2011/11/27 小江戸川越マラソン(ハーフ) inserted by FC2 system



小江戸川越マラソン
 二度目のハーフマラソン。 体調は、あまりよくない。 少々風邪気味だった前回よりはいいかもしれないが、とにかく寝不足である。 5日前、終電を無くして府中から走って帰り、寝たのが5時になったのをはじめ、とにかくこの一週間、睡眠時間が不足していた。 24〜25日の出張では、早く寝たつもりだが、ホテルの部屋が別館でプレハブだったため、寒くて夜中に何度も目を覚ました。 乾燥覚悟で暖房を入れて寝ればよかったなと思った。 大会当日も8時までに受け付けを済ませなければならないので、5時に起きなければならない。 目覚ましを2つセットして寝る。
 5時ちょうどに起きる。 なんと下痢気味だ。 昨日の夜は、食べる量を少なくしたつもりだが、なぜだろうか。 まずトイレに行く。 ストッパを飲みたくなるほどではないが、柔らかい。 嫌だなと思う。
 乗るべき電車は5:54。 時間がギリギリなら、コンビニでおにぎりを買って電車の中で食べようと思っていたが、時間があるので冷凍のご飯を解凍して食べる。 それでも時間があったので、5:36の電車に乗った。 当初は、武蔵野線で秋津まで行って、西武に乗換えて川越の一つ手前の南大塚から歩く予定であった。 だが、1本早い電車に乗れたので、JRから西武線への乗換えは国分寺とした。 京王線から南武線に乗換える駅は、通常稲田堤である。 しかし自分は京王線の稲城からJRの稲城長沼まで1.2q歩く。 ウォーミングアップを兼ねて走るという選択肢もあるが、極力足の耐力を温存しておきたいので、走らずに歩く。 乗り換え時間は20分あるので十分だった。 朝なので、座れて立川へ、中央線に乗換えて国分寺へ、さらに西武国分寺線で東村山へ行く。 ここで本川越行に乗換える。 このあたりから、明らかに川越マラソンに出場するのだなという人が増えてくる。 自分は南大塚から歩くつもりだが、他の人はどうするのだろうか。 恐らく本川越まで行って、そこからシャトルバスで会場に行くのだと思われる。 だが、シャトルバスといっても、会場から1q以上離れたところで降ろされてしまう。 なら、人の少ない南大塚から3q歩いたほうがいいなと思った。 やはり南大塚で降りる人は少なかった。 大会に出席しそうな人は私一人。 駅で再びトイレに行く。 駅を7:28に出て歩き始める。 会場までは3q、歩いても間に合うだろうと思っていた。 途中、大会出場者と思われる人が走って抜いていった。 気にせず自分は歩く。 あと7分というところで目の前に会場が見え、間に合ったと思ったのもつかの間、予定していた入口が閉まっていて入れない。 仕方なくぐるっと正門にまわる。 これはまずいと思って走る。 ただ、正門から入場していく人がまだたくさんいたので、8時ちょうどに締め切ってしまう事は無いだろうなと思っていた。 それでも不安なので公園の中を走って7:58に受付を済ませた。
 会場は、川越水上公園。 夏はプールらしい。 更衣室もあるので、なかなかいい会場だなと思う。 昨年は仮設トイレが少ない等、色々問題があったようだが、改善されたのか、私には非常にうまく運営しているように見えた。

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 駅でトイレに行ったはずだが、またトイレに行く。 アミノバリューを配っているブースがあったので、コップ一杯もらって飲む。 あとは着替えれば準備OKと思った。 着替えてブルゾンを羽織って、レース20分前に荷物と一緒にコインロッカーに入れようと思っていた。 しかし、薄着になったら、またトイレに行きたくなった。 列はできているが、でも5分くらい待てば良さそうだ。 まだ時間はあるので、行く。 南大塚の駅から、短時間で3回だ。 ただ、下痢が収まってくれたのは助かった。
 レース開始25分前に荷物を預けて待機レーンに並ぶ。 ブロックはA〜Hの8ブロック。 私はDなので、真ん中より少し前だ。 25分前から並んだので、Dブロックの中でも比較的前のほうに位置する事が出来た。 手賀沼の時のよりマシな位置だなと思う。 しかし寒い。 半袖短パンなので、待っている間は辛い。 早くスタートしてほしいなと思う。 10qの部がスタートして、スタートブロック全体が前に進む。 あとはスタートを待つばかりだ。
 さて、今回の目標。 1時間42分。 本当は1時間40分といいたいところであるが、手賀沼のタイム(1:44:47)を考えたら妥当な目標である。 鍵になるのはスタートして最初の6qの走り方である。 走路が狭くて、抜かすのに一苦労らしい。 北環状線に入ってしまえば、片道二車線の広い道路で、走者もばらけてくるだろうから、自由に走れるだろうと思った。 だが、最初の6qで自重してしまっては、あとから取り返すのは容易ではない。 とにかく早いうちから自分のペースに持ち込もうと思った。 1時間42分に必要なラップは4:50/qである。 とにかく、極力このラップを下回らないで走ろうと思った。 前回10qの通過が49:46であったから、前半どんなに遅く入っても49分は切ろうと思っていた。

