二度目のハーフマラソン。
体調は、あまりよくない。
少々風邪気味だった前回よりはいいかもしれないが、とにかく寝不足である。
5日前、終電を無くして府中から走って帰り、寝たのが5時になったのをはじめ、とにかくこの一週間、睡眠時間が不足していた。
24〜25日の出張では、早く寝たつもりだが、ホテルの部屋が別館でプレハブだったため、寒くて夜中に何度も目を覚ました。
乾燥覚悟で暖房を入れて寝ればよかったなと思った。
大会当日も8時までに受け付けを済ませなければならないので、5時に起きなければならない。
目覚ましを2つセットして寝る。
5時ちょうどに起きる。
なんと下痢気味だ。
昨日の夜は、食べる量を少なくしたつもりだが、なぜだろうか。
まずトイレに行く。
ストッパを飲みたくなるほどではないが、柔らかい。
嫌だなと思う。
乗るべき電車は5:54。
時間がギリギリなら、コンビニでおにぎりを買って電車の中で食べようと思っていたが、時間があるので冷凍のご飯を解凍して食べる。
それでも時間があったので、5:36の電車に乗った。
当初は、武蔵野線で秋津まで行って、西武に乗換えて川越の一つ手前の南大塚から歩く予定であった。
だが、1本早い電車に乗れたので、JRから西武線への乗換えは国分寺とした。
京王線から南武線に乗換える駅は、通常稲田堤である。
しかし自分は京王線の稲城からJRの稲城長沼まで1.2q歩く。
ウォーミングアップを兼ねて走るという選択肢もあるが、極力足の耐力を温存しておきたいので、走らずに歩く。
乗り換え時間は20分あるので十分だった。
朝なので、座れて立川へ、中央線に乗換えて国分寺へ、さらに西武国分寺線で東村山へ行く。
ここで本川越行に乗換える。
このあたりから、明らかに川越マラソンに出場するのだなという人が増えてくる。
自分は南大塚から歩くつもりだが、他の人はどうするのだろうか。
恐らく本川越まで行って、そこからシャトルバスで会場に行くのだと思われる。
だが、シャトルバスといっても、会場から1q以上離れたところで降ろされてしまう。
なら、人の少ない南大塚から3q歩いたほうがいいなと思った。
やはり南大塚で降りる人は少なかった。
大会に出席しそうな人は私一人。
駅で再びトイレに行く。
駅を7:28に出て歩き始める。
会場までは3q、歩いても間に合うだろうと思っていた。
途中、大会出場者と思われる人が走って抜いていった。
気にせず自分は歩く。
あと7分というところで目の前に会場が見え、間に合ったと思ったのもつかの間、予定していた入口が閉まっていて入れない。
仕方なくぐるっと正門にまわる。
これはまずいと思って走る。
ただ、正門から入場していく人がまだたくさんいたので、8時ちょうどに締め切ってしまう事は無いだろうなと思っていた。
それでも不安なので公園の中を走って7:58に受付を済ませた。
会場は、川越水上公園。
夏はプールらしい。
更衣室もあるので、なかなかいい会場だなと思う。
昨年は仮設トイレが少ない等、色々問題があったようだが、改善されたのか、私には非常にうまく運営しているように見えた。
駅でトイレに行ったはずだが、またトイレに行く。
アミノバリューを配っているブースがあったので、コップ一杯もらって飲む。
あとは着替えれば準備OKと思った。
着替えてブルゾンを羽織って、レース20分前に荷物と一緒にコインロッカーに入れようと思っていた。
しかし、薄着になったら、またトイレに行きたくなった。
列はできているが、でも5分くらい待てば良さそうだ。
まだ時間はあるので、行く。
南大塚の駅から、短時間で3回だ。
ただ、下痢が収まってくれたのは助かった。
レース開始25分前に荷物を預けて待機レーンに並ぶ。
ブロックはA〜Hの8ブロック。
私はDなので、真ん中より少し前だ。
25分前から並んだので、Dブロックの中でも比較的前のほうに位置する事が出来た。
手賀沼の時のよりマシな位置だなと思う。
しかし寒い。
半袖短パンなので、待っている間は辛い。
早くスタートしてほしいなと思う。
10qの部がスタートして、スタートブロック全体が前に進む。
あとはスタートを待つばかりだ。
さて、今回の目標。
1時間42分。
本当は1時間40分といいたいところであるが、手賀沼のタイム(1:44:47)を考えたら妥当な目標である。
鍵になるのはスタートして最初の6qの走り方である。
走路が狭くて、抜かすのに一苦労らしい。
