて体が温まって来てからは、コンスタントに5分を切るようになる。 5分程度に抑えていけばよかったのかもしれないが、ついついいい気になって4:50くらいのラップを刻んでしまった。 グラフを見ると、最初の落ち込みは29qだった。 確かに、このころから体に疲れを感じるようになった。 ガタっと落ちたのは34qから。 体の疲れだけでなく、足にもきてしまったので、どうしようもなかった。 5:40程度のラップが精いっぱいとなってしまった。 それでも、なんとか最後の2qはペースアップ。 精いっぱいのラストスパートだった。 あの状況では、もう10秒縮めろと言われても無理だった。 しかし、全体での落ち込みはあったものの、急なペースアップやペースダウンは、あまり無かったと言える。 恐らく距離表示も正確だったのだろう。
 
 5q毎のラップを、過去2回の大会と比較してみる。

 
ラップ
キロラップ
備考
0km〜5q27:075:25 
5km〜10q25:395:08 
10km〜15q25:115:02 
15km〜20q24:274:53 
20km〜25q24:084:50 
25km〜30q24:394:56 
30km〜35q26:435:21 
35km〜40q28:245:41 
40q〜ゴール11:385:18 

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 ゆっくりはいって、徐々に上げていくのは、過去2回と同じ。 しかし、さすがに今回はベースのペースが速かった。 中盤、思ったより調子が良く、どんどんラップは上がって、25qのラップは4:50だった。 今にして思えば、少し速すぎた。 5分ちょうどくらいにしておけば、後半の落ち込みが抑えられたかもしれない。 30qをベストラップとするといいとのことだが、25qに比べて落ちてしまっている。 しかも、意識的にペースを落としたわけではなく、体が疲れて落ちてきてしまったのだ。 結局その後は痙攣もあり、ラップは落ちる一方。 40qは5:41と、25qのラップより51秒も遅くなってしまった。 この落ち込みは、落ち込み幅としては過去最大だった。 まあ、今回は完走する事が目的ではなく、前半突っ込んで入ったので、ある程度仕方がないが。 それにしても、今までで一番後半がきつかったのは事実。 35qの壁というものを思い知らされた気がする。 しかし、これこそがマラソンの醍醐味。 これを乗り越えてこそ、マラソンを克服したと言えるのだろう。 次回走るときは、できれば中盤までこのラップを維持し、後半落ちない足を作って挑みたいと思う。
 
 といっても、冷静に考えれば、この練習量で3時間37分は出来すぎ。 タイムの出やすい「つくば」だったからというのも大きいと思われる。 次回のフルマラソンは2013年3月の佐倉マラソン。 途中に丘を上り下りするアップダウンや、後半の未舗装道路があるという。 こういうコースでタイムを出してこそ実力だと思う。 いきなり3時間半は厳しいと思うので、3時間35分を目指そうと思う。 それには、中盤まで今日に近いラップで走って、後半の落ち込みを減らさなければならないなと思う。



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