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 9:15に号砲が鳴ったようだ。 もちろん、我々Dブロックはすぐには動かない。 手賀沼の時は動き始めるのに2分、スタートラインを超えるのに5分掛かったが、今回は1分もしないで動き始める。 ただ、しばらくして止まり、また歩き始めて、やがて小走りになってスタートラインが見えてくる。 2分のロスくらいになりそうだ。 ただ、このスタートロスは自分には関係ない。 自分はあくまでグロスタイムを気にしている。 手賀沼の時は、スタートが比較的狭く、500メートル走ると走路が広くなって、そこから抜きにかかれたが、今回はそうはいかない。 スタートライン自体の幅が比較的広く、その先、ほぼ同じ広さの道路がずっと続くので、逆に抜かしどころが現れない。 予想通りスローペース。 しかも抜かせない。 まあ、予想されたことであり、しばらくは我慢である。

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↑写真でもジョギングのような遅いペースの走りなのが分かる


 水上公園通りを東に向かって、突き当たる手前が1q地点。 時計を押すと5:44。 こりゃ、えらいタイムだなと思う。 想定ラップより1分も遅い。 1分を取り戻すのは非常に大変な事である。 いくらなんでも、こりゃまずいなと思う。 無理してでも抜かしたほうがいいのではないかと思い始める。 幸い、スタート直後よりはランナーがばらけてきた。 例によって道路の端はランナーが少ない。 郵便局前の交差点を一番大外で回って、排水溝の上をねん挫に注意しながら走る。 今成の突き当りの交差点を右折するが、今度は大内を回り、中央分離帯の縁石を跨ぐ。 ペースを上げるのには苦労が必要だ。 やがて中央分離帯が無くなると、反対車線に大きくはみ出して、やはり走路の右端をキープする。 ここからJR川越線、東武東上線を跨ぐ橋。 比較的平坦なコースであるが、その中では長めの上り。 陸橋の上が2q地点。 時計は4:49。 まさに想定タイムそのものだ。 借金を取り戻すまでには行かないが、まあこの時点で5分を切ったのはいい傾向だ。 手賀沼の時は、慎重になりすぎて、本格的に5分を切るのに7qも要した。 ゼッケンには、ブロックナンバーが書いてある。 自分は3900番なのだが、ゼッケンにはD3900とある。 一目でどのブロックからスタートしたランカーかわかって面白い。 早くも周りにはCの人が増えてきた。 だが、驚いたことに、EやFのゼッケンの人に、結構抜かれる。 自分とて、そう遅いペースではないと思うが。 連雀町の交差点を左折し、蔵の街川越の中心部に入る。 思ったより混雑感は無く、ペースの速いEやFのゼッケンの人について、遅い人を抜かしていく。 人とぶつからないように気を使っていたせいか、3qの看板に気付かなかった。 このへんがが時の鐘のあたりであり、川越を満喫できるハイライト区間であるが、自分は走る事で精一杯。 あまり景色を見る余裕はなかった。 が、カメラ目線なところが、前回と違って余裕の証拠である。

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↑このマラソンのハイライトであるが、街並みを見る余裕はなかった