北環状線に入ってしまえば、片道二車線の広い道路で、走者もばらけてくるだろうから、自由に走れるだろうと思った。
だが、最初の6qで自重してしまっては、あとから取り返すのは容易ではない。
とにかく早いうちから自分のペースに持ち込もうと思った。
1時間42分に必要なラップは4:50/qである。
とにかく、極力このラップを下回らないで走ろうと思った。
前回10qの通過が49:46であったから、前半どんなに遅く入っても49分は切ろうと思っていた。
9:15に号砲が鳴ったようだ。
もちろん、我々Dブロックはすぐには動かない。
手賀沼の時は動き始めるのに2分、スタートラインを超えるのに5分掛かったが、今回は1分もしないで動き始める。
ただ、しばらくして止まり、また歩き始めて、やがて小走りになってスタートラインが見えてくる。
2分のロスくらいになりそうだ。
ただ、このスタートロスは自分には関係ない。
自分はあくまでグロスタイムを気にしている。
手賀沼の時は、スタートが比較的狭く、500メートル走ると走路が広くなって、そこから抜きにかかれたが、今回はそうはいかない。
スタートライン自体の幅が比較的広く、その先、ほぼ同じ広さの道路がずっと続くので、逆に抜かしどころが現れない。
予想通りスローペース。
しかも抜かせない。
まあ、予想されたことであり、しばらくは我慢である。
↑写真でもジョギングのような遅いペースの走りなのが分かる
水上公園通りを東に向かって、突き当たる手前が1q地点。
時計を押すと5:44。
こりゃ、えらいタイムだなと思う。
想定ラップより1分も遅い。
1分を取り戻すのは非常に大変な事である。
いくらなんでも、こりゃまずいなと思う。
無理してでも抜かしたほうがいいのではないかと思い始める。
幸い、スタート直後よりはランナーがばらけてきた。
例によって道路の端はランナーが少ない。
郵便局前の交差点を一番大外で回って、排水溝の上をねん挫に注意しながら走る。
今成の突き当りの交差点を右折するが、今度は大内を回り、中央分離帯の縁石を跨ぐ。
ペースを上げるのには苦労が必要だ。
やがて中央分離帯が無くなると、反対車線に大きくはみ出して、やはり走路の右端をキープする。
ここからJR川越線、東武東上線を跨ぐ橋。
比較的平坦なコースであるが、その中では長めの上り。
陸橋の上が2q地点。
時計は4:49。
まさに想定タイムそのものだ。
借金を取り戻すまでには行かないが、まあこの時点で5分を切ったのはいい傾向だ。
手賀沼の時は、慎重になりすぎて、本格的に5分を切るのに7qも要した。
ゼッケンには、ブロックナンバーが書いてある。
自分は3900番なのだが、ゼッケンにはD3900とある。
一目でどのブロックからスタートしたランカーかわかって面白い。
早くも周りにはCの人が増えてきた。
だが、驚いたことに、EやFのゼッケンの人に、結構抜かれる。
自分とて、そう遅いペースではないと思うが。
連雀町の交差点を左折し、蔵の街川越の中心部に入る。
思ったより混雑感は無く、ペースの速いEやFのゼッケンの人について、遅い人を抜かしていく。
人とぶつからないように気を使っていたせいか、3qの看板に気付かなかった。
このへんがが時の鐘のあたりであり、川越を満喫できるハイライト区間であるが、自分は走る事で精一杯。
あまり景色を見る余裕はなかった。
が、カメラ目線なところが、前回と違って余裕の証拠である。
↑このマラソンのハイライトであるが、街並みを見る余裕はなかった
札の辻の交差点を右折してまもなく4q地点。
時計を押すと9:22。
1qに直すと4:41か、と思う。
悪くは無いペースだ。
自分の時計は2段表示になっていて、上段にラップ、下段にスプリットが表示される。
スプリットタイムを見ると、19:55。
最初の1qが異常に遅かったにも関わらず、早くも5分/qペースを上回っている。
手賀沼の時、5分/qペースを上回るのに9qも掛かった事を考えると、一気にペースが上がっている。
最初の給水地点。
前回は、10q手前から給水を取り始めて、それ以降の給水は全てとった。
だが、最後はそれがあだとなって腹痛を起こした。
今回は涼しいので、給水は1回でいいだろうと思った。
ましてや5q手前の給水は、前回も取っていない。
今回も眼中無く、給水テーブルから離れて前を行く。
そろそろ目標とするランナーと見つけたいなと思っていたら、少し前に派手なシャツでいい走りをしているランナーが見えた。