 札の辻の交差点を右折してまもなく4q地点。 時計を押すと9:22。 1qに直すと4:41か、と思う。 悪くは無いペースだ。 自分の時計は2段表示になっていて、上段にラップ、下段にスプリットが表示される。 スプリットタイムを見ると、19:55。 最初の1qが異常に遅かったにも関わらず、早くも5分/qペースを上回っている。 手賀沼の時、5分/qペースを上回るのに9qも掛かった事を考えると、一気にペースが上がっている。 最初の給水地点。 前回は、10q手前から給水を取り始めて、それ以降の給水は全てとった。 だが、最後はそれがあだとなって腹痛を起こした。 今回は涼しいので、給水は1回でいいだろうと思った。 ましてや5q手前の給水は、前回も取っていない。 今回も眼中無く、給水テーブルから離れて前を行く。 そろそろ目標とするランナーと見つけたいなと思っていたら、少し前に派手なシャツでいい走りをしているランナーが見えた。 ゼッケン番号D532。 今回は背中にもゼッケンを付ける事になっているので、後ろからでもどのブロックのランナーかわかっていい。 このランナーに付こうと思った。 前回は最初の5qまで、「HARA88」のレプリカユニフォームのランナーに付いたが、どうしても服が目立つランナーに付く癖があるようだ。 まあ、それはともかく、しばらくそのランナーに付いて、全体の流れより少し早いペースで前にいく。 川越高校の近くの交差点を左折し北上する。 係員が「この先走路が狭くなっております」と声をからしている。 大変だなあと思う。 確かに中央線の無い細い道路だが、もう大分ランナーもばらけているし、細いのは次の交差点までの200mほどなので、問題は無かった。 氷川神社前の交差点を左折して、今度は西に向かう。 さらに300mほど走って、突き当りの交差点を右折する。 その手前が5qだったようなのだが、D532のランナーに離されまいと付いていったら表示に気付かなかった。 右折を終えて県道12号線に入って、そろそろかなと思って時計を見たら、既に6分になっていた。 今度は神明町の交差点を左折する。 このあたりで、10qコースの遅れたランナーが現れる。 我々より25分前にスタートしているから、6qに55分も掛かっている計算になる。 運営するほうも大変だなあと思う。
 6qで時計を押すと9:17。 もちろん2q分のラップだが、1qに直すと4:40を切っている。 これはいいラップだ。 呼吸を使う走りであるが、まあすぐにばてるほどのペースではない。 このままD532のランナーについて頑張ってみようと思う。 6〜7kmは4:38。 引き続きいいラップだ。 手賀沼の時のベストラップが、このくらいだったと思う。 ここ数キロ、すっとそのラップで走っているのだからいいペースだと思う。 今成2丁目の交差点を右折すると、いよいよ北環状線。 片道2車線の広い道路だ。 広くて気持ちがいい。 向かい風を心配したが、そう強い風ではない。 道が広いので、他のランナーを抜くのが楽になる。 余裕を持ってD532のランナーに付く。 自由に伸び伸び走れるようになったからか、7〜8qまでのラップは4分半を切って4:29。 これは素晴らしいラップだ。 今年3月、10qで44:05のタイムを出したが、その1〜7qのラップに匹敵する。 8qの看板とともに、「この先給水」の看板が現れる。 走る前は、13qの1箇所のみ給水予定だったが、走っているとどうしても甘えが入ってしまって、飲みたいなと思ってしまう。 気になるのはD532のランナーだ。 もしこのランナーが給水を取ったらどうしよう。 つい自分も付いていって、給水してしまいそうな気がした。 お願いだ、給水しないでくれ、と思う。 5q手前の給水では、少しの人しかとらなかったが、さすがにここへ来ると、取る人が増えてくる。 だが、幸運にも、D532のランナーは給水テーブルには近づかず、そのまま前へ歩を進める。 自分もそれに続く。 8〜9qのラップは4:37。 悪いタイムではないが、7〜8qのラップに比べて8秒も落ちている。 ずっとD532のランナーの4〜5mほど後ろを走ってきたが、ここのとこと距離が詰まり気味である。 D532のランナーのペースが落ちてきたのかもしれない。 ここは思い切って勝負どころと、いよいよそのランナーの前に出る。 しばらく北上してきた北環状線だが、国道254号バイバスに出る手前で折り返す。 折り返すと10q地点。 時計を押すと4:31。 またペースが上がった。 やはり自分としては、抜いたランナーに追いつかれるのは気持ちがいいものではない。 できればD532のランナーを離しておきたいという気持ちがあってペースが上がったのだと思う。 もちろんそのランナーからは自分の事は見えないので、そんな争う気持ちは全くないだろうが。 折り返したので、そのランナーとどれほど離れたか確認しようと思ったが見当たらなかったので、ほとんど差が無かったのだろうと思われる。 ちなみに、そのランナーのゴールタイムは私のタイムより1分45秒遅かったので、この地点でパスしたのは結果的に正解だった。 ここではさすがに、ラップタイムだけでなくスプリットタイムも確認する。 47:27。 少なくとも49分は切りたいと思っていたが、想定タイムより1分半速い。 まあ、スタート渋滞が1qでほぼ解消したのが大きかったが、その後のペースが速いのも事実だ。 このころから、もしかしたら1時間42分とは言わず、1時間40分を目指せるのではと思いはじめる。 北環状線を南に向かって走っているが、今度は途中の交差点を右折して平塚橋を目指す。 平塚橋の坂を上がったところが11q地点。 この1q4:33。 橋の上りがあったのにこのタイムは上出来だ。 このあたりで、トップを走るランナーとすれ違う。 自分は11q地点、彼らは16q地点だ。 青山学院の見慣れたユニフォームが通り過ぎてゆき、今度は大東文化大学のランナー、そして東洋大学の集団が走り抜けてゆく。 坂を下ると、今度は女性ゲストランナーの吉田香織さんとすれ違う。 折り返しコースは面白いなと思う。
 11〜12qのラップは4:39。 それまでの2qから比べたら、少し落ちるタイムだ。 ちょっと無理した反動かなと思う。 まあそれでも悪いラップではない。 落ち込まずに頑張ろうと思う。 北環状線の広い道路は走りやすかったが、正直単調でもあった。 このあたりは道は狭いが、気分転換に色々な景色の道を走れていい。 12〜13qのラップは4:36。 12qまでで少し落ちたので、さらに落ちると嫌だなと思っていたが、少し持ち直した。 大丈夫だ、このペースでいい。 4:40を上回らないように走ろうと思う。 この頃になると、目標となるランナーが減ってくる。 D532のランナーをパスしてから、ずっと単独走であった。 しばらく前にAブロックからスタートした女性ランナーが見えた。 やはり、気持ち的に、自分より前のブロックでスタートしたランナーは抜きたい、という思いが働く。 だが、そのランナーとて、自分よりわずか2分前にスタートしていま近くだから、そう悪いペースで走ってきた訳ではない。 一気には抜けないので、自分のペースを守って自然に抜き去る。 その先に給水地点。 さすがにここでは取ったほうがいいと思われる。 アミノバリューのテーブルと水のテーブルがあるが、アミノバリューを頂く。 まだ走りながら水を飲むのがうまくない。 紙コップを持って人の少ないほうに退避し、ペースを落として2口飲む。 全部飲む必要も無いので、余った分を捨てて、コップをゴミ箱に放り投げる。 そうしている間に、さっき抜いたAスタートの女性ランナーに抜き返された。 鯨井中学校の折り返しの手前が14qポスト。 この1qは4:43。 給水ロスがあったので仕方がない。 そして、またその女性ランナーを抜く。 恐らく中学校の生徒さんだと思うが、すごい応援だ。 非常にありがたい。 折り返してしばらく、その子供たちに手を振って笑顔で走っていたら、またその女性ランナーに抜かれた。 ちょっとペースを落とし過ぎたのかなと思う。 応援の人波を抜け、またペースを戻す。 その女性ランナーに付こうかとも思ったが、女性ランナーの後ろに付くのは気がひけるので、またゆっくりと抜かす。 14〜15qの1qは4:32と、再びラップを戻す。 ランナーがだいぶばらけてきて、前が大きくあく。 これからは単独走だ。 自分との戦いだ。 手賀沼の時は、人に付いてばかりいたので、その人の陰になって自分が写っている写真が少なかった。 今日は途中からずっと単独走だ。 確か平塚橋の上にはカメラマンがいたはずだ。 カメラの前を両手を上げて走り抜ける。 でもやっぱり右肩が痛くて上がらない。