ゼッケン番号D532。
今回は背中にもゼッケンを付ける事になっているので、後ろからでもどのブロックのランナーかわかっていい。
このランナーに付こうと思った。
前回は最初の5qまで、「HARA88」のレプリカユニフォームのランナーに付いたが、どうしても服が目立つランナーに付く癖があるようだ。
まあ、それはともかく、しばらくそのランナーに付いて、全体の流れより少し早いペースで前にいく。
川越高校の近くの交差点を左折し北上する。
係員が「この先走路が狭くなっております」と声をからしている。
大変だなあと思う。
確かに中央線の無い細い道路だが、もう大分ランナーもばらけているし、細いのは次の交差点までの200mほどなので、問題は無かった。
氷川神社前の交差点を左折して、今度は西に向かう。
さらに300mほど走って、突き当りの交差点を右折する。
その手前が5qだったようなのだが、D532のランナーに離されまいと付いていったら表示に気付かなかった。
右折を終えて県道12号線に入って、そろそろかなと思って時計を見たら、既に6分になっていた。
今度は神明町の交差点を左折する。
このあたりで、10qコースの遅れたランナーが現れる。
我々より25分前にスタートしているから、6qに55分も掛かっている計算になる。
運営するほうも大変だなあと思う。
6qで時計を押すと9:17。
もちろん2q分のラップだが、1qに直すと4:40を切っている。
これはいいラップだ。
呼吸を使う走りであるが、まあすぐにばてるほどのペースではない。
このままD532のランナーについて頑張ってみようと思う。
6〜7kmは4:38。
引き続きいいラップだ。
手賀沼の時のベストラップが、このくらいだったと思う。
ここ数キロ、すっとそのラップで走っているのだからいいペースだと思う。
今成2丁目の交差点を右折すると、いよいよ北環状線。
片道2車線の広い道路だ。
広くて気持ちがいい。
向かい風を心配したが、そう強い風ではない。
道が広いので、他のランナーを抜くのが楽になる。
余裕を持ってD532のランナーに付く。
自由に伸び伸び走れるようになったからか、7〜8qまでのラップは4分半を切って4:29。
これは素晴らしいラップだ。
今年3月、10qで44:05のタイムを出したが、その1〜7qのラップに匹敵する。
8qの看板とともに、「この先給水」の看板が現れる。
走る前は、13qの1箇所のみ給水予定だったが、走っているとどうしても甘えが入ってしまって、飲みたいなと思ってしまう。
気になるのはD532のランナーだ。
もしこのランナーが給水を取ったらどうしよう。
つい自分も付いていって、給水してしまいそうな気がした。
お願いだ、給水しないでくれ、と思う。
5q手前の給水では、少しの人しかとらなかったが、さすがにここへ来ると、取る人が増えてくる。
だが、幸運にも、D532のランナーは給水テーブルには近づかず、そのまま前へ歩を進める。
自分もそれに続く。
8〜9qのラップは4:37。
悪いタイムではないが、7〜8qのラップに比べて8秒も落ちている。
ずっとD532のランナーの4〜5mほど後ろを走ってきたが、ここのとこと距離が詰まり気味である。
D532のランナーのペースが落ちてきたのかもしれない。
ここは思い切って勝負どころと、いよいよそのランナーの前に出る。
しばらく北上してきた北環状線だが、国道254号バイバスに出る手前で折り返す。
折り返すと10q地点。
時計を押すと4:31。
またペースが上がった。
やはり自分としては、抜いたランナーに追いつかれるのは気持ちがいいものではない。
できればD532のランナーを離しておきたいという気持ちがあってペースが上がったのだと思う。
もちろんそのランナーからは自分の事は見えないので、そんな争う気持ちは全くないだろうが。
折り返したので、そのランナーとどれほど離れたか確認しようと思ったが見当たらなかったので、ほとんど差が無かったのだろうと思われる。
ちなみに、そのランナーのゴールタイムは私のタイムより1分45秒遅かったので、この地点でパスしたのは結果的に正解だった。
ここではさすがに、ラップタイムだけでなくスプリットタイムも確認する。
47:27。
少なくとも49分は切りたいと思っていたが、想定タイムより1分半速い。
まあ、スタート渋滞が1qでほぼ解消したのが大きかったが、その後のペースが速いのも事実だ。
このころから、もしかしたら1時間42分とは言わず、1時間40分を目指せるのではと思いはじめる。
北環状線を南に向かって走っているが、今度は途中の交差点を右折して平塚橋を目指す。
平塚橋の坂を上がったところが11q地点。
この1q4:33。
橋の上りがあったのにこのタイムは上出来だ。
このあたりで、トップを走るランナーとすれ違う。
自分は11q地点、彼らは16q地点だ。
青山学院の見慣れたユニフォームが通り過ぎてゆき、今度は大東文化大学のランナー、そして東洋大学の集団が走り抜けてゆく。
坂を下ると、今度は女性ゲストランナーの吉田香織さんとすれ違う。
折り返しコースは面白いなと思う。
11〜12qのラップは4:39。
それまでの2qから比べたら、少し落ちるタイムだ。
ちょっと無理した反動かなと思う。
まあそれでも悪いラップではない。
落ち込まずに頑張ろうと思う。
北環状線の広い道路は走りやすかったが、正直単調でもあった。
このあたりは道は狭いが、気分転換に色々な景色の道を走れていい。
12〜13qのラップは4:36。
12qまでで少し落ちたので、さらに落ちると嫌だなと思っていたが、少し持ち直した。
大丈夫だ、このペースでいい。
4:40を上回らないように走ろうと思う。
この頃になると、目標となるランナーが減ってくる。
D532のランナーをパスしてから、ずっと単独走であった。
しばらく前にAブロックからスタートした女性ランナーが見えた。
やはり、気持ち的に、自分より前のブロックでスタートしたランナーは抜きたい、という思いが働く。
だが、そのランナーとて、自分よりわずか2分前にスタートしていま近くだから、そう悪いペースで走ってきた訳ではない。
一気には抜けないので、自分のペースを守って自然に抜き去る。
その先に給水地点。
さすがにここでは取ったほうがいいと思われる。
アミノバリューのテーブルと水のテーブルがあるが、アミノバリューを頂く。
まだ走りながら水を飲むのがうまくない。
紙コップを持って人の少ないほうに退避し、ペースを落として2口飲む。
全部飲む必要も無いので、余った分を捨てて、コップをゴミ箱に放り投げる。
そうしている間に、さっき抜いたAスタートの女性ランナーに抜き返された。
鯨井中学校の折り返しの手前が14qポスト。
この1qは4:43。
給水ロスがあったので仕方がない。
そして、またその女性ランナーを抜く。
恐らく中学校の生徒さんだと思うが、すごい応援だ。
非常にありがたい。
折り返してしばらく、その子供たちに手を振って笑顔で走っていたら、またその女性ランナーに抜かれた。
ちょっとペースを落とし過ぎたのかなと思う。
応援の人波を抜け、またペースを戻す。
その女性ランナーに付こうかとも思ったが、女性ランナーの後ろに付くのは気がひけるので、またゆっくりと抜かす。
14〜15qの1qは4:32と、再びラップを戻す。
ランナーがだいぶばらけてきて、前が大きくあく。
これからは単独走だ。
自分との戦いだ。
手賀沼の時は、人に付いてばかりいたので、その人の陰になって自分が写っている写真が少なかった。
今日は途中からずっと単独走だ。
確か平塚橋の上にはカメラマンがいたはずだ。
カメラの前を両手を上げて走り抜ける。
でもやっぱり右肩が痛くて上がらない。
↑前が大きく空いたので、カメラを向いて走る
15〜16qの1qは4:37。
橋の上りがあってこのタイムだから、ペースが落ちたわけではないだろう。
時計のように正確なラップだ。
あと5q。
確かに呼吸は上がってきているが、まだ残り4分の1を走る分の体力は残っている気がする。
足さえ大丈夫なら、このままのペースで押し切れそうだ。
足にしても、2週間前に31qを3時間で走りきった。
地力は付いてきているはず、そう自分に言い聞かせて走る。
平塚橋の坂を下って交差点を右折、再び北環状線を南に向かう。
北環状線に入ってしばらく走って17q地点。
16〜17qの1qは4:34。
自分でもびっくりするくらい正確なラップである。
あと4q。
ただ、正直だいぶ体は疲れてきた。
正確なラップで走ってはいたが、逆に余裕は無かった。
手賀沼の時は残り4qで気持ちを入れ替えたが、そこまでの余裕は無かった。
足の疲労は、無いわけではなかった。
突き当りの交差点を右折して、直線を進めば、妻と娘が待っている地点である。
肉親の応援ほど力になるものは無い。