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↑前が大きく空いたので、カメラを向いて走る


 15〜16qの1qは4:37。 橋の上りがあってこのタイムだから、ペースが落ちたわけではないだろう。 時計のように正確なラップだ。 あと5q。 確かに呼吸は上がってきているが、まだ残り4分の1を走る分の体力は残っている気がする。 足さえ大丈夫なら、このままのペースで押し切れそうだ。 足にしても、2週間前に31qを3時間で走りきった。 地力は付いてきているはず、そう自分に言い聞かせて走る。 平塚橋の坂を下って交差点を右折、再び北環状線を南に向かう。 北環状線に入ってしばらく走って17q地点。 16〜17qの1qは4:34。 自分でもびっくりするくらい正確なラップである。 あと4q。 ただ、正直だいぶ体は疲れてきた。 正確なラップで走ってはいたが、逆に余裕は無かった。 手賀沼の時は残り4qで気持ちを入れ替えたが、そこまでの余裕は無かった。 足の疲労は、無いわけではなかった。 突き当りの交差点を右折して、直線を進めば、妻と娘が待っている地点である。 肉親の応援ほど力になるものは無い。 それを目指して頑張ろうと思う。 先に交差点が見え、右角にファミリーマートが見える。 その角を右折するのかなと思って走っていた。 だが、右折するのは、さらにその1つ先の交差点だった。 些細な事だが、こうしたつまらない事が落胆する要因となる。 気落ちしたせいか、17〜18qのラップは4:37。

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↑このあたりから、かなり辛い表情に


 だが、まだ4:40を割ったわけではない。 このまま押していけば1時間40分を切れそうだ。 この先には妻子が待っている。 そう思うと、何よりの力になった。 今度こそ交差点を右折し、妻子が待つ19q地点を目指す。 はやく妻子の元へ、そう思うと自然とペースがあがった。 川越市保健所のところが最後の給水地点。 だが、自分は給水しなかった。 前回手賀沼で、最後に給水してえらい目にあった。 そもそも、あと2qなら、給水など意味が無い。 走り終わってから飲めばいい。 間もなく道が細くなる。 恐らく、このあたりに妻子は居るだろう。 探すのに苦労するかと思ったが、向かって右手にベージュの服を着た小さい子が見えた。 娘だ! 妻と、妻の妹さんまで応援に来てくれている。 娘も自分に気が付いて、こっちに向かって走ってくる。 「お父さん!」という大きな声が聞こえる。 娘と目があった時間はほんのわずかであったが、こんなに嬉しい瞬間は無い。 と、前を見ると19qの看板が。 慌てて時計を押すと4:29。 前の1qより8秒縮めて、なんと今日のベストラップである。 きっと妻子の力だと思う。 だが、ここからがしんどかった。 本当はペースを上げたいところだったが、その力は残っていなかった。 だが、良く言えば全力を出し切って21qを走りきるペース配分ができているという事だ。 ペースが落ちたという訳ではない。 このままいけば1時間40分切りは確実である。 最後まで頑張ってゴールしようと思う。 「ラスト1q」との応援の声が掛かる。 応援してくれるのは非常にありがたいのだが、また残り1.6qの地点であと1qといわれると、正直しんどい。 やがて20qの表示が現れる。 時計を押すと3:53。 そんなはずはない。 明らかに距離表示が間違っている。 ほぼ正確なラップを刻んで走ってきたので、今までの距離表示は間違っていなかったと思われる。 という事は、ここからゴールまでまだ1.1q以上あるということだ。 最後の辛いところへきて、この表示は勘弁である。 確か20qの看板はJRのガードの下にあったと思う。 あとで地図で測ってみると、妻子がいた19qポストから800mほどしかない。 明らかなミスであろう。 だが、まああと1.3qくらい。 もう時計など気にする事は無い。 1時間40分切りは確実だ。 1秒でも早くゴールしようと前を目ざす。 ゴールとともに気になったのはカメラであった。 水上公園通りに出て右折する地点に、カメラマンの看板が見えた。 せっかくなら写真に写りたい。 そう思うと、人の後ろを走っている訳にはいかなかった。 力を振り絞ってランナーを抜かす。 公園通りに入ってゴールまでは400mほどだ。 やがて向こうに、ゴールの黄色のゲートが見えてくる。 よし、最後だ。 両手を上げてゴールしようかと思ったが、右肩が痛くて手があげられなかった。

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↑ゴール直前・カメラは見えたが、笑顔を作る余裕は無し


 ともかくもゴール、タイムを見ると1時間38分33秒。 今日の目標の1時間42分はもちろん、最終的な目標である1時間40分を大きく切る、自分でも信じられないタイムだ。
 ゴール直後にアミノバリューとバナナをもらう。 手賀沼の時は、もらったポカリスエットを一気飲みしたが、今日は涼しいので思ったより喉は乾いていない。 それよりもバナナが食べたかった。 手賀沼の時もそうだったが、こんなにもバナナが美味しいものなのかなと思う。
 
 
ラップ
スプリット
備考
0km〜1km5:445:44 スタート直後の走路渋滞
1km〜2km4:4910:33 
2km〜3km4:4315:16 
3km〜4km4:3919:55 
4km〜5km4:3824:33 
5km〜6km4:3929:12 
6km〜7km4:3833:50 
7km〜8km4:2938:19 
8km〜9km4:3742:56 
9km〜10km4:3147:27 
10km〜11km4:3352:00 
11km〜12km4:3956:39 
12km〜13km4:361:01:15 
13km〜14km4:431:05:58 給水 
14km〜15km4:321:10:30 
15km〜16km4:371:15:07 
16km〜17km4:341:19:41 
17km〜18km4:371:24:18 
18km〜19km4:291:28:47 妻と娘の応援 
19km〜20km4:391:33:26 
20km〜21.1km5:071:38:33 4:39/q
注:3km,5km,20kmのラップは、次の1kmのラップより推計した値

 キロラップを見てみる。 とにかく、安定してラップを刻んだといえるだろう。 スタート直後と給水があった13〜14q以外、4:29〜4:39という10秒の狭い幅に、ほぼすべてのラップを包含させている。 手賀沼の時は15q以降でラップを落としたが、今回はラップの落ち込みは無かった。 30qを何回か走って、距離への不安が無かった事が大きかったと思われる。
 
111127kawa_lap.png

 とにかく自分でも出来過ぎのタイム。 要因を考えてみると、

@気温が適度で風が無かった
…スタート時の推計気温7℃、ゴール時の推計気温10℃、風は1m/s以下と、走るのには最高の気候であった。
A思ったより走路混雑がなかった
…最初の1qは抜かすに抜かせなく、ひどいラップとなってしまったが、1qを越えてからは、思ったより混雑はなく、走りやすかった。
Bいい具合に目標ランナーが見つかった
…3qから8qまで付いたD532のランナーには感謝である。このランナーのお蔭でペースがつかめた。
Cここ一か月の走りこみの成果が出た
…手賀沼ハーフを走ってから1ヶ月の間に、31kmを二度走りきった事により、自信とともに足の耐力がついた。
D2度目のレースだった
…手賀沼の時は不安で最初自重したが、今回は足への不安が無かったため、最初から飛ばせた。
E妻子の応援があった
…これは何より励みになった。感謝せねば。

 注目すべきは、ハーフと10qの係数。 今まで、自分の練習実績から、その係数は2.33と考えていた。 が、今回のタイムである1:38:33を10qのベストタイム44:05で割ると2.2355。 10qの時はスタートロスがほとんど無かったが、今回はロスがあった事を考えると、2.23と考えて差し支えないだろう。 この係数は2.2〜2.3と言われていて、今まで2.33とその範囲をはみ出していたことから、長距離に弱いと考えていた。 しかし、2.2台前半の数字が出たという事は、距離対応ができてきたという事である。 また、10qのタイム44:05が、決して偶然出てしまったタイムでは無いともいえる。
 次のレースは1月の下野天平マラソンである。 正直、最終的な目標である1時間40分を川越で切ってしまったので、目標を見失いかねないが、出るからにはしっかり結果を出していきたいと思う。 そしていよいよ、青梅の30qと板橋のフルが待ち受ける。 ここまで来ると、30qの2時間半切りとフルマラソンの4時間切りが、絶対不可能とは言えなくなってきたと思う。 30qについては、既に練習で走っており、余裕を持って走って、信号待ちを含めて3時間を切っている。 今日のような走りが出来れば、2時間半というのは目標においてもいいタイムかもしれない。 ただ、青梅は人気大会故、相当走路が混雑するらしい。 想定ゴールタイムを3時間で申し込んでいるので、また自分の実力より後ろからのスタートになるものと思われる。 会社の先輩とエントリーしているので、タイムを目指して走るかは、これから考えようと思う。
 正直、30q以上は未知数なので、フルマラソン4時間切りは可能性について語るべきではないかも知れない。 板橋のレースはタイムを狙う大会ではないようなので、これまた状況を見て考えようと思う。
 とにかく、トレーニングを積むことだ。 定期的に会社から家までの30kmを走ろうと思う。



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