それを目指して頑張ろうと思う。
先に交差点が見え、右角にファミリーマートが見える。
その角を右折するのかなと思って走っていた。
だが、右折するのは、さらにその1つ先の交差点だった。
些細な事だが、こうしたつまらない事が落胆する要因となる。
気落ちしたせいか、17〜18qのラップは4:37。
↑このあたりから、かなり辛い表情に
だが、まだ4:40を割ったわけではない。
このまま押していけば1時間40分を切れそうだ。
この先には妻子が待っている。
そう思うと、何よりの力になった。
今度こそ交差点を右折し、妻子が待つ19q地点を目指す。
はやく妻子の元へ、そう思うと自然とペースがあがった。
川越市保健所のところが最後の給水地点。
だが、自分は給水しなかった。
前回手賀沼で、最後に給水してえらい目にあった。
そもそも、あと2qなら、給水など意味が無い。
走り終わってから飲めばいい。
間もなく道が細くなる。
恐らく、このあたりに妻子は居るだろう。
探すのに苦労するかと思ったが、向かって右手にベージュの服を着た小さい子が見えた。
娘だ!
妻と、妻の妹さんまで応援に来てくれている。
娘も自分に気が付いて、こっちに向かって走ってくる。
「お父さん!」という大きな声が聞こえる。
娘と目があった時間はほんのわずかであったが、こんなに嬉しい瞬間は無い。
と、前を見ると19qの看板が。
慌てて時計を押すと4:29。
前の1qより8秒縮めて、なんと今日のベストラップである。
きっと妻子の力だと思う。
だが、ここからがしんどかった。
本当はペースを上げたいところだったが、その力は残っていなかった。
だが、良く言えば全力を出し切って21qを走りきるペース配分ができているという事だ。
ペースが落ちたという訳ではない。
このままいけば1時間40分切りは確実である。
最後まで頑張ってゴールしようと思う。
「ラスト1q」との応援の声が掛かる。
応援してくれるのは非常にありがたいのだが、また残り1.6qの地点であと1qといわれると、正直しんどい。
やがて20qの表示が現れる。
時計を押すと3:53。
そんなはずはない。
明らかに距離表示が間違っている。
ほぼ正確なラップを刻んで走ってきたので、今までの距離表示は間違っていなかったと思われる。
という事は、ここからゴールまでまだ1.1q以上あるということだ。
最後の辛いところへきて、この表示は勘弁である。
確か20qの看板はJRのガードの下にあったと思う。
あとで地図で測ってみると、妻子がいた19qポストから800mほどしかない。
明らかなミスであろう。
だが、まああと1.3qくらい。
もう時計など気にする事は無い。
1時間40分切りは確実だ。
1秒でも早くゴールしようと前を目ざす。
ゴールとともに気になったのはカメラであった。
水上公園通りに出て右折する地点に、カメラマンの看板が見えた。
せっかくなら写真に写りたい。
そう思うと、人の後ろを走っている訳にはいかなかった。
力を振り絞ってランナーを抜かす。
公園通りに入ってゴールまでは400mほどだ。
やがて向こうに、ゴールの黄色のゲートが見えてくる。
よし、最後だ。
両手を上げてゴールしようかと思ったが、右肩が痛くて手があげられなかった。
↑ゴール直前・カメラは見えたが、笑顔を作る余裕は無し
ともかくもゴール、タイムを見ると1時間38分33秒。
今日の目標の1時間42分はもちろん、最終的な目標である1時間40分を大きく切る、自分でも信じられないタイムだ。
ゴール直後にアミノバリューとバナナをもらう。
手賀沼の時は、もらったポカリスエットを一気飲みしたが、今日は涼しいので思ったより喉は乾いていない。
それよりもバナナが食べたかった。
手賀沼の時もそうだったが、こんなにもバナナが美味しいものなのかなと思う。
| ラップ | スプリット | 備考 |
0km〜1km | 5:44 | 5:44 | スタート直後の走路渋滞 |
1km〜2km | 4:49 | 10:33 | |
2km〜3km | 4:43 | 15:16 | |
3km〜4km | 4:39 | 19:55 | |
4km〜5km | 4:38 | 24:33 | |
5km〜6km | 4:39 | 29:12 | |
6km〜7km | 4:38 | 33:50 | |
7km〜8km | 4:29 | 38:19 | |
8km〜9km | 4:37 | 42:56 | |
9km〜10km | 4:31 | 47:27 | |
10km〜11km | 4:33 | 52:00 | |
11km〜12km | 4:39 | 56:39 | |
12km〜13km | 4:36 | 1:01:15 | |
13km〜14km | 4:43 | 1:05:58 | 給水 |
14km〜15km | 4:32 | 1:10:30 | |
15km〜16km | 4:37 | 1:15:07 | |
16km〜17km | 4:34 | 1:19:41 | |
17km〜18km | 4:37 | 1:24:18 | |
18km〜19km | 4:29 | 1:28:47 | 妻と娘の応援 |
19km〜20km | 4:39 | 1:33:26 | |
20km〜21.1km | 5:07 | 1:38:33 | 4:39/q |
---|
注:3km,5km,20kmのラップは、次の1kmのラップより推計した値
キロラップを見てみる。
とにかく、安定してラップを刻んだといえるだろう。
スタート直後と給水があった13〜14q以外、4:29〜4:39という10秒の狭い幅に、ほぼすべてのラップを包含させている。
手賀沼の時は15q以降でラップを落としたが、今回はラップの落ち込みは無かった。
30qを何回か走って、距離への不安が無かった事が大きかったと思われる。
とにかく自分でも出来過ぎのタイム。
要因を考えてみると、
@気温が適度で風が無かった
…スタート時の推計気温7℃、ゴール時の推計気温10℃、風は1m/s以下と、走るのには最高の気候であった。
A思ったより走路混雑がなかった
…最初の1qは抜かすに抜かせなく、ひどいラップとなってしまったが、1qを越えてからは、思ったより混雑はなく、走りやすかった。
Bいい具合に目標ランナーが見つかった
…3qから8qまで付いたD532のランナーには感謝である。このランナーのお蔭でペースがつかめた。
Cここ一か月の走りこみの成果が出た
…手賀沼ハーフを走ってから1ヶ月の間に、31kmを二度走りきった事により、自信とともに足の耐力がついた。
D2度目のレースだった
…手賀沼の時は不安で最初自重したが、今回は足への不安が無かったため、最初から飛ばせた。
E妻子の応援があった
…これは何より励みになった。感謝せねば。
注目すべきは、ハーフと10qの係数。
今まで、自分の練習実績から、その係数は2.33と考えていた。
が、今回のタイムである1:38:33を10qのベストタイム44:05で割ると2.2355。
10qの時はスタートロスがほとんど無かったが、今回はロスがあった事を考えると、2.23と考えて差し支えないだろう。
この係数は2.2〜2.3と言われていて、今まで2.33とその範囲をはみ出していたことから、長距離に弱いと考えていた。
しかし、2.2台前半の数字が出たという事は、距離対応ができてきたという事である。
また、10qのタイム44:05が、決して偶然出てしまったタイムでは無いともいえる。
次のレースは1月の下野天平マラソンである。
正直、最終的な目標である1時間40分を川越で切ってしまったので、目標を見失いかねないが、出るからにはしっかり結果を出していきたいと思う。
そしていよいよ、青梅の30qと板橋のフルが待ち受ける。
ここまで来ると、30qの2時間半切りとフルマラソンの4時間切りが、絶対不可能とは言えなくなってきたと思う。
30qについては、既に練習で走っており、余裕を持って走って、信号待ちを含めて3時間を切っている。
今日のような走りが出来れば、2時間半というのは目標においてもいいタイムかもしれない。
ただ、青梅は人気大会故、相当走路が混雑するらしい。
想定ゴールタイムを3時間で申し込んでいるので、また自分の実力より後ろからのスタートになるものと思われる。
会社の先輩とエントリーしているので、タイムを目指して走るかは、これから考えようと思う。
正直、30q以上は未知数なので、フルマラソン4時間切りは可能性について語るべきではないかも知れない。
板橋のレースはタイムを狙う大会ではないようなので、これまた状況を見て考えようと思う。
とにかく、トレーニングを積むことだ。
定期的に会社から家までの30kmを走ろうと思う。